ネコ科動物・・・。
4000万年前に現れ、
哺乳類のなかでも狩りに特化した身体的特徴を持ち、
頂点の捕食者という地位を築き上げたグループだ!
持久力は乏しく、獲物を長距離で追い回すことはできないが、
獲物に静かに忍び寄って間合いを詰め、
その驚異的な瞬発力で獲物を瞬時に狩ることを
得意とする暗殺者である。
さて、頂点捕食者の大型ネコ科といえば、
「百獣の王」とよばれるライオンだろう。
ライオン (Panthera leo)
草原や砂漠といった平原に生息する。
彼らはネコ科動物でも意外にも変り種である。
ネコ科動物はイヌ科動物と違い、行動は単独で行うが、
ライオンはオス1~6頭と4~15頭のメスと子どもで群れを形成し、
狩りはメスがチームを組んで扇形に散開し、獲物に忍び寄るといった
ネコ科動物としては珍しい社会性をもつ
また
成長したオスだけに立派なタテガミをもつというのも大きな特徴。
これでオスとメスで容易に見分けがつくわけだが、
このようなはっきりとした性的二型はネコ科動物ではライオンだけである。
⇒ライオンのタテガミの新事実
http://ameblo.jp/oldworld/entry-10011544263.html
とにかく、誇示性の強いネコ科動物といえるかもしれない。
そしてライオンと双璧をなすのがトラである!
トラ (Panthera tigris )
現在のネコ科動物では最大の巨躯を誇る。
ライオンが平原の王者なら、トラは森林の王者である。
ネコ科動物は単独行動であり、体のしなやかさを生かして、
木登りや、泳ぎ、といったトリッキーな運動ができる。
狩りも獲物に忍び寄りに瞬時に襲うスタイルから、
隠れ場所の多い森林向きのハンターといえる。
ライオンと違い、単独行動で木登りも泳ぎも得意とするトラは
典型的なネコ科動物といえる。
とにかくトラはネコ科動物の王道をいっているにはちがいない。
チーター
(Acinonyx jubatus)
ライオンと同じく草原や砂漠に生息。
そういった見通しのよい場所で狩りを行うためなのか
言わずと知れた疾走に特化したネコ科動物。
走るスピードは2秒で時速72kmに達するという。
スピード追求でカスタマイズされたためなのか、
強さや武器となるものをほとんど犠牲にしている。
超スピードという激しい運動のための呼吸量を増大するため
鼻腔の容量を増やし、
その分、獲物を噛み付くための牙(犬歯)は小さくなってしまっている。
また
ネコ科動物といえば、その鋭い爪であるが、
これも走るためにイヌ科動物のように出し入れせず、スパイク化させている。
⇒「チーター・凄まじき短距離走者」
http://ameblo.jp/oldworld/entry-10046398340.html
とにかくスピードという方向性でチューンアップされたネコ科動物である。
スミロドン (サーベルタイガー)
すでに絶滅してしまったが、ライオンやトラをしのぎ、
頂点捕食者として君臨した一族。
チーターとは対極的に、その攻撃力に重点をおいたネコ科動物。
まずは、その異様なほどの長大な犬歯である。
これほどの長大な犬歯で獲物に突き刺すのだから、
狙う獲物は大物。
当時生息していたマンモス などの大型動物であっただろう。
大物狙いのためか、顎の開く角度はライオンが65°に対し
スミロドンは120度も開閉できる。
また体格はどのネコ科動物よりもガッチリしており、
獲物を抑えつける前脚はかなり筋肉隆々としていたらしい。
脚は太く短いため、あまり速く走ることはできない。
とにかく大物狙いで
攻撃力とパワーに重点を置いてチューンアップされた
ネコ科動物である。