今年も残りわずかとなりました!
例年のごとく、今回も今年の発表された古生物ニュースを
振り返ってみたいと思います。
今年は羽毛恐竜の解明に関するニュースが目立ったような気がしますが、
去年に引き続き、メラニン色素で恐竜羽毛の色がわかるというものが
続いてますね。
■1月■
★始祖鳥は羽は黒かった! ナショナルジオグラフィック より
恐竜から進化した最初の鳥とされる始祖鳥
。
その羽の化石を電子顕微鏡で詳細に調べた結果
メラニン色素を含むメラノソームという細胞小器官を探し当てたという!
メラノソームは毛髪や羽の色を決める働きがあり、始祖鳥の羽にあった
メラノソームの形や配置などを現生鳥類と比較したところ
始祖鳥の少なくとも1枚の羽は黒かったことを突き止めたという!
色素の詰まった黒い羽は他の色の羽よりも丈夫で耐久性があり、
飛行するうえで有利らしく、カモメやアホウドリ
のように白い鳥でも
翼の先端が黒くなるケースはよくあるという。
■4月■
★ミクロラプトルは玉虫色に輝く黒い羽毛恐竜だった!
ナショナルジオグラフィック
より
始祖鳥の羽に続いて、2003年にカラスほどの小さな羽毛恐竜で
4枚の翼をもつことで衝撃を与えたミクロラプトル
。
同じく電子顕微鏡を用いてミクロラプトルの羽毛化石のメラノソームを調べ、
現生鳥類と比較した結果、
カラスのように青い光沢のある黒色であることがわかったという!
★大型羽毛恐竜発見!ユウティラヌス・フアリ
ナショナルジオグラフィック
より
羽毛を持つ恐竜は始祖鳥やミクロラプトルのように体が小さい者ばかりである。
その理由は小さな体は体温が逃げやすいなど外気温に左右されやすいため、
断熱効果のある羽毛をまとうことにより、体温を一定に保持しやすいという話だった・・・。
しかし、その話に限ることではなさそうだ!
中国の遼寧省の1億2500万年前の地層から全長9mの羽毛をもつ大型恐竜
発見された!
「美しい羽毛の王」という意味のユウティラヌス・フアリ と名付けられ、
体化石のまわりには長さ15~20cmの羽毛化石が散らばって
保存されていたという。
全長9mの大型恐竜ともなれば、羽毛がなくても体温保持は容易だが、
羽毛をまとうことによって、暖かい地域から寒い地域と活動の範囲が広がることや
卵を温めるのに役立ったこと、また性的誇示やカモフラージュなどの機能も
あったのかもしれない。
■10月■
★恐竜の翼は繁殖行動に深く関係!オルニトミムス。
http://ameblo.jp/oldworld/entry-11395887715.html
恐竜の羽毛は性的誇示の機能という流れとして
約7000万年前に生息していたダチョウ型恐竜として知られるオルニトミムス
。
その恐竜の腕の骨には小さな突起が並んでいたという。
この突起こそ翼を構成する羽軸のある「風切羽」が生えていた証拠だ!
これでオルニトミムスは翼をもつ恐竜という復元になったわけだが、
とても飛翔できる体格ではなく、翼はもともと飛行用ではなく、
求愛のための性的なディスプレイとして使われたことが起源だったかもしれない。
■そのほかの2012年古生物ニュース■
5月
★高速遊泳型シーラカンス
http://ameblo.jp/oldworld/entry-11249659522.html
新種のシーラカンス「レベラトリクス 」。
生きた化石といわれ、ゆったり泳ぐ現在のシーラカンス
。
3億2000万年前からシーラカンスの仲間はこのようなスタイルであったが、
シーラカンスの中にもマグロのような長距離高速遊泳型の変わり種がいたようだ。
7月
★ヘビは陸上で誕生か?
http://ameblo.jp/oldworld/entry-11317022553.html
ヘビの起源は
地中での穴掘りに適応したとする説と
水中を泳ぐことに適応したとする説があるが、
従来のヘビの起源は当時、多島海であったヨーロッパの浅海に求められ、
トカゲの仲間から水中に泳ぐことに適応した結果が有力視されていたが、
コニオフィス
と呼ばれる北アメリカの7000万年前の地層から発見された化石が
もっとも原始的なヘビであることがわかり、
地中に穴を掘る習性があったとみられ、地中生活に邪魔な足を退化させて
ヘビになったというもの。
11月
★パンダの起源はヨーロッパから
ナショナルジオグラフィック
より
パンダの祖先とみられるクマ科の絶滅動物の顎の化石が発見される。
このパンダの祖先は1100万年前、温暖湿潤なヨーロッパで生息。
体重60kgほどの小さな動物だったと見られている。
「クレトゾイアルクトス・ベアトリクス(Kretzoiarctos beatrix)」と命名された。
12月
★アフリカのタンザニアで最古の恐竜
ナショナルジオグラフィック
より
1930年代に発見された化石を再調査したところ
2億4000万年前に生息した最古の恐竜である可能性があるというもの。
従来の最古の恐竜は南米の2億3000万年前の地層から発見されているが、
恐竜の登場が1000万年遡ることになる。
ということで
今年、発表された古生物ニュースはまだまだありましたが、
その中でも印象に残ったものを取り上げてみました。
それでは皆さん、
よいお年をお迎えください!