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イカ~食べられ続けた歴史

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恐竜時代の海洋を支配したのは大型海生爬虫類。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-中生代の海生爬虫類

中生代の通して長く繁栄した海生爬虫類の代表格とも
いえる「首長竜」
海の適応にもっとも追求した結果、イルカやマグロのような体型に
なった爬虫類「魚竜」。
そして
魚竜と入れ替わり現れた新参者。海トカゲの「モササウルス類」


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-イカを襲うクビナガリュウ 川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-イカを襲うギョリュウ

そんな彼らの食生活を支えたのは、
もっぱらイカの仲間であろう。
中生代の海には現在のイカとは親戚関係にある

ベレムナイトが大繁栄していたのだ。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ベレムナイト
↑ベレムナイト(胴体にあたる外套膜の先端に剣のような殻が内臓。その化石は矢石と呼ばれる)


ベレムナイトの腕には吸盤ではなく、かぎ爪が連なり、
魚竜ステノプテリギウス の化石には実にベレムナイト1500匹相当する
かぎ爪が含まれていたというから、海生爬虫類にとって
彼らの存在は大いなる恵みであったにちがいない!


そして

現在においてもイカはクジラやアザラシなどの海生哺乳類や
マグロ、カツオなどの大型魚類の格好のエサ資源である。
このように太古から

海の食物連鎖の上位に立つ者に食べられ続けた歴史をもつのだ!


もちろん彼らはただ食べられるだけでなく
天敵から逃れる術も持ちえている。ご存知のように
スミを吐いて敵を目をあざむき危機から逃れるというもの。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-タコのスミ吐き川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-イカのスミ吐き
ちなみに
タコのスミは煙幕のように広がり、敵の視界を塞いで
その間にそそくさと逃げる雲隠れの術ようなものだが、
イカのスミは粘り気が強く、スミは塊となって吐き出される。
天敵にそのスミの塊を囮(おとり)として目を逸らせ、
その間にそそくさ逃げる分身の術といったところだ!


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ダイオウホウズキイカ


イカの仲間にはダイオウイカダイオウホウズキイカ のように
食べられまいと体を巨大化し、さらに強食者のいない深海に生きるという
徹底振りなヤツもいるが、
それでも、わざわざ過酷な深海まで潜り、ダイオウイカを捕食しに
来るマッコウクジラ なんてヤツがいる。

いつまでも、どこまでもイカの仲間は食べられる奴らなのだ!


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ダイオウイカを捕食するマッコウクジラ

さて、ダイオウイカやダイオウホウズキイカの巨大イカは
かなり巨大な目をもっている。大きいものでは直径27cm

というバレーボールサイズにもなり、生物界では史上最大級の巨大な眼だ!

しかし光の届かない暗闇の深海で大きく目玉が発達しても
捕らえる光がないものだから、視覚的に有利になることはないという。


それではこの巨大眼は何の役に立つのか。


これだけ巨大な眼を持つのだから、
かすかな光も逃さない集光能力があるわけだが、
マッコウクジラが移動するとき、その周りにいる
小さな発光生物が押しのけられ、かすかな光跡が残る。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-巨大な目の役割

ダイオウイカはわずかな光跡を自慢の巨大眼でキャッチし、
天敵のマッコウクジラの存在を知り、そそくさと危機から
逃れることができるといわれている。




ネッシーは実在!?新種海獣発見

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2012年4月1日、米英合同の発掘調査チームが
2011年8月に北極圏のスバーシバル諸島の永久凍土層から
ほぼ完全な骨格の新種アシカを発見し、その研究成果を
英紙ネイチャー(電子版)に発表した。


発見された新種アシカは8000年前に生息していたと見られている。
大きな特徴は7つある頚椎がいずれもキリンのように長く発達していた
という点だ。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-クビナガアシカの化石図

「北極の海のキリン」という意味のエナリギラッファ・アルクティクス
と名づけられた。

発掘調査チームを指揮する
モーニンスタンド大学、シッコフ・タマータ教授は
「首の長さが体の半分を占めるクビナガアシカだ。
その体型は中生代の海生爬虫類クビナガリュウを彷彿とさせ、
その生態も似ていただろう。収斂進化の好例ともいえるね」
と話す。


このクビナガアシカ、関係者のあいだでは
ネス湖の「ネッシー」ではないかという話題で持ちきりだ。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ネッシー

ネッシーは数多くある目撃証言から
海生爬虫類クビナガリュウであると想像されているが
ネス湖の地域は約11000万年前まで氷河に覆われており、
ネス湖ができたのは氷河が溶けた後になる。
6500万年前、白亜紀末に絶滅したとされるクビナガリュウが
ネス湖で生き残っているとは考えにくい。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-2タイプのネッシー

