Quantcast
Channel: 川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba
Viewing all 113 articles
Browse latest View live

ハルキゲニたん、モササウルスを語る

$
0
0

夏はやっぱり海だね!
ハルキゲニたんだよw

今回は「モササウルス」という海生爬虫類について。

まずは「モササウルス」って何?ってところからなんだけど、

 

↑モササウルス


恐竜時代の海洋で幅を利かせていたのは
海生爬虫類の「クビナガ竜」「魚竜」なんかがいるけど、
後になってトカゲの仲間が海に棲むようになった
海生爬虫類の新たな一派ってところかな。


彼らが現れたのは
恐竜時代も終盤に差し掛かる頃、だいたい白亜紀後半になるよ。

早い話、トカゲの仲間なんだけど、現在ではオオトカゲに近い関係でさ~
両者の頭の骨を見れば、ソックリだし。

まあ、オオトカゲが、海に棲みクジラやサメのような体形になったと
思っていただければ、だいたいオーケーだよ。

 

さて、
モササウルスの仲間が最初に現れた場所は、ヨーロッパなんだけど、
当時は海水面が高いし、アルプス山脈とかも、まだできていなかったんでさ~
ヨーロッパのほとんどの土地が海の底で、
海面からポツンポツンと島が顔をだす
「多島海」だったらしいんだよね。

そんなところに棲んでいたのが
アイギアロサウルス(Aigialosaurus)というトカゲで
モササウルスの祖先ってところ。

 

足はあったんだけど、貧弱でバッチリとは歩けなかったらしいから
陸に這い上がって日光浴するためだけの仕様だったかもしれないよね。

日光浴中も恐竜なんかに襲われそうになっても、
すぐそこに海があるから、ホイッて逃げれるしね。

 

そんなこんなで海の生活に依存していくうちに
足がヒレになって完全に海に適応しちゃったヤツが出てきたというわけ。

 

でも、海にはクビナガ竜や魚竜などの恐竜時代始まって以来から
海洋世界を我が物顔で支配していたんでさ、
新参者のモササウルス一派が入る隙がないんじゃない?
って思うよね。

 

実はさ~、モササウルス類が現れた頃には
クビナガ竜は衰退して、魚竜はもう絶滅していたらしい!

何が起こったかというと
1億2000万年前に太平洋のど真ん中で大規模な火山活動あったんだよね。

地球史上で最大の火山活動といわれているらしい!

というわけでどれくらいの規模だったのか知りたいところなんだけど、
現在でもこの火山活動の溶岩でできた
「オントン・ジャワ海台」という
巨大な台地が残ってて、その海台の規模は

富士山の溶岩の5万個分!
って、なんだかよくわからないスケールで
どうでもよくなってきちゃったw

 

そりゃあ、海底に富士山5万個分の溶岩が噴き出ちゃったら
海広しといえども、どうにかなっちゃうよね。


これがきっかけで、海の中は酸素欠乏なっていったらしいんでさ、
海洋生態系も崩れて、魚竜は絶滅し、
クビナガ竜もかなり衰退したってことらしい。

 

というわけで、その空白をモササウルス一派が、
うまく乗っかったというわけさ。

 

 

 

 


あたしと
ちょっとだけだけど、モササウルスも登場
「マンガ古生物学」
発売中で~す!

 

 

 

 


ハルキゲニたん、白亜紀の海洋無酸素事変を語る。

$
0
0

いやぁ、毎日、暑い日が続くねぇ~
こんだけ暑いと、立ち振る舞いがオッサンっぽく
なっちゃうよね?

ハルキゲニたんだよw

 

というわけで、
今回は地球の歴史のなかでも
もっとも暑かった時代の話をしちゃう!
今なんて、まだまだ寒いくらいよw

 

もっとも暑かった時代は
中生代白亜紀の中頃、だいたい1億年前あたりになるんだけど、
南極圏にも恐竜や両生類が普通にいるほどだからね。

なんでこの頃がとても暑い気候かというと

とにかく、白亜紀中頃は陸地から海底から
ヤバいくらい
火山活動が活発に起こってて、
現在でもその火山活動の痕跡があちこちにあるんだよね!

南太平洋の海底にある溶岩台地「オントンジャワ海台」とか
インドの「ラージマハール・トラップ」とか
インド洋の海底にある「ケルゲレン海台」とか
挙げるとまだまだある!

数多い火山の噴火で二酸化炭素が大量に放出されて、
極度の地球温暖化になっちゃったというわけ~。

 

って、話はここで終わらないっ!

極度の地球温暖化は、生き物たちに
もっと深刻な環境変動が待ち受けていたんだよ!

 

さて、ここで白亜紀に堆積した地層を見るとさ~
不思議な黒い層が世界各地で見られるんだよね。

「黒色頁岩」っていうらしいんだけど、
この地層にはビックリするぐらい
「有機物」が含まれているんだよ!

 

有機物とは生き物が作り出す炭素や水素からなる物質。
まあ、簡単に言っちゃうと生き物って、有機物の塊みたいなもんでさ~
黒色頁岩は生き物の遺骸がたっぷり含まれているってことなんだよね。

 

いやさ~、
普通だったら、遺骸なんてさ~、
バクテリアかなんかに分解されて跡形もなくなってしまうじゃない?


1億年も前の大昔なのにたくさんの遺骸が
よく残されていたよね~って思うよね

 

考えられることは、バクテリアすら活動できないような
酸素のない環境がそこにあったんじゃないかって言われているんだよ。

 

で、世界のあちこちにこの黒い層があるわけだから・・・
オイオイ!?世界じゅう無酸素状態!?ヤバくない?

とかまあ、驚かせちゃったけど、

無酸素だったのは海洋の海底限定だったようだね。

 

ちなみに黒色頁岩の「頁岩」って、バージェス頁岩とかが有名だけど、
水中に堆積した泥が元になっているんでね。

 

白亜紀中頃はこのような「海洋無酸素事変」

何度か起こってたみたいで、
これは火山噴火による極度な地球温暖化に関係しているらしい。

ここで、
白亜紀中頃より、まだまだ地球温暖化が進んでいない
現在の地球規模の海水の流れを見てみると、

 

↓現在の海洋大循環

海の浅いところの海流だけでなく、
北極近く北大西洋や南極周辺の海で
海流は深海へと沈み込んで、海の深い層にも別の海流があるんだよね。

 

これは北極と南極は寒いんでさ、
海水のたくさん水分が凍って、塩分が残される。
となるとさ、塩分濃度の高い海水というか密度の高い海水になって、
重たい海水になってさ、海の底へ沈んでいっちゃうんだよね。

この循環のおかげで、日光の届く浅い海で植物プランクトンが光合成で
出た酸素が、光合成で酸素ができる環境でない真っ暗な深海にも
運ばれるというわけ。

 

それを踏まえると、


極度の地球温暖化が進んだ白亜紀中頃は、
北極、南極でもそこそこ暖かいんで、海水は沈み込まず、
深海への循環は止まってしまって、酸素が届かない淀んだ層に
なるんだよね。

浅い海から落ちてくるプランクトンの死骸やらが、
酸素のない海底に降り積って、そのまま分解されずに堆積して
現在、「黒色頁岩」という地層になったというわけ。

 

ついでに言っとくけど、

自動車を走らせる燃料やら電気を生み出す火力発電やら、
プラスチック製品の原料などなど、
人類みんなの豊かな生活を支えてくれる「石油」って、
実はその多くが海洋無酸素事変とそこで息絶えた生き物が
残した黒色頁岩から
採れちゃったりするんだよね。

そんな石油を掘りおこして、利用し
ガンガン二酸化炭素排出して、地球温暖化と
問題になってるけど、このままいけば、
1万年後くらいには白亜紀のような気候になるっていうし、
再び海洋無酸素事変が起こっちゃうかも!?

 

 

というわけで

地球の歴史5億年を急ぎ足でまとめた

「マンガ古生物学」も発売中です!

 

 

 

アノマロカリスは容疑者なのか。

$
0
0

三葉虫エルラシア

おおまかに5億年前の古生代・カンブリア紀に生息した三葉虫だ。

カンブリア紀は大いに三葉虫が栄え、そのなかでもエルラシアの化石は

多く産出される三葉虫のなかでもメジャーな種である。

 

数多く産出されるエルラシアの化石の中でも

体が大きく損傷したものも知られており、

何者かに捕食された痕跡ともいわれている。

 

この容疑者とされるものは、

当時の10cm以下の動物がほとんどのなか、

メートル級の巨体を有する圧倒的強食者、

 

 

アノマロカリスだ!!

 

三葉虫の硬い殻を噛み砕くほどの捕食者は

アノマロカリス以外に候補がいないというわけだ。

 

しかし、答えはそう単純でもない。

 

実はエルラシアなどの三葉虫の殻は炭酸カルシウムで、

できている。

エビやカニのような甲殻類のように見える三葉虫だが、

その殻はエビやカニなどのキチン質の殻でなく、

アサリやシジミなどの貝殻と同じ成分なのである。

 

つまり、三葉虫の殻は二枚貝の貝殻のように、

カッチカチなのである!!

