今年も幕張メッセでで恐竜博が開催されるようだ。
「恐竜王国2012」 7月12日(土)~9月23日(日)
この会場で行われる恐竜博といえば、
その広い会場を生かし、
全長がとてつもない数値を叩き出す巨大恐竜の展示が目玉となる
ことが多い。
2002年の恐竜博ではセイスモサウルス
(全長35m)
そして
2004年 チュアンジエサウルス
(全長27m)
2006年 スーパーサウルス
(全長33m)
2009年 マメンチサウルス
(全長35m)
などなど、
いずれも恐竜の中でも体がもっとも大きく成長するグループ
「竜脚類」であるが・・・。
2012年、今夏の目玉巨大恐竜は
フアシアオサウルス 学名(Huaxiaosaurus aigahtens )
竜脚類ではなく、鳥脚類ハドロサウルス科の恐竜だ!
鳥脚類恐竜としては異例の
全長は19m、体高は11mあるという!
しかしながら、
今までの30mオーバーの竜脚類には及ばない・・・。
いや、
だからといって、侮ってはいけない。
竜脚類は首と尾がえらく細長く、それで全長の数値を稼いでいるに過ぎない
悪い言い方をすれば、インチキ野郎だ!
たとえ20mにも満たないフアシアオサウルスでも
首が短く、尾が太いその体型であれば、巨大さを与えるインパクトは
負けてはいないだろう!
これを肌で感じ、実感するには会場に行かなければなさそうだ。
さて、
2012年の目玉巨大恐竜は
竜脚類に代わって、はじめての鳥脚類だが、
いずれも植物食恐竜。
鳥脚類には竜脚類に比べて、
あきらかに植物食恐竜としての優れている点がいくつかある。
まずは骨盤の形だ!
恐竜は骨盤の形で大きく2つのグループ、
「竜盤類」と「鳥盤類」に大別できる。
セイスモサウルスやマメンチサウルスなどの竜脚類は竜盤類に属し、
鳥脚類のフアシアオサウルスは鳥盤類に属す。
竜盤類はトカゲの骨盤に似ており、恥骨が前方に向くのに対し
鳥盤類では鳥類の骨盤に似て、恥骨が後方に向くという違いがある。
上の図のように鳥盤類は恥骨が後方に向くことにより、
胴体の内臓を収めるスペースは広くなるのだ。
柔らかくて栄養価のある肉にくらべ、
植物は硬く消化しづらいため、大きな消化器官を必要とする点から
鳥盤類の恐竜は植物食に向いた構造なのだ。
実際に鳥盤類の恐竜はほぼすべて植物食だ。
また、進化した鳥盤類恐竜には
小さな歯が集合化し、おろし金のようになった
「デンタルバッテリー構造」の歯列と咀嚼能力をもち、
これで植物を擦りつぶし、効率的に植物の栄養を摂取できたようだ。
フアシアオサウルスの属すハドロサウルス科の恐竜は
それが特に顕著にみられたグループだ。
それに対し、
竜脚類の歯はエンピツ状で咀嚼能力もなく
木の枝をパクつき、その木の葉を漉き取って、
ただただ、喉へ流し込んだ単純なものだったようだ。
あれだけの巨体を維持するには
それ相応の植物を食し、無駄に植物を大量消費していたことだろう。
といった具合で
植物食という点では鳥脚類は竜脚類よりも無駄がなく、はるかに優れているのだ。
さらに鳥脚類のなかでも最大の体躯を誇る
フアシアオサウルスは前肢が小さいため、後肢のほぼ2足歩行で
生活していたとおもわれる。
後肢で立ち上がり、頭はかなり高い位置まで持っていくことが
できたに違いない。
他の植物食恐竜の口が届かないような高木の木の葉を
独占できたであろう。
効率よく植物の栄養を摂取するデンタルバッテリーと咀嚼能力を備えながらも
大きな消化器官を効率よく収めるにくわえての巨体。
そして、高木の木の葉の独占・・・。
フアシアオサウルスはまさに好条件が3拍子そろった
植物食恐竜の王者なのだ!