しかし
8000年前に生息したクビナガアシカが
目撃されているネッシーで
ネス湖に今でも生きているという可能性は否定できない。


シッコフ教授率いる研究チームは
ネス湖の生態調査にも今後、乗り出して
ネッシー発見に本腰だ。


恐竜図鑑とラジオ出演

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講談社より恐竜図鑑を献本いただきましたので
紹介させていただきたいと思います。


「スーパービジュアル 恐竜図鑑」


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-スーパービジュアル恐竜図鑑

本書は翻訳本。いわば海外の恐竜図鑑です。


日本製の恐竜図鑑はたくさんの種類の恐竜イラストを
見せるという傾向にあるのですが、

海外では迫力のある1枚、あるいは少なめに
大きなイラストをド~ンと見せる傾向にあるそうです。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-恐竜図鑑中身1

川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-恐竜図鑑中身3

イラストは大胆な色彩に迫力のあるCGですが、
こう見えても、絵柄は子供向けといったところ。
そのためか、解説文などの文章はたいへんやわらかく、
すべての漢字にルビ(ふりがな)が振ってあるところは
小学生向けを意識してつくられた恐竜図鑑
というところですね。

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次は私事報告ですが、
初めてラジオ出演させていただきました。


J-WAVE 81.3FM
山田五郎さん、中川翔子さんがナビゲートする
情報エンタテインメント番組
『DoCoMo東京REMIX族』 という番組で
3月24日放送の「絶滅動物の極み」をテーマとしてお話させていただきました。

(↓収録の模様)
http://www.j-wave.co.jp/original/tokyoremix/report/906.htm


内容はほとんど
どんな絶滅動物が好みかという話に終始したような気がする。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-中川翔子お気に入り絶滅動物

中川翔子さんのお気に入りの絶滅動物は
シダズーン ハルキゲニア パウキポディア


など、予想通りといったところですが、
山田五郎さんが「また、卑猥なものを」としきりに言っておりました。



川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-山田五郎お気に入り絶滅動物

山田五郎さんは
インペリアマンモス シンテトケラス など、
とにかく角や牙が無駄に発達した奴らが好きなようで、

「なんで、こいつら角や牙がこんなに極端なの」と言っていたので
このあたり、
「ハンディキャップ理論」 について
お話させていただこうかと思いましたが、緊張のせいで
頭が真っ白なことがしばしば。

その話はどこかへ飛んでいっちゃいました。


えっ!太古の1年は365日ではなかった。

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サンゴは木の年輪と同じように1年ごとに成長の跡はできる。


そして、サンゴの成長は季節の変化だけでなく、
昼に大きく成長し、夜はあまり成長しないという
「昼夜の変化」によって成長速度が変わるものもいるという。


そのためサンゴの骨格には年輪と年輪の間に「日輪」とよばれる
細かなシワができるのだそうだ。
1年は365日だから
サンゴは年輪の間に日輪が365本あるということになる。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-四放サンゴ

古生代の海に生息したサンゴ、四放サンゴの1種

しかし
古生代デボン紀、3億5000万年前のサンゴ化石には
外骨格に残された年輪と年輪の間の日輪の本数を数えると
なんと、平均400本もの日輪があったという!

つまり、

デボン紀では1年に400日もあったということになる。


そして、
それよりも後の時代の
古生代石炭紀のサンゴ化石を調べると1年に380日

中生代ジュラ紀のサンゴ化石から1年に377日も
あったと導き出された!


これは
時間が経つにつれ、1年の日数が減りつつあるということになる。

実は
これは天文学や地球物理学の研究成果とも一致しており、
地球の自転速度が1年に「5万分の1秒」ずつ遅くなっているなっている
ことがわかっているのだという。
つまり
1日の時間は長くなり、その分、1年の日数が減りつつあるということなのだ!


1年に400日あったデボン紀では1日に22時間しかなかったという計算になる。
(365日×24時間)÷400日=だいたい22時間である。


このとおり、大昔に比べ地球の自転速度が遅くなってきているのだが
この原因として
月の引力による潮の満ち引きによって、海水が移動し、海底と海水の間に摩擦が生じる。
これによって地球の自転にブレーキがかかり、徐々に地球の自転を遅めていると考えられている。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-太古の年間日数推移グラフ

しかし、
各時代のサンゴの日輪を調べると地球の自転速度の減速ペースは一様ではなかったようだ。
特に古生代中頃からの減速ペースが著しい

この頃の時代は何が起きていたのか・・・!


大陸移動によって、すべての大陸が一塊になる
超大陸パンゲアが形成される頃だ!