 

アノマロカリスが、これを噛み砕こうものなら、

その噛み砕く歯も無傷のままではいられないだろう。

 

数あるアノマロカリスの標本のなかで、

アノマロカリスの口にそのような傷は確認されておらず、

また、アノマロカリスの標本の胃の付近にも硬質なものを

食べたという事実も確認されていない。

そもそも三葉虫のような硬い殻を噛み砕くほどの能力がないという

研究も出されている。

 

果たして、エルラシアの化石に残る大きな傷跡は

何者かの捕食によるものなのか?

それともアノマロカリスをも凌ぐほどの捕食者

プレデターXの存在がいたのか!?

 

真相はまだまだ闇のベールに包まれているようだ。

 

 

 

ギリシャ神話と小さなゾウ

$
0
0

ギリシャ神話にサイクロプス(キュクロプス)という
単眼の巨人が登場する。


神話によると神々によって解放された
この怪物は卓越した鍛冶技術をもって、
その見返りに
主神ゼウスに雷霆(ケラウノス)
海の神ポセイドンには三叉の銛(トライデント)
冥府の神ハーデスには隠れ兜(アイドス・キュネエ)
を造り、贈呈したという。

 

さて、ロンドン自然史博物館では
神話に登場する単眼巨人サイクロプスの模型が
なぜか、ジャンル違いの地質学関連の地球ギャラリー
に展示されている。

 

実はこのサイクロプスのモデルとなったものが
かつての地中海に浮かぶマルタ島やクレタ島など小さな島々に生息し、
島嶼化によって極度に矮小化したゾウの仲間では
ないかという説がある。

(↑ヒトとの大きさの対比)

 

その矮小に進化したゾウのひとつに
ファルコネリゾウがいたが、有史以前に絶滅してしまったゾウで、
古代ギリシャ人がその存在を知るのは骨だけとなった姿である。


古代ギリシャ人は
アフリカやアジアにごく限られた場所にしか生息しない
生きたゾウの存在をまだ知らなかったかもしれない。


当然ながら、
地中海の島々に産出される小さなゾウの頭骨は
得体の知れない代物なのであった。

ゾウの頭骨はその膨れた頭蓋で、人の頭蓋骨に似ており、
顔の真ん中に大きなひとつの穴がある。
この穴はゾウの「鼻腔」であるが、当時の人々は眼球をおさめるソケット、
「眼窩」と解釈したにちがいない。
これで古代ギリシャ人は、かつて単眼の巨人がいたと信じ、
神話に登場させていたというわけである。

 

さて、そもそも

ゾウが地中海のこんな離れ小島に生息していたのだろうか。

 

ここからは私の憶測だが、

じつは今から560万年前の大昔。
氷河期によって海退が進み、
「メッシニアン塩分危機」とよばれる
地中海がほとんど干上がって、塩の砂漠となり
塩湖が点在するような時期があったという。

その頃のゾウの仲間は干上がった地中海に足を踏み入れる
ことができるわけだが、
その30万年後に氷河期が終わり、海水面が上昇すると
大西洋からジブラルタル海峡を通って、
大量の海水が干上がった地中海
にいっきに流入した。


その流量の規模はナイアガラの滝の数千倍とも言われている。

わずかな期間で地中海が海水で満たされるなか、
島として、わずかに残った陸地にいたゾウたちが
海に囲まれて大陸に戻ることもできず、取り残される形となる。


これがファルコネリゾウの祖先だったのかもしれない。

離れ小島での生活を余儀なくされた、それらのゾウたちは
その狭い土地での生活に適応するように
矮小化に進化したのである。

 

 

 

「マンガ古生物学」出るよ~!

$
0
0

「マンガ古生物学 ハルキゲニたんと行く地球生命5億年の旅」
っていう本が出るよ~w

1年ほど前に
「ハルキゲニたんの古生物学入門」という読み物の
古生代編と中生代編の2冊を出たんだけど、

今度は古生代と中生代合わせて、マンガで出しちゃうよ!

ここでおおまかな概要いっちゃうんだけど
13話構成でさ~

第1話は「ますは地球の歴史から」
とりあえず、タイトルにある5億年の歴史の前の
地球についてのざっくりとした話だ

 

第2話は「カンブリア紀・はじめての生物多様性」


生き物の弱肉強食が明瞭にわかっちゃう時代だよね。
そんなこんなでいろんなタイプの生き物が出てきたわけだよね。

 

第3話は「オルドビス紀・はじめての生物大量絶滅」


生物多様性から次の時代で早々に生物大量絶滅が起きちゃった話。

 

第4話は「デボン紀・激動の生き物上陸作戦」


新天地での陸上生態系本格化とか、この時代がまた忙しいんだよね。
1話4~6ページ分、とってるんだけど、
ギュウギュウに内容つめちゃったよw

 

第5話は「石炭紀の大森林ぶらり散歩」


独特の雰囲気ただよう森林を散歩。
ほんと不気味なところだったよ!

 

第6話は「ペルム紀・新たな繁殖戦略」


子育てする生き物って、この時代にはじめて現れたんじゃない?
子育てする動物を追跡しちゃうよ!

 

第7話は「三畳紀・低酸素時代を生き抜くその1」


世界が低酸素になっちゃっても、活発に動く動物がいて、
その秘密に迫っちゃうよ!

 

第8話は「三畳紀・低酸素時代を生き抜くその2」


この時代は恐竜も登場して、低酸素に強い生き物なんだけど、
その秘密にも迫っちゃうよ!

 

第9話は「ジュラ紀・巨大恐竜の時代」


低酸素に強い恐竜の体のしくみが、その副産物みたいな感じで
巨大化もできたって、またまたその秘密にも迫っちゃうよ!

 

第10話は「ジュラ紀・始祖鳥の登場」


ジュラ紀といえば始祖鳥は、もうはずせないって感じだよね!
始祖鳥エピソードのつらつら話ってところかな。

 

第11話は「白亜紀・大海原へテイクオフ!」


この時代はさ~、細々と大陸が分断されちゃって、
陸路の旅はダメな感じなんでさ~
翼竜に乗っちゃって、移動しようという話さ。

 

第12話は「白亜紀・恐竜最強タイトルマッチ!」


両方とも明らかに戦闘力高いでしょ!
ていうティラノサウルスとトリケラトプスの戦いだよ!

凄まじかったねぇ~

 

第13話は「がらりと変わった恐竜復元」


最後は現代にもどって、おまけ的な話。

とまあ、マンガ本の内容は、こんな感じかな。

ところどころにその時代の世界がわかるように

イラストマップも差し込んでるよ!

楽しいマンガになったと思うし、よろしくね~

 

 

 

ハルキゲニたん、ステゴサウルスを語る。

$
0
0

ハ~イ、ハルキゲニたんだよw

今回はこの前発売された「マンガ古生物学」の9話で
登場する
ステゴサウルスについて、
「マンガ古生物」では顔を出すだけだったんでさ~、
ここでステゴサウルスを詳しくやっちゃうね。

 

なんで、いきなり?思っちゃうかもしんないけど
あたしの登場する「マンガ古生物学」は
5億年の生き物たちの歴史という壮大な物語を
わずか96ページのマンガでイッちゃっうムチャぶりだったんでさ~、
「マンガ古生物」で語りきれなかったことを
このブログで補ってしまおうってわけ。

そもそも、
「マンガ古生物」には「あの麻呂カリスン」って人が登場して、
わたしよりも詳しいもんだから、
キャラの設定上、
あの麻呂カリスンが語り手で、
あたしが聞き手になっちゃってさ~
セリフが回ってこなくて、
存在感が薄れてしまった感があるんだよね~

 

って、おっと、長々グチってる前に本題だね。

 

まあ、そのステゴサウルスなんだけどさ~

ステゴサウルスって聞くと
「え!?捨て子の恐竜?」と思っちゃうんだけど、
「しょーもな・・・」って思った


そこのあなたっ!

あなたもステゴサウルスと聞いて、捨て子の恐竜って
多少なりとも頭によぎったはずだよ。

 

まあ、それはさておき
ステゴサウルスの
「ステゴ」って
外国語で
「屋根」って意味なんだよね。

 

ステゴサウルスを見る限り、
どこぞに屋根の要素があるんだ?って
思っちゃうんだけど、


ステゴサウルスは初めて知られた時の
背中の立派な骨板が倒れて体を覆い被さるような
感じなっていたと思われていたんだよね。

だからこの背中の骨板を屋根に見立てて
ステゴサウルス(屋根トカゲ)と呼ばれるようになったわけだよ。

 

まあ、今のステゴサウルスの想像図は
背中にこの骨板が突っ立ってて、立派なビジュアルになったけど
この骨板を詳細に調べたら、
どうやらたくさんの血管が走っていて、
この骨板を日光に当てて、体を温めたり、
風を当てて体を冷やしたりと
体温調節に使っていたと考えられているみたいね。

 

ほら、真夏にクソ暑くて汗ダラダラのときに
手首の脈を測るところに冷たい缶ジュースとか当てて、
汗を一気にひかす裏ワザってあるじゃない?

