中生代は地上で恐竜が支配的であった時代。
そして爬虫類たちは陸の生活を捨て、空へ、そして海へ、
その生活圏を広げていった者は少なくなかった・・・。
爬虫類のなかでも海での生活にもっとも適応した結果、イルカのような姿に
なった爬虫類が「魚竜」とよばれるグループだ
魚竜ステノプテリギウス
まず体型からして陸に上がることは一生涯ないだろう。
もちろん繁殖を行うのも水中である。
親の体内に胎児を宿した化石も発見されており、
卵を産卵するのではなく、成長した胎児を出産した胎生であった。
爬虫類は肺呼吸。それは海に生活の場を移しても変わらなかった。
そのため水中で卵を産卵すると卵の中の胎児が溺れ死に孵化することがないからである。
それでは魚竜と同じく海に生活の場を移した
首長竜は水中で出産した「胎生」なのか、
それともウミガメのように産卵のときだけ陸に上がる「卵生」であるのか・・・。
ついにその答えとなる化石発見のニュースがとびこんできた!
2011年8月12日ナショナルジオグラフィックより
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20110812003&expand#title
調査された化石は1987年に発掘された7800万年前の海に生息していたと見られる
首長竜「ポリコティルス」。全長4,7mほどの小型の首長竜で、
首長竜といえば、首の長いネッシーのような体型を思い浮かべるが、
このポリコティルスはアシカやアザラシに近い体型をした首長竜だ!
このポリコティルスの成体化石の腹腔にあたる部分に胎児の骨が
しっかり収まっていたという!
つまり!
胎生はある程度、胎児を成長させて出産し、産まれた胎児が
きびしい外界でも強く生きられるようにした繁殖方法。
この首長竜ポリコティルスの場合は半端なかった。
産まれてくる子どもは1,5mと大きく、
もうすでに親の大きさの3分の1にまで成長していたのだ!
とにかく、古代生物の謎がまた1つ、解明された発見である。
ちなみに胎生とわかったのはポリコティルスという種。
すべての首長竜が胎生であったというわけではないことを付け加えておく。