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-超大陸パンゲア

これは
すべての大陸が一塊になって超大陸パンゲアが形成され、

超海洋パンサラッサという広大な海ができたペルム紀。


現在のように大陸が散在していないため、海水の動きを妨げることが
なかったらしい。
つまり、
地球上の広い範囲で海底と海水の摩擦が生じて、
地球自転のブレーキに拍車をかけたということになる。

新タイプ!高速遊泳型シーラカンス

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3億2000万年前からそれほど姿を変えなかった
「生きた化石」と呼ばれるシーラカンス。

その泳ぎ方はヒレを交互に動かしながら、
ゆっくりと漂うように泳ぐ。


しかし
2億5000万年前に生息していたと見られるシーラカンスは
現存・絶滅種問わず、まったく異なるタイプの種だったという!


レベラトリクス  学名(Rebellatrix divaricerca )


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-レベラトリクス

シーラカンスはその幅広い扇のような尾ビレ
(正確には尾ビレと第3背ビレ、第2尻ビレを合わせたもの)
が特徴であるが、
レベラトリクスの尾ビレは2つに分岐した形をしており、
このような尾ビレは高速で獲物を追いかける魚の特徴だといわれている。

魚は尾ビレを使って水を後ろに押しやり、前に進んで泳ぐのだが、
その尾ビレの形によって、その特性が変わってくる。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-マグロとクエ

例を挙げると、「マグロ 」と「クエ」。


いずれも高級食材として馴染みある魚だが、
マグロの尾ビレはレベラトリクスと同じく「2つに分岐した形」であり、
長距離を高速で泳ぐ魚だ。遠洋で不眠不休で時速60km以上で泳ぎ続けるほど
の生物史上最高のスイマーである!


それに対し、クエの尾ビレは「扇型」
クエは沿岸域に生息し、あまり海底に離れずにゆっくり泳ぎ回るタイプの魚だ。
しかし、扇型の尾ビレは一気にたくさんの水をかくことができ、
急速に速度を上げるダッシュに向いているというメリハリのある泳ぎを得意とする。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-魚の尾ビレのタイプ

普段ゆっくりと泳ぐ現存シーラカンス「ラティメリア」 も幅広い扇型の尾ビレで
獲物に向かって短い距離を素早く突進するのに向いているという。


3億2000万年前からシーラカンスはこのようなスタイルであったが、
シーラカンスの中にもマグロのような長距離高速遊泳型の変わり種も
いたというわけだ!



川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ラティメリアとレベラトリクス

なぜ、レベラトリクスのような変り種シーラカンスが現れたのか・・・。


レベラトリクスが現れた2億5000万年前は
海洋生物は90%以上も絶滅したといわれるペルム紀末の生物大量絶滅期であり、
海中で高速移動する肉食魚が不在になったため、
その生態的地位を埋めるように、生き残ったシーラカンスの仲間から
高速遊泳型シーラカンスに進化した種が現れたのではないかと
いわれている。



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昆虫の起源と繁栄

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地上のいたるところに生息する昆虫。


地球上でもっとも多様性が高く、その種数は80万種も知られいる。
これは生物種の半分以上を占める割合だ!


そんな昆虫の特徴は実に明快だ!


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-昆虫の特徴

体は頭部、胸部、腹部に分かれ、
胸部に3対(6本)の脚が生えている節足動物である。


■昆虫の起源■

さて、そんな昆虫の特徴を踏まえ、

昆虫がどのような節足動物から派生し、誕生したのか・・・。


ムカデやヤスデなどの多足類の先祖が陸上に進出し、その一部が昆虫になったとも
いわれているが、
最近ではこれに反し、遺伝子解析でエビやカニなどの甲殻類から派生した「ムカデエビ」が
系統的に近い関係にあるという。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-DNA解析による節足動物の系統図

しかし、

はっきりしたことがわからず、まだまだ議論の余地はあるようだ。


化石からも昆虫の祖先と思しきものが発見されている。


カルバリア  学名(Kalbarria brimmellae )


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-カルバリア

シルル紀後期に生息し、もっとも最初に陸上に進出した動物である。
その体は頭部、胸部、腹部に分かれ、胸部のみに脚が生えているところまでは
昆虫と同じ特徴といえるが、
胸部の脚は11対(22本)と昆虫よりかなり多かった。

おそらく、昆虫より多い分の脚を消失させて、昆虫になったのでは
ないかといわれている。


デボノヘキサポドゥス 学名(Devonohexapodus bocksbergensis)


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-デボノヘキサポドゥス

デボン紀前期、およそ4億年前の海に生息した節足動物。
その姿はムカデエビに似ているが、
胸部と腹部に分かれ、
胸部の3対の脚が大きく発達して腹部の脚と明らかに違うことが分かる。
発達した胸部の3対の脚を残し、腹部の脚を消失させて昆虫になったという
ことだろう。