 

要は体じゅうをめぐる血液を冷やしちゃえば、
体じゅうが冷えちゃうというわけ。

これをステゴサウルスも背中の骨板で、
体温調節をやっていたというわけなんだけど、
この骨板は体の成長とともに大きくなっていった
とか言われているらしいから、
大人になったステゴサウルスが
立派な骨板を見せつける性的なディスプレイにも
使われていたとか言われているね。

 

まあ、いずれにしてもさ~
ちょっと興奮状態になって、血流が増えちゃうと、
血管がたくさん走る骨板が真っ赤になって、
ディスプレイ効果はさらにパワーアップしちゃうんじゃないかな。

このさらなるディスプレイ効果アップした骨板は
敵への威嚇効果にも使えそうね。

ステゴサウルスの敵といえばさ~
ステゴサウルスのライバル的存在だった
アロサウルスっていう肉食恐竜がいたんだけど、
コイツの腰あたりの脊椎骨とか恥骨とかに

貫通した傷穴があるんだよね~

これって、傷穴のサイズ的にも
ステゴサウルスの尾の先っちょに
ある4本のトゲによって
付けられたじゃないかって言われているんだけど、

これがもしもさ~、本当だったら、
ジュラ紀の王者とも言われていたアロサウルスに
骨をも貫通させるほどの深い傷を負わせるなんて・・・
冷静に考えるとヤバくね?これ。

ステゴサウルスはヤバいヤツってところなんだけど、
反対の意味でまた驚いちゃうのが、

噛む力

そのステゴサウルスの噛む力が最大で275N(ニュートン)
という試算が出てるんだよね。
まあ、よく知られてない単位と数値を出されてもって感じだけど、
ヒトの咬む力はだいたい700N(ニュートン)なんだよね。

9mもあろう巨大生物が
ヒトの咬む力の3分の1以下なんて、
噛む力なさすぎるでしょ。
まあ、植物しか食わないし、植物ついばんで、呑み込むだけなんだから、
そんなにアゴの力が必要ないってところなのかな。

ってまあ、ステゴサウルスのことをだらだら話しちゃったけど


最後まで読んでくれた人にお花あげちゃうっw

 

 

 

マンガ古生物学発売中で~っす

 

 

 

ハルキゲニたん、デボン紀の生物大量絶滅を語る。

$
0
0


イエ~イ!またまたハルキゲニたんだよw

前回に引き続き、
「マンガ古生物学」という本の補足的な内容を
ここでまたやっちゃうよぉ!

 

マンガ古生物学の第4話は
デボン紀(4億1900万~3億5900万年前)
という時代のお話なんだけどさ~、
この時代はいろいろあって、
魚の黄金時代に陸上にまで生息広げて、
地球上に初めて「森林」ができちゃって、
陸上生態系の本格化と
地球の歴史を大きく刻むことが
目白押しって感じでさ~、


その上に、生物大量絶滅も起きちゃって
なにかと忙しい時代なんだよね。

 

「マンガ古生物」では編集の都合上
1話につき4ページor6ページという制限があってさ~、
ここで生物大量絶滅まで盛り込むことなんて
絶対ムリだもん!

 

でも、ムリだもんって言い切っちゃってもさ~
デボン紀に起きた生物大量絶滅は
地球上にはじめて森林ができて、陸上生態系が本格化
したことと、どうやら関係があるっぽいんでさ~
そのへんのお話をここでしたいと思うわけさ。

 

さてさて、


デボン紀の生物大量絶滅っていっても、
あんまり知られていない生物史事変だと思うんだけどさ、


カンブリア紀という時代から現在まで、
生物大量絶滅は5回ほど起きていて、
最後に起きた「白亜紀末の生物大量絶滅」は
地球に巨大隕石が衝突して
恐竜やアンモナイトが絶滅したとかいうのは有名だよね。

2回目に起きたのがデボン紀の生物大量絶滅は
世界を一変してしまうほどの巨大隕石衝突や大規模な火山活動とか
起きていないのに、たくさんの生き物が絶滅しちゃったという
なんだかよくわからない生物大量絶滅なんだよね。

 

でもデボン紀の生物大量絶滅の特徴は
絶滅した生き物と絶滅を免れた生き物とで
けっこうな
偏りがあるんだよね。

 

その1つ目は
陸や川にいる生き物よりも

海の生き物がたくさん絶滅した!

2つ目は
たくさん絶滅した海の生き物のなかでも、
低緯度、簡単にいっちゃうと

熱帯地方の海の生き物が特に絶滅した!

3つ目は
魚とかの遊泳性の海の生物より、
三葉虫や貝など
海底にいる生き物の絶滅がヤバかった!

 

まあ、だいたいこんなところだけど、
2つ目の熱帯の海の生き物が特に絶滅したところなんだけど
おそらく、世界が寒くなって、熱帯の海が冷たくなって
棲むところが、なくなっちゃったんでしょ。

どうして世界が寒くなっちゃったかというと、
陸に森ができて、温室効果のある
二酸化炭素が消費されちゃったからなんだよね。
ほら、
植物って二酸化炭素を吸収して光合成するじゃない?

 

今じゃ、二酸化炭素を排出して、地球温暖化って問題になってるけど、
デボン紀は、はじめて森ができて、二酸化炭素が吸収されちゃったから、
今までとちがって気温がさがっちゃったのよね。

 

それと1つ目の
海の生き物が特に絶滅ってところなんだけど、
これも森ができたことが、理由でさ~、
森ができて、陸上生態系が豊かになると
そこで培ったたくさんの栄養が川を流れて、
海にたくさんの栄養が注がれるようになるんだよね。

 

栄養がたくさんだったらイイことじゃん!
って思われるかもしんないけど、


何事にもほどほどがいいってことは世の常だし、
海に栄養が多くなると
プランクトンなんかが大増殖しちゃって、
呼吸で海の中の酸素を消費しまくっちゃったのよ。

海は酸欠状態になっちゃって
海の生き物はとても生きられなくなったらしいだよね。

 

とくに海底の生き物が大打撃を受けたらしく、
当時の海底に積もった地層から、
黒い泥の層が見つかっていてさ、
これが海底がよどんだ酸素の乏しい水に覆われていた証拠なんだってさ!

 

とまあ、デボン紀の生物大量絶滅の原因は
森ができたからだって、いろいろ言っちゃったけど、
本当のところ確かなことは言えないんだけどね~。


いずれにせよ、これでだいたい辻褄を合ってんじゃない?

というわけで、近々また顔出すよw

 

 

 

「マンガ古生物学」発売中だよ~!

 

 

ハルキゲニたん、ティラノサウルスの羽毛について語る

$
0
0

再三に登場!!ハルキゲニたんだよw

今回は思い切ってティラノサウルスについて
いっちゃうよ~

ティラノサウルスは人気ナンバーワンで熱意のある支持者の多い恐竜だし、
それだけにティラノサウルスに対して強い想いを馳せている人
多いんでさ~

 

「てめえみたいなヤツなんざ、ティラノサウルス語ってんじゃねえ~!」
とか言われそうで怖いよ・・・

 

まあ、ティラノサウルスは最後で最強の恐竜みたいに
ゴマすりながらヨイショ的な話しとけば、大丈夫かなw

とか余計なこと言ったら怒られそうだ・・・。

 

ティラノサウルスといっても
かなりの情報があるんでさ~
今回はティラノサウルスの
羽毛の有無について語らせてもらうかな~。

間違ってもティラノサウルスはスカベンジャー(腐食肉者)で
鈍重な恐竜とは口が裂けても言えない。

あっ!また余計なこと言っちゃった。

 

そんなこんなで恐れ多いティラノサウルスなんだけど、
最近、羽毛の生えたティラノサウルスの復元想像図をよく見るようになったじゃない?

 

でさ~
結局のところ、ティラノサウルスに羽毛が生えての?そうでないの?
ってなるんだけど、


まあ、結論から言っちゃうと、

「なんともいえない」

って、結論になってないしぃ~w

 

でもティラノサウルスに羽毛が生えてるのか、生えてないのかに
ついては、それぞれにそれなりの理由があってさ~、
そのへんのところ話たいんだけどさ、

 

まずは
ティラノサウルスが羽毛なって生えていないという理由には
ティラノサウルスが巨体であるため、

体の中の熱がこもりやすい体質
ってことかな。

なんで体が大きいと熱がこもりやすいかというとさ~、
体の大きさが大きくなると、
体の表面積に対して体の体積が比率が
どんどん大きくなっていくわけじゃない?
表面積は2乗に比例するけど、体積は3乗に比例するからって感じで。

体の表面積は体から体内の熱が外へ発散する出口のようなもんでさ~、
体が大きくなると、体の表面積は当然大きくなるんだけど、
それ以上に体の体積はもっと大きくなって、
体の体積は体の中にある熱量とイコールみたいなもんだから、
結果的に体が大きくなるにつれ、
莫大な熱量になって、それを外へ逃がすだけの出口が確保できなくなってしまうんだよね。

 

とか、ややこしいこと言って、自分でなに言ってんだかよくわかってないんだけど、


身近で例えちゃうと
コップにあるお湯は冷めるの早いけど、
お風呂の湯船のお湯は冷めるのに時間がかかるって感じ?

