ジュラ紀(2億年~1億4400万年前)
植物食動物の主役は巨体を誇る竜脚類。
竜脚類の歯は鉛筆のように細長く、その歯列は「鋤」のようだった。
その歯で植物をバンバンむしりとり、
ガンガンと喉の奥へと流し込んだ。
竜脚類はその大きな胴体まかせに食べた植物を
とりあえず大量にキープした!
そして
その長い首と巨体を生かし、温暖湿潤気候であった
ジュラ紀の豊かな植物資源を
我が物顔のように食べ尽くしていったのだ。
この頃は植物食恐竜の大量消費時代であったというわけだ。
しかし!新たなタイプの植物食恐竜が現れた。
白亜紀(1億4400万年~6500万年前)
植物食恐竜は竜脚類から、
鳥脚類のイグアノドンやハドロサウルス類が台頭し始める。
大量に植物を摂取するのではなく、
食べた植物からいかに効率よく栄養を摂取できるかに重点をおいたのだ。
その要となるのが「デンタルバッテリー」だ!
デンタルバッテリーとは。
微細な歯が集合化し、おろし金のような形状になっている。
いくつも重なった構造になっているため
上部の歯が磨耗すると、すぐに下には予備の歯がスタンバイしており、、
いつまでも物を噛むつぶすことができる優れものなのだ。
これで植物を細かく噛み潰して、物理的な消化を向上させたわけである。
そして、ハドロサウルス類はイグアノドン類よりも、より効率化されている。
ハドロサウルス類は別名「カモノハシ竜」と呼ばれているが、
カモノハシのように平らなクチバシをもち、
より多くの植物をついばむことに適していた。
さらに、
イグアノドン類よりもクチバシとデンタルバッテリーとの距離があり、
植物をついばむクチバシと植物をすり潰すデンタルバッテリーとで
役割分担をはっきりとさせていた。
これにより効率よく植物を口の中で分解できるようになったという。
白亜紀後期の北半球の大陸での植物食恐竜は
ハドロサウルス類でほぼ占められるほどになっており、
恐竜のなかでもハドロサウルス類ほどの咀嚼能力に長けたものはいない。