しかし、
カルバリアの場合は胸部の脚を3対を残して消失させ、昆虫になった
デボノヘキサポドゥスは胸部の3対の脚を発達させて、昆虫になったという
違いがあり、
いずれにしても昆虫起源の解明は一筋縄でいかないようだ。


■昆虫を繁栄させたもの■

一般的に「虫」とよばれる生き物に翅が生え、

空を飛ぶものは昆虫だけである


昆虫を生物種の半数を占めるまで繁栄させたのは、このがあったからに
ほかならないだろう。


生物史上初めて、空を飛んだ生き物が昆虫だ。
化石記録から翅をもった昆虫が現れたのは石炭紀だ。


この頃は植物の背丈も30m、いや40mと異様に高くなり、大森林が広がった時代だ。

この頃の虫たちの食糧源は栄養豊富なシダ植物の「胞子」である。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-胞子を食すパレオディクティオプテラ
40mの高さを誇るシダ植物は
胞子嚢を地上よりはるか上に付けるようになる。

体の小さな虫がそこまでシダ植物の幹をよじ登りたどり着くには
至難の業をいえよう。
そこで昆虫たちは翅をもち、飛翔能力をつけて
胞子のあるエサ場まで、ひとっ飛びというわけだ。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-胞子を求めて


また、
その持前の機動力を生かし、広範囲にわたって繁殖相手を見つけ、
子孫を残すことに一躍を担ったにちがいない!


さて、なぜ昆虫は翅をもつことができたのか・・・。
昆虫の翅の起源も決定打はなく、いくつもの説がささやかれている。

その中でも有力な説のひとつが、「エラ起源説」だ!

翅をもつ昆虫(有翅昆虫類)で祖先でもっとも近いとされるのが
「カゲロウ」の仲間である。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-カゲロウの幼虫と成虫

カゲロウの幼虫は水中に生息する。体の両側に葉状のエラが並んでおり、
これをバタつかせて、水流をおこしてエラ呼吸するのだ。
成長とともにエラを大きく発達し、それを使って泳ぐようにもなる。
やがて
成虫になって地上に生活の場に移し、そのエラは翅になって空を飛ぶのだ!

カゲロウの幼虫のエラは「気管鰓」とよばれ、中に気管が走っており、
ここでガス交換を行い呼吸をするわけだが、
昆虫の翅にも「翅脈」という筋が走っており、この翅脈が気管であること
がわかっているという。




植物食恐竜の王者

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今年も幕張メッセでで恐竜博が開催されるようだ。


「恐竜王国2012」 7月12日(土)~9月23日(日)


この会場で行われる恐竜博といえば、
その広い会場を生かし、
全長がとてつもない数値を叩き出す巨大恐竜の展示が目玉となる
ことが多い。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-巨大竜脚類

2002年の恐竜博ではセイスモサウルス (全長35m)
そして
2004年 チュアンジエサウルス (全長27m)
2006年 スーパーサウルス (全長33m)
2009年 マメンチサウルス (全長35m)
などなど、
いずれも恐竜の中でも体がもっとも大きく成長するグループ
「竜脚類」であるが・・・。


2012年、今夏の目玉巨大恐竜は


フアシアオサウルス 学名(Huaxiaosaurus aigahtens )


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-フアシアオサウルス

竜脚類ではなく、鳥脚類ハドロサウルス科の恐竜だ!
鳥脚類恐竜としては異例の
全長は19m、体高は11mあるという!


しかしながら、
今までの30mオーバーの竜脚類には及ばない・・・。
いや、
だからといって、侮ってはいけない。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-フアシアオサウルスと竜脚類の大きさ比べ

竜脚類は首と尾がえらく細長く、それで全長の数値を稼いでいるに過ぎない
悪い言い方をすれば、インチキ野郎だ!


たとえ20mにも満たないフアシアオサウルスでも
首が短く、尾が太いその体型であれば、巨大さを与えるインパクトは
負けてはいないだろう!
これを肌で感じ、実感するには会場に行かなければなさそうだ。


さて、
2012年の目玉巨大恐竜は
竜脚類に代わって、はじめての鳥脚類だが、
いずれも植物食恐竜。


鳥脚類には竜脚類に比べて、

あきらかに植物食恐竜としての優れている点がいくつかある。


まずは骨盤の形だ!

恐竜は骨盤の形で大きく2つのグループ、
「竜盤類」「鳥盤類」に大別できる。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-竜盤類と鳥盤類の骨盤

セイスモサウルスやマメンチサウルスなどの竜脚類は竜盤類に属し、
鳥脚類のフアシアオサウルスは鳥盤類に属す。


竜盤類はトカゲの骨盤に似