この巨体がゆえに熱がこもりやすい体質のうえに
断熱効果のある羽毛なんか生えていたら、

熱いお湯にフタをされた感じになっちゃうんで
余計に熱が出ていかないので、
ティラノサウルスのような巨体だと、すぐにオーバーヒートに
なっちゃうというわけ。

それがティラノサウルスの羽毛が生えていないだろうという理屈なんだけど、
ティラノサウルスって、かなりの大型肉食恐竜で
同じく大型肉食恐竜のアロサウルスやスピノサウルスと
いっしょ系っていう感じを受けるんだけどさ~、


ティラノサウルスはそれらとはまったく別物で
体が小さく羽毛が確認されている恐竜が多い

「コエルロサウルス類」というグループの一員なんだよね。

ティラノサウルスはそういうグループの一員なんだから
当然、羽毛があっても不思議ではないでしょって
なるんだけど、
羽毛つき小型恐竜たちのなかで、極端に巨大化して
グループ内でかなり浮いてしまった存在になってしまったし、
やっぱり、さっきも言ったように体温の諸事情でさ~
羽毛も抜け落ちて、さらに浮いた存在に磨きをかけてしまった
かもしんないよね~。

 

ところがさ~
ティラノサウルスにごく近い全長9mもある

「ユーティラヌス」という肉食恐竜には
なんと羽毛の痕跡が確認されているんだよね。

ティラノサウルスほど大きいとは言わないまでも、
これだけ大きな恐竜に羽毛があったことがわかったんだから、
大きな体は熱がこもりやすいから羽毛がないという理屈は
あくまで理屈であってさ~
実際はティラノサウルスにも羽毛があったんでは?って
思えてくるよね~

ってどっちなんだよっw


というわけで
あたしもティラノサウルスも登場する
「マンガ古生物学」発売中だよ~

 

 

 

 

 


ハルキゲニたん、ティラノサウルス・スカベンジャー説を語る

$
0
0

やっぱお肉がおいしいねっ!
ハルキゲニたんだよw

 

前回はティラノサウルスの羽毛についてやったからさ~
今回は
ティラノサウルスはスカベンジャーだったかも?という
話をさせてもらおうかな。

そもそも「スカベンジャー」って何?ってなるんだけど、
日本語で訳すと
「腐肉食者」っていって、

ティラノサウルスは獲物を追いかけて狩りをするのは苦手で、
ハイエナのようにそこら辺に落ちてる死んで腐った獲物を
漁って食べていたんじゃないか
っていう、
今まで思っていたティラノサウルスのイメージ総崩れではないかっ!
ていうお話。

ティラノサウルスのスカベンジャー説を主張したのは
古生物学者のジャック・ホーナー博士という人なんだけど、
彼の言うスカベンジャーである理由を言っちゃうと、

 

ティラノサウルスは体重6トンもある巨体で、
その上、後足2本だけで支えているわけで
足の筋肉が巨体を支えて、走るには、ちょっとキツいんじゃない?
ってことで


最大でも時速20kmしか速度しか走れなかったっていう。

ヒトが走る速度は普通で時速25kmだから
ティラノサウルスは体が大きい分、歩幅がずいぶんあるのに
ずいぶんと遅いよね。もうやる気あるのか?ていうくらい。

仮にさ~
獲物を追いかけ、高速で走ったとしてもさ、
前足がかなり小さいんで、
転んだ時に地面に手をつけられず、
大怪我するリスク

もあるんだよね。
前足が小さいと獲物とか掴めたりとかもできないしね。

 

それと
ティラノサウルスの脳の形もだいたいわかったいるんだけど、

嗅覚を司る部分が発達していて、鋭い嗅覚は
遠く腐肉を嗅ぎつけるのに発揮できたんじゃないかな。


まあ、嗅覚はハンティングにも必要だし、一概にはいえないけどね。

 

まあ、その一方で
「いやいや、ティラノサウルスは立派なハンターだよっ!」
ハンター説を支持する意見も結構あるんだよね~。

 

ティラノサウルスの頭骨をみると、いくつかハンターであった
という理由があったりするんだけど、

ティラノサウルスの噛みつく力は他を圧倒する生物界最強レベルで、
その極太のアゴの筋肉を収めるがために
上から見て
頭骨の後ろ半分が急激に幅広くなる形に

なるんだよね。


そのため両目が前向きになって、両眼視ができて、
獲物との距離を正確につかむことができるんだよね
これって、獲物をハンティングするにはポイント高い能力だよね

 

あと
頭骨っていうのは、一個の骨じゃなくて、
何枚かの骨が立体パズルのように組み合わさって
いるんだけどさ~


ティラノサウルスの場合
その骨と骨の間に隙間があったりするらしいんだよね。

これがどういうことかというとさ~、
頭に激しい衝撃とかあったら、骨の隙間から衝撃が逃げてくれて、
頭骨全体に伝わらないことになるじゃない?


生きた獲物をアゴで捕らえた時、獲物はもちろん激しく抵抗するんでさ
頭に伝わってしまう

強い衝撃をある程度逃がす効果があるんだよね。


まあ、ティラノサウルスがハンターであった直接的な証拠もあってさ、

2013年7月に「これ決定打じゃね?」って報告があるんだよね。

 

米国のサウスダコタ州で
植物食恐竜(エドモントサウルス?)の尾の椎骨に
ティラノサウルスの歯が突き刺さった状態の化石が見つかってさ~
傷跡だけなら、すでに死体になったあとの傷って可能性もあるんだけど、

傷跡には治癒の痕跡あったらしいんでさ、
生きていた時にティラノサウルスに襲われていたってことで、
ティラノサウルスのハンターであった1つの証拠にもなるよね。


いやさ~、
今までもティラノサウルスらしきものに噛みつかれて、治癒の痕跡がある
っていう化石はあったんだけどさ~、
残ってたのは歯型だけで、それがティラノサウルスの仕業って
決めつけられないって
モヤモヤがあったんだけど、今回の発見はティラノサウルスの歯
そのものが突き刺さってんだから、
動かぬ証拠で、「この話、終了~」ってなっちゃうよねw


あ、そうそう最初に方で
ハイエナはスカベンジャーみたいなこと言っちゃったけど、
ハイエナはそういうイメージが強いだけで、
意外とライオンよりも優秀なハンターだったりもするんだけどね

 

まあ、そんな感じで、ティラノサウルスも
ハンターだったのか、スカベンジャーだったのかはさ~
ケースバイケースなのかもしんない。

 

さてさて
トリケラトプスのフリルにも
ティラノサウルスの噛み跡が!
「マンガ古生物学」もよろしくね~

 

 

 

 

ハルキゲニたん、モササウルスを語る

$
0
0

夏はやっぱり海だね!
ハルキゲニたんだよw

今回は「モササウルス」という海生爬虫類について。

まずは「モササウルス」って何?ってところからなんだけど、

 

↑モササウルス


恐竜時代の海洋で幅を利かせていたのは
海生爬虫類の「クビナガ竜」「魚竜」なんかがいるけど、
後になってトカゲの仲間が海に棲むようになった
海生爬虫類の新たな一派ってところかな。


彼らが現れたのは
恐竜時代も終盤に差し掛かる頃、だいたい白亜紀後半になるよ。

早い話、トカゲの仲間なんだけど、現在ではオオトカゲに近い関係でさ~
両者の頭の骨を見れば、ソックリだし。

まあ、オオトカゲが、海に棲みクジラやサメのような体形になったと
思っていただければ、だいたいオーケーだよ。

 

さて、
モササウルスの仲間が最初に現れた場所は、ヨーロッパなんだけど、
当時は海水面が高いし、アルプス山脈とかも、まだできていなかったんでさ~
ヨーロッパのほとんどの土地が海の底で、
海面からポツンポツンと島が顔をだす
「多島海」だったらしいんだよね。

そんなところに棲んでいたのが
アイギアロサウルス(Aigialosaurus)というトカゲで
モササウルスの祖先ってところ。

 

足はあったんだけど、貧弱でバッチリとは歩けなかったらしいから
陸に這い上がって日光浴するためだけの仕様だったかもしれないよね。

日光浴中も恐竜なんかに襲われそうになっても、
すぐそこに海があるから、ホイッて逃げれるしね。

 

そんなこんなで海の生活に依存していくうちに
足がヒレになって完全に海に適応しちゃったヤツが出てきたというわけ。

 

でも、海にはクビナガ竜や魚竜などの恐竜時代始まって以来から
海洋世界を我が物顔で支配していたんでさ、
新参者のモササウルス一派が入る隙がないんじゃない?
って思うよね。

 

実はさ~、モササウルス類が現れた頃には
クビナガ竜は衰退して、魚竜はもう絶滅していたらしい!

何が起こったかというと
1億2000万年前に太平洋のど真ん中で大規模な火山活動あったんだよね。

地球史上で最大の火山活動といわれているらしい!

というわけでどれくらいの規模だったのか知りたいところなんだけど、
現在でもこの火山活動の溶岩でできた
「オントン・ジャワ海台」という
巨大な台地が残ってて、その海台の規模は

富士山の溶岩の5万個分!
って、なんだかよくわからないスケールで
どうでもよくなってきちゃったw

 

そりゃあ、海底に富士山5万個分の溶岩が噴き出ちゃったら
海広しといえども、どうにかなっちゃうよね。


これがきっかけで、海の中は酸素欠乏なっていったらしいんでさ、
海洋生態系も崩れて、魚竜は絶滅し、
クビナガ竜もかなり衰退したってことらしい。

 

というわけで、その空白をモササウルス一派が、
うまく乗っかったというわけさ。

 

■追記だよ■

コメントいただきました「浮き輪をトゲの間にどうやって入れた?」

っていうご指摘なんだけど、

以下のとおりで~す!

 

2番と3番は前後してもイイよ!

 

 

 

 


あたしと
ちょっとだけだけど、モササウルスも登場
「マンガ古生物学」
発売中で~す!

 

 

 

 

ハルキゲニたん、白亜紀の海洋無酸素事変を語る。

$
0
0

いやぁ、毎日、暑い日が続くねぇ~
こんだけ暑いと、立ち振る舞いがオッサンっぽく
なっちゃうよね?

ハルキゲニたんだよw

 

というわけで、
今回は地球の歴史のなかでも
もっとも暑かった時代の話をしちゃう!
今なんて、まだまだ寒いくらいよw

 

もっとも暑かった時代は
中生代白亜紀の中頃、だいたい1億年前あたりになるんだけど、
南極圏にも恐竜や両生類が普通にいるほどだからね。

なんでこの頃がとても暑い気候かというと

とにかく、白亜紀中頃は陸地から海底から
ヤバいくらい
火山活動が活発に起こってて、
現在でもその火山活動の痕跡があちこちにあるんだよね!

南太平洋の海底にある溶岩台地「オントンジャワ海台」とか
インドの「ラージマハール・トラップ」とか
インド洋の海底にある「ケルゲレン海台」とか
挙げるとまだまだある!

数多い火山の噴火で二酸化炭素が大量に放出されて、
極度の地球温暖化になっちゃったというわけ~。

 

って、話はここで終わらないっ!

極度の地球温暖化は、生き物たちに
もっと深刻な環境変動が待ち受けていたんだよ!

 

さて、ここで白亜紀に堆積した地層を見るとさ~
不思議な黒い層が世界各地で見られるんだよね。

「黒色頁岩」っていうらしいんだけど、
この地層にはビックリするぐらい
「有機物」が含まれているんだよ!

 

有機物とは生き物が作り出す炭素や水素からなる物質。
まあ、簡単に言っちゃうと生き物って、有機物の塊みたいなもんでさ~
黒色頁岩は生き物の遺骸がたっぷり含まれているってことなんだよね。

 

いやさ~、
普通だったら、遺骸なんてさ~、
バクテリアかなんかに分解されて跡形もなくなってしまうじゃない?


1億年も前の大昔なのにたくさんの遺骸が
よく残されていたよね~って思うよね

 

考えられることは、バクテリアすら活動できないような
酸素のない環境がそこにあったんじゃないかって言われているんだよ。

 

で、世界のあちこちにこの黒い層があるわけだから・・・
オイオイ!?世界じゅう無酸素状態!?ヤバくない?

とかまあ、驚かせちゃったけど、

無酸素だったのは海洋の海底限定だったようだね。

 

ちなみに黒色頁岩の「頁岩」って、バージェス頁岩とかが有名だけど、
水中に堆積した泥が元になっているんでね。

 

白亜紀中頃はこのような「海洋無酸素事変」

何度か起こってたみたいで、
これは火山噴火による極度な地球温暖化に関係しているらしい。

ここで、
白亜紀中頃より、まだまだ地球温暖化が進んでいない
現在の地球規模の海水の流れを見てみると、

 

↓現在の海洋大循環

海の浅いところの海流だけでなく、
北極近く北大西洋や南極周辺の海で
海流は深海へと沈み込んで、海の深い層にも別の海流があるんだよね。

 

これは北極と南極は寒いんでさ、
海水のたくさん水分が凍って、塩分が残される。
となるとさ、塩分濃度の高い海水というか密度の高い海水になって、
重たい海水になってさ、海の底へ沈んでいっちゃうんだよね。

この循環のおかげで、日光の届く浅い海で植物プランクトンが光合成で
出た酸素が、光合成で酸素ができる環境でない真っ暗な深海にも
運ばれるというわけ。

 

それを踏まえると、


極度の地球温暖化が進んだ白亜紀中頃は、
北極、南極でもそこそこ暖かいんで、海水は沈み込まず、
深海への循環は止まってしまって、酸素が届かない淀んだ層に
なるんだよね。

浅い海から落ちてくるプランクトンの死骸やらが、
酸素のない海底に降り積って、そのまま分解されずに堆積して
現在、「黒色頁岩」という地層になったというわけ。

 

ついでに言っとくけど、

自動車を走らせる燃料やら電気を生み出す火力発電やら、
プラスチック製品の原料などなど、
人類みんなの豊かな生活を支えてくれる「石油」って、
実はその多くが海洋無酸素事変とそこで息絶えた生き物が
残した黒色頁岩から
採れちゃったりするんだよね。

そんな石油を掘りおこして、利用し
ガンガン二酸化炭素排出して、地球温暖化と
問題になってるけど、このままいけば、
1万年後くらいには白亜紀のような気候になるっていうし、
再び海洋無酸素事変が起こっちゃうかも!?

 

 

というわけで

地球の歴史5億年を急ぎ足でまとめた

「マンガ古生物学」も発売中です!

 

 

 

ハルキゲニたん、厚歯二枚貝を語る。

$
0
0

ひさびさのハルキゲニたんだよw

さてさて、
これは絶滅した巨大ザメ「メガロドン」!
あのホホジロザメの体格を何倍にも大型にした、伝説の強食者だよね。

 

でも古生物にはさらなる恐ろしそうな名前の奴が!

その名もネオメガロドン」!
メガロドンを新たにカスタマイズされて帰ってきたような強力な名前だけど・・・。

その正体は実は
まさかの二枚貝で拍子抜けw


中生代三畳紀のだいたい2億年前くらい大昔に生息した二枚貝らしい。

で、なんでこんなたいそうな名前ついちゃったのさ~
って思うところなんだけど

二枚貝は左殻と右殻の2枚の貝殻があるのは言うまでもないんだけど、
その2枚の殻をつなぐ蝶番の噛み合わせる突起を
「鉸歯(こうし)」っていって
これがゴツかったらしい。

メガロドンって「大きな歯」という意味だけど、
ネオメガロドンはその鉸歯が他の二枚貝に比べて大きかったわけだね。
ネオメガロドンは

「厚歯二枚貝」っていう
ジュラ紀後期に現れた中生代特有の二枚貝の祖先らしい。

まあ、この「厚歯」って付くところから、
鉸歯が発達してて、丈夫な殻の蝶番が出来上がっているんだなって感あるけど
丈夫な蝶番のお蔭なのか、殻が立体的で自由すぎる形の厚歯二枚貝が
わんさか登場するわけなんだよね。

巻貝と間違っちゃうでしょ!ってヤツやら、

2枚の殻のうちの一方が異様に分厚くなって
蓋付きのゴミ箱みたいになったやつ。
これが二枚貝って、中身がかなり容量ありそうで、
かなり食べ応えありそうなんだけど、


フタを開けてみると
ゴミ箱部分は空洞がないくらいのかなり厚底で
食べる身はきわめて普通だったという
勝手な思い込みで期待していた自分がいちばん悪いんだけど
だまされた感はぬぐえないよw

厚歯二枚貝には、もうひとタイプいて、
ウシの角のような形もいたんだよね。
こんな形になったのも、速い水流を踏ん張って、海底を横たわる
ためと言われているのはわかるんだけど、
ここまでくると、もう二枚貝の面影すらなくなってしまっているよねw

 

さてさて、
白亜紀も後期に入ると、この厚歯二枚貝が大繁栄しちゃうんだけど、
いっぽうでさ、サンゴ礁がずいぶんと衰退したんだよね。
それと入れ替わるように、大繁栄した厚歯二枚貝が寄り集まって
サンゴの代わりに「礁」をつくったんだよね。


さしずめ「厚歯二枚貝礁」っていったところかな。

大繁栄したとこは、テチス海(現在の地中海がその名残)と大西洋で、
なぜか太平洋だけあまりいなかったみたいなのは謎だけど、


それはさておき、
白亜紀後期の海洋で
サンゴ礁が衰退して、その穴埋めに厚歯二枚貝礁が拡大していったのは、
海水の状況によるのが原因ではないかって言われているんだよね。

サンゴの骨格をつくるのはアラゴナイト(あられ石)で、
それに対して
厚歯二枚貝の殻の主成分は
カルサイト(方解石)でつくられているらしいんだけど、
どちらも炭酸カルシウムという成分でできていて
結晶構造が違うだけらしいんだけどね。

 

それでさ

現在の海と1億年前の海では
ずいぶん状況が違っていて、
海洋無酸素事変を起こすほど海底火山活動が活発からの
二酸化炭素が異様に増えちゃっただの影響かなんかで、
1億年前の海水のカルシウム(Ca)に対してマグネシウム(Mg)割合が
異常事態と思えるほど低く
なったらしい。

現在の海はマグネシウム/カルシウム比が5,2だけど
白亜紀後期1億年前の海は1,0を下回っていたらしく


こういう状況では
骨格や殻がアラゴナイトを主成分とする生物は

うまく育たないんだってさ!

この状況で大繁栄できた厚歯二枚貝は
6600万年前の白亜紀末生物大量絶滅期に絶滅してしまって
時期限定的な大繁栄だったんだけど、
それからは「礁」をつくる造礁生物は現れず、
サンゴ礁がふたたび現在のように復活したのは
海のマグネシウム/カルシウム比が増え始めた
新生代漸新世(3400万年~2300万年前)
かららしい。

 

 

 

そういえば、

あたしの本、

「ハルキゲニたんの古生物学入門・古生代編」

重版決まったよ!

本、買ってくれた方ありがとー!

 

 

 

 

 

 

パンブデ・ルリ子、シリウスパセット動物群を語る

$
0
0

毎度っ!やないかw
はじめましてやね。

うち「パンブデ・ルリ子」っていうねんけどな、
言いにくいと思うから、「ルリちゃん」って
短く呼んでもらってもええで。

 

今回、ハルキゲニたんにお休みしてもらってやね、
ウチの登場ってなわけなんやけど、
ウチはなんの生き物かわかりはる?

カンブリア紀の5億年前に生きてた
「パンブデルリオン」ってよばれてる生き物やで!

知らんがなっ!って思いはるかもしれんけど、
まあまあ、聞いてぇな。


ハルキゲニたんは「ハルキゲニア」って生き物で
それは知ってはる人は多いとは思うんやけど、
さすがに「パンブデルリオン」は影薄すぎるやろって
ウチのことながら思うし、まあ、しゃーないわな。

 

せやけど、
カンブリア紀のいっちゃん有名な生き物に似てると思えへん?

ほらほら
カンブリア紀の頂点捕食者アノマロカリスやんか!

アノマロカリスの眼球をもぎ取ってまうだけで
パンブデルリオンなってまうやん!って、そう思えへん?

逆にウチに目をつけたら、ほらほらっ!
アノマロカリス以外何者やねんってなってまうやろw

実はゆうとくけど、アノマロカリスとは親戚関係やねん。

なんでアノマロカリスの親戚関係のウチが、マイナーかっていうと、
ウチが発見されたのは
「シリウス・パセット」っていう化石産地で、
まあ、カンブリア紀の化石産地といえば、
カナダの「バージェス」と中国の「澄江(チェンジャン)」の
2択みたいなとこあるわけやし、
シリウスパセットってこれまた知らんやろうなぁ

 

シリウスパセットという化石産地を場所でいうとな、
北極圏にあるグリーンランドっていう地の果てみたいな
えげつないところにあるから、調査しに行くにしても、寒いし、めんどいし、
ほんで研究もなかなか進まへんから、日の目が当たらんってとこやろうなぁ。
まあ、そのへんはしらんけど。

 

まあ、
そんなシリウスパセットでどんな古生物が発見されとるんって
いわば、
「シリウスパセット動物群」って言われとるやつ?
ここでザァ~っと紹介しとくわ。

 

 

 

ケリグマケラ 学名(Kerygmachela kierkegaardi  )

まあ、見たらウチと似とる姿してるから、わかりはるとは思うけど
アノマロカリスの親戚やね、いささかウチも含めて、
アノマロカリス類よりも原始的な種類といわれとるんや。

 

 


タミシオカリス 学名(Tamisiocaris borealis)

シリウスパセットではアノマロカリスの親戚はウチとケリグマケラはんだけやない。
こっちは特殊化したちょっと変わり種のアノマロカリス類やで。
頭部の先に触腕と言ったらええんかな?
虫取り網みたいになっているやろ。これで海中にいる大量のプランクトンを
かすめとって口に運ぶって寸法やろね。


たくさんのプランクトンがあって、こういう生き物がいはるってことは
豊かな海やったんやろうねぇ。まあ、しらんけど。

 

 


ハルキエリア 学名(Halkieria evangelista)

名前から混同されがちやから、ゆうとくけど、
ハルキゲニアちゃうよ。ハルキ【エリア】やし、
全然違う生き物。

「ハルキエリアって。どこのエリアやねん」って覚えとけば
ハルキゲニアと混同されんでええんちゃうかなwしらんけど。

 

貝殻で覆った腕足動物の祖先って話もあるみたいやけど、
そういう話が出たんは、体の前と後ろで貝殻みたいなのが
名残っぽくあるところやろね。

それにしても腕足動物の仲間というんやったら
貝殻からめっちゃ身がはみ出とるがなw
体全体を身を守るのに、はみ出てしまった身にはウロコで覆って
なんとか間に合わせました!みたいなエライ場当たり的な生き物やなw

 

 


クレプトスーリ 学名(Kleptothule rasmusseni )
 
こんな見た目で三葉虫の仲間らしいで。
長さ3cm,幅わずか5ミリしかあらへん小さな生き物やから、
直で見るとゲジゲジにしか見えへんねんけどね。
もうゲジゲジでええやんwとおもったけど、
まだゲジゲジが地球上に現れていないような大昔やから
まあ、しゃーないか。


というわけで、
シリウスパセット動物群にも
なかなかおもろい奴がけっこうおるやろ?

まあ、まだまだあるんやけど、ええかげんここいらにしとくわ。

それじゃあ、ほなねっ!

 

 

 

ハルキゲニたん、デボン紀を語る

$
0
0


ハルキゲニたん1

ハルキゲニたんの・・・


ハルキゲニたん2

背アタ~ック!!


ハルキゲニたん3

グサッ!



おお~!
壁をも突き刺す、このあたしの背アタック。

こんなこと人に向けてやってしまったら・・・


あたしの存在そのものが銃刀法違反><;

歩く銃刀法違反w^^w


ってか

トゲが壁に突き刺さったまま
降りられないんですけどぉ~w


まあ、そんなことよりさ~
今回はデボン紀(4億1600万年~3億5900万年前)の世界の
お話をさせてもらうよー。


ってか

あららの久々の更新・・・いや~、まいったね^^;


いままでの回は
本題入る前に関係のない余計な話から入っちゃうわけだけどさー
今回のデボン紀ってのは
いろいろと話すことが盛りだくさんなんだよね。


だからさー
今回はサクッと本題にいっちゃうよ!


さてと・・・

デボン紀っていう時代は
今からおおよそ4億1600万年から3億5900万年前の時代を指すんだけどさー
この時代はひとことで言っちゃうとさー


ぶっちゃけちゃうとお魚の時代w^^w


現在のいるお魚を大きくグループ分けするとさ

ヤツメウナギやヌタウナギといった
アゴをもってないという「無顎類」

サメやエイとかのさ、身と骨の硬さがあんま変わんないじゃん的な
やわらか骨の
「軟骨魚類」

でさー
シーラカンスやハイギョといった
ヒレが骨入りの肉厚な
「肉鰭類」

そんでもって
マグロやスズキ、フナとかー、金魚とかさー
もう今の魚はほとんどこれでしょっ的な
「条鰭魚類」


現在の魚類

魚類ってのはさー
「無顎類」「軟骨魚類」「肉鰭類」「条鰭魚類」と
大きくこの4つに分けられるんだよね。


でもでもぉー!


デボン紀という時代の大昔はさー、
この4つのグループからさらに追加で

頭と胸あたりまでに骨板で装甲をあしらった「板皮類」

体にトゲが並ぶのが特徴のー「刺魚類」

という絶滅したグループがいてたわけよ。


デボン紀の魚類

このお魚の6つのグループがすべて共存してたのが
デボン紀オンリーってなわけで
お魚の時代なんだよねー。


魚類6大グループ

さらに!
このお魚の時代は歴代のお魚グループ勢揃いだけでは
終われせてくれないのよ!


デボン紀の終わり頃になるとさー
この6大グループのひとつの肉鰭類から
劇的な進化をおこしてるんだよね


肉鰭類の特徴である骨入りの肉厚なヒレが、
陸を歩く足として活用できてしまったのかどうか、
ここで初の陸上の脊椎動物が現れたわけよ!

初めて脊椎動物が上陸した時代だったんだよねー


まあ有名なのが教科書にもよく載ってるイクチオステガだね。
このあたりの話はイクチオステガの登場がもうテッパンw


イクチオステガ

これが後々の時代に
魚類の一部から
両生類や爬虫類、鳥類、そんでまた哺乳類となって
陸の上でつぎつぎと適応放散していったわけね。


まあさー
脊椎動物が初上陸は
いろいろ条件がそろって成し遂げられたことなんだけどさー
まあ、このあたりの話をしちゃおうか?


まずはデボン紀がどんな世界だったのかというとさー
デボン紀の世界地図はこんな感じー。


デボン紀の世界地図

赤道のところにユーラメリカ大陸ってのがあるじゃない?

まあ今のヨーロッパと北アメリカにあたる大陸で、
ユーロとアメリカを合体させてユーラメリカという大陸名になってるのね


このユーラメリカ大陸はもともと前の時代のシルル紀に
ローレンシア大陸とバルチカ大陸2つの大陸がぶつかってできた大陸なんでさー
2つの大陸が衝突した場所が大きく盛り上がって、

カレドニア山脈と呼ばれる巨大山脈ができたんだよ!


カレドニア山脈の形成

このユーラメリカ大陸を南北に走る巨大山脈が
大気の流れを遮ってさ、そのふもとで雲がたくさん集まって
山の天気は忙しいと言うだけでは済まされないほど
大雨をしょっちゅう降らしていたわけなんだよね。


そんなもんだからさー
ユーラメリカ大陸には大きな川がたくさん流れるわけでさー
そこから動植物がどんどん河川にそって陸の奥地へと生活の場を広げていったわけだよー


ハルキゲニたん4

ここでデボン紀で起きた重要なポイントのひとつ!




アーケオプテルス

植物でアルカエオプテルスという「木」と呼べるレベルの植物が登場しててさー
これが陸地でたくさん生えるようになって
地球上ではじめて「森林」という環境ができたんだよね。


これがまた
今までカンカン日照りだった陸地を日差し優しい木漏れ日と潤いある環境になってさー
森林浴みたいな心地良い感じ?


まあさー、動植物にとってかなりの快適空間になったわけなんだよねー。

このおかげで動植物がどんどん陸地に進出していって
現在では陸地でもっとも繁栄している昆虫も、このデボン紀で
はじめて現れているんだよね。


森林という環境のおかげで
快適空間となった陸地と昆虫などたくさんのエサが陸地に豊富にあるということでさー
魚だけだった脊椎動物も4本の足をもって陸上進出を促す結果となったわけだよ。


まあ、陸上の動植物は前の時代のシルル紀には登場していたけど
デボン紀は陸での生物の多様性を大いに促した時代だったわけね。

ってなわけで、
次回は石炭紀のお話をしちゃうよー!



ハルキゲニたん5

って
いつになるのかわかんないけどw


ミョ~な昆虫大百科

$
0
0
お知らせです。

廣済堂出版よりミョ~な生き物シリーズ

ミョ~な絶滅生物大百科

ミョ~な深海生物大百科

に続いて、その第三弾

「ミョ~な昆虫大百科」

12月31日からコンビニのセブンイレブンで発売されます!


ミョ~な昆虫大百科表紙

今回は生物種の半数以上を占め、地球の陸上でもっとも繁栄を謳歌している

「昆虫」がテーマです!

ミョ~な昆虫大百科

知られているだけでも80万種いるといわれる昆虫の中から

とくにユニークな昆虫を100種厳選し、紹介していく内容の本です。


ミョ~な昆虫大百科


今回も同様に

第1章は「ミョ~な形の昆虫」でとくに形態がユニークな昆虫を

第2章は「ミョ~な行動の昆虫」で変わった生態をもつ昆虫を

第3章は「ミョ~にどデカい昆虫」で昆虫という小さな生き物から驚くほど大きな昆虫を

第4章は「ミョ~に奇麗な昆虫」で宝石のような美しい昆虫を

第5章は「ミョ~にヤバい昆虫」で毒や病気を媒介するような危険な昆虫を

第6章は「ミョ~に似ているなりきり昆虫」で擬態が得意な数多い昆虫のなかでも面白いものを

第7章は「ミョ~だけど身近な昆虫」で、身近にいる変わった昆虫を


合計100種類の昆虫が紹介されています。


ミョ~な昆虫大百科

本日の12月31日からコンビニのセブンイレブンで

この本が並んでいると思いますので

ぜひともよろしくお願いします!


未来の奇妙な動物大図鑑

$
0
0

たいへんご無沙汰のブログ更新です・・・。


また本を出版することで、

久々のブログ更新なのに前回記事と続けて本の告知宣伝です(^ー^;)


宝島社より見本誌が届きました。


未来の奇妙な動物大図鑑(表紙)


「未来の奇妙な動物大図鑑」


オールカラーで

遠い未来に動物たちはこんな風に進化するだろうという

110種類の未来動物を掲載した内容になってます。



未来の奇妙な動物大図鑑(世界地図)

↑これは1億年後の世界地図を掲載したページ。

本書では


500万年後の未来動物

1億年後の未来動物

2億年後の未来動物


の3部構成で紹介していきます!


未来の奇妙な動物大図鑑

未来の動物2

↑未来動物が掲載されているページです。


書店に本が並ぶのは

1月23日(金)からです。


ぜひとも書店で手に取って見ていただけたらと思います!


【タイトル】 未来の奇妙な動物大図鑑

【発売日】  2015年1月23日

【価格】   1380円(税別)


どうぞよろしくお願いします!


未来の奇妙な動物大図鑑/川崎 悟司
¥1,490
Amazon.co.jp






ハルキゲニたん、石炭紀を語る

$
0
0



ハルキゲニたんのベストスマイル1

ハルキゲニたんの


ハルキゲニたんのベストスマイル2

ベストスマイル!!

えっw どこがスマイルなんだって?
あたしゃ、顔の表情ができないカギムシなんだから、そこは許してぇ~w

まあ、それはさておき、
「ハルキゲニたん、デボン紀を語る」(2013年12月19日)から

ずいぶん間があいてしまったんだけどさ~^^;


今回はデボン紀の次の時代、「石炭紀」について語らせてもらうよw

まあ、石炭紀は

だいたい3億5900万年前~2億9900万年までの期間を指す時代なんだけどさ、


石炭紀、地質年代

カンブリア紀、オルドビス紀、シルル紀、デボン紀って続いて「石炭紀」って、
時代名のパターンがなんだか変わっちゃうじゃない?


石炭紀にあたる時代に堆積した地層からよく石炭が採れることから、

この時代だけその名がまんま付けられちゃったわけなんだけどさ~、


まあ、この「石炭」っていうのが、この時代のことをよくあらわしてて、
石炭っていうのは植物が腐敗する前に地中にガッツリ埋もれちゃって、

地圧と地熱を受けて変質したもの、


ぶっちゃけ、「植物化石」だね。


早い話、石炭紀はかなり植物ボーボーの世界だったってわけよw

石炭紀の大森林を形成する木々がこれまた個性派ぞろいで、有名なのが3つ。

ロボク!リンボク!フウインボク!

なんだかトリオ的な感じのリズムで頭から離れない覚えやすさだよねw


ロボク、リンボク、フウインボク

ロボクは高さ10m、フウインボクは30m、リンボクなんか40mって
言われているくらいの大木なんだけどさ~、


今の木には「杉」とか「松」とか「桜」とかいろいろあるけど、
石炭紀にはそんな植物はまだ現れていなかった大昔なんでさ~、
ロボクはトクサの仲間、リンボク、フウインボクはヒカゲノカズラ類っていう
原始的なタイプのシダ植物が木の代わりをしていたんだよね。

さてさて、
この石炭紀の大森林で大いに繁栄しちゃいました的な生き物がいるんだよね。
それは「翅をもった昆虫」だね。

昆虫は前の時代のデボン紀に現れて、
まだトビムシみたいな地を這って生きていた小さな生き物だったんだけどさ~、


この時代にもなると翅をもつ昆虫が現れて、
生物史上初の飛行生物になったんだよね!

これがまたまた石炭紀の大森林という環境でジャストフィットしちゃってさ~
石炭紀の大森林には高さ40mを超すような木々が軒を連ねていたわけだからさ
そういう高い場所へヒトっ跳びできて、他の生き物が
足を踏み入れることができない領域に入ることができたんだよ。

つまり、そこは敵のいない安全地帯。昆虫たちのパラダイスってことなんだよね。
そういう高いところに、ロボク、リンボク、フウインボクの高木が
栄養たっぷりの胞子をつけていたんだから、

もうウハウハよw

鳥とかまだ現れていない天敵不在の世界で

伸び伸び生きていたせいなのか、
ビックサイズに成長する昆虫がけっこういたんだよね。


石炭紀の巨大昆虫

まあ有名なのがメガネウラというトンボの仲間かな。
翅を広げた長さはなんと70cm!w

パレオディクティオプテラというカゲロウの仲間は45cm!w

ゴキブリとカマキリの共通祖先とかいわれてるプロトファスマは10cm

翅ないし、昆虫じゃないけど、虫というくくりで見ちゃうと
ムカデとかヤスデに近いとされるアースロプレウラなんかは長さ2mという
とんでもないジャンボサイズw


アースロプレウラ

どれも実際、見てしまうと「えっ!?」って目を疑ってしまう大きさだよねw
こんな巨大虫はこの時代の常識w

まぁさ~、こんな森に迷い込んでしまったら、
肉体的な疲労による限界よりも
精神崩壊の方が先にきてしまうとおもうよ。人によってはw


失神するハルキゲニたん

まあ、虫たちが大きくなった理由にはまだあってさ、
この時代はかなりの高酸素だったらしいのよ。
現在の酸素濃度は21%だけど、この時代は30%もあったといわれとるよ。
高酸素は動物の代謝速度を上げて

昆虫の巨大化を促したともいわれとるよ。

さて、この時代、酸素濃度が高かったのはなんでなのさ~
ってなるんだけどさ、


光合成によって酸素を生産する植物が多かったのは確かなんだけど、
倒木や枯れた植物を分解する微生物がまだ十分に現れていなかった
といわれとるね。
この微生物は植物を分解するときに酸素を消費するんでさ、
植物は多いけど、それを分解する微生物があまりいなかったから、
結果的にどんどん酸素が増えていったってことになるらしいよ。


だからさ~
微生物がすくなかったから植物が腐らずにそのまま地中に埋もれて、
今となっては石炭紀の地層からジャンジャン石炭が採れるように
なったってわけだね。

ハルキゲニたん、ハルキゲニアの姿について語る。

$
0
0

ハルキゲニたんの・・・


ベストスマイル!!


ハルキゲニたんのベストスマイル

だから~、どこがベストスマイルなんだって?

顔がないハルキゲニアだからさ~、そこは許してよw


っていうか!


ここ最近、ハルキゲニアの顔が明らかになりつつあるんだよね。


それがなんかねぇ~
イギリスのケンブリッチ大学とか
カナダのトロント大学やロイヤルオンタリオ博物館とかがさ~
共同でハルキゲニアのことを研究した内容を
6月24日に英科学誌ネイチャーで発表しちゃったみたいでさ~


ハルキゲニア最新復元
これがハルキゲニアの最新の復元。


ハルキゲニアの顔には
目があって、口にはリング状に並ぶ歯があったらしいんだよね。
それからさ~
ノドの奥にも針状の歯がずら~っと並んでたみたいでさ~
食べ物を食べたときに戻しちゃったりしない便利さは
まあ、あるのはあるんだけどさ~、


寄生エイリアンか!

うう・・・なんか、めちゃ凶悪そうな顔になっちゃいそうで・・・
あたしゃ、寄生エイリアンか!ってなってしまうよ><;

というわけで、こんな顔になっちゃうんだったら
顔はぶっちゃけ、なくていいよw


まあ、こんなハルキゲニアだけどさ~

ここまでくるにはいろいろと紆余曲折があったんだよね。


1911年にカナダのブリティッシュコロンビア州にあるバージェス頁岩で
はじめて化石が発見されたんだけどさ~


ハルキゲニア旧復元

ようやく1977年になって研究成果の復元された姿は
今までにないようなタイプのワンダフルな生き物w


長いトゲが足になって、カツンカツンって足音が響かせて歩いていたみたいw
って、海の中で棲んでたから響くわけないかw


でもさ~1992年に
中国でも発見されてたハルキゲニアの化石の研究で
「ハルキゲニアの姿は上下が逆なんでないの?」ってなったみたいでさ~
そこで、なんで上下が逆なのよってなるじゃない?


ハルキゲニア復元変換1

背中に生えてた触手なようなものは
1列だったと思っていたものが2列あったってわかったらしいのよ。


これがハルキゲニアの足なんでないのってわけでさ~、
今までのハルキゲニアの姿は上下逆さまで間違いでした~
ってことがなっちゃったみたいよ。


でもここで終わらないのがハルキゲニアw


ハルキゲニアの細長い胴体の先端には大きな膨らみがあって
ここが頭部だと思われていたんらしいんだけどさ~、

「ここは押しつぶされたときに出た体液とか
食べたものが飛び出てしまったかなんかの膨らみでないの?」


って話が前からあったんだけど、


ハルキゲニア復元変換2

今回、ハルキゲニアに頭部と思われていた膨らみの逆っ側に
歯とか確認されちゃって、ここが明らかに頭ってことで
前後も逆でした~ってなったわけだね。


まあ、上下が逆、前後が逆ってさ~


おかえり。旧復元

ぐるぐる一周まわって、最終的に最初の復元の姿に戻っちゃいました~
ってオチになりそうだよw








忍び寄る新復元

化石発掘キット、その他、恐竜関連書籍

$
0
0

雨が降ったり止んだりのどんより梅雨空が続きますが、
極力、手荷物を持ちたくないから
空模様見て、大丈夫だろうとおもって傘を持たず出かけると、
必ず雨が降るというオチは
これお約束なのか?とおもう今日この頃。

でも明けない梅雨はない!
青と白のコントラストがまぶしい夏はすぐそこです!

とはいっても特に待ち遠しいわけではないんですが。ぷっw


今年の夏は映画ジュラシックパークの第4弾が公開されるなど

「恐竜」がまたまたお熱くなりそうです!


というわけで、

化石セブン さんより

イベント用「化石発掘キット」を紹介しておくれとのことで

化石発掘キット1  化石発掘キット2

送っていただいたものがこれです。発掘ブラシもついて、

これでお手軽に化石発掘体験ができるという代物。


化石発掘キット3  化石発掘キット4

掘ってるとけっこう無心になれますが、

粒子がえらい細かいのかブラシでゴシゴシ削ると砂煙がすごいです。

マスクは必ず着用したほうがいいですね。

もちろん発掘キットにはマスクもついていますのでわざわざ用意する手間はありません。


化石発掘キット5  化石発掘キット6

出てきたのは2cmほどのアンモナイト化石です。


化石発掘キットはたいていアンモナイトの化石が出てきますが、

中には当たり付きというものがあって


化石発掘キット7  化石発掘キット8

これが当たり付きのスピノサウルス の歯です。

ほかにもメガロドン の歯とか、モササウルス の歯など用意しているとか!


詳しいことはこちらをご覧くださいませ⇒化石発掘キット



次は私の関わった恐竜本をご紹介します。

愛しのブロントサウルス―最新科学で生まれ変わる恐竜たち/ブライアン・スウィーテク

「移行化石の発見」(文藝春秋)で知られるプライアン・スウィーテクの著書。
新たな新発見が相次いで恐竜のイメージもずいぶん変わりましたが、
それについて追っていく内容になっています。
著者の恐竜愛がとても感じられる1冊です。

原著では恐竜のイメージ図が少ないため、翻訳本で恐竜イラストをご協力させていただきました。

7月4日に発売されます。


恐竜のふしぎ(1) 恐竜の誕生と大進化! の巻 (講談社の動く学習漫画 MOVE COMICS)/高橋 拓真

恐竜のふしぎ(2) 恐竜の栄光と大絶滅! の巻 (講談社の動く学習漫画 MOVE COMICS)/高橋 拓真

講談社の動く図鑑「MOVE」シリーズの学習漫画

「恐竜のふしぎ」の1巻と2巻が発売されています。


動く図鑑「MOVE」シリーズはDVDが付属することで

たいへん人気ありますが、

こちらの学習漫画にもDVDがついています!


漫画がメインですが、

口絵で恐竜イラストをいくつか描き下ろしさせていただきました。


以上、よろしくお願いします!

「生命のはじまり 古生代」刊行

$
0
0

ブックマン社より見本が届きましたので

お知らせします。


生命のはじまり古生代1


絶滅した奇妙な動物シリーズの

「生命のはじまり 古生代」が刊行されます!

恐竜たちがまだ現れていない時代の「古生代」にフォーカスした内容です。


生命のはじまり古生代2


タイトルの「生命のはじまり」とありますが、

これは40億年前に地球上ではじめて生物が現れたという意味ではなく、
おおよそ5億年前のカンブリア紀の生物多様性の大爆発から、

生命の大躍進がはじまったという意味です。


生命のはじまり古生代3


古生代は海から生まれた生き物が陸に生活圏をひろげ、

はじめて森ができ、そして空を飛ぶ生き物が現れた。

生き物のいなかった不毛の世界が、生き物のあふれる世界へと変貌していく。

そんな時代が古生代なのです。

生命のはじまり古生代


というわけで、

そんな古生代をテーマとした本書が

7月7日から刊行されます!


7月7日からは

国立科学博物館で

生命の大躍進展(会期7月7日~10月4日)が開催されます。

ここでもこの本が置いてあるとおもいますので

どうぞ、よろしくお願いいたします!


生命のはじまり 古生代 (絶滅した奇妙な動物シリーズ)/川崎 悟司
¥1,620
Amazon.co.jp

Viewing all 113 articles
Browse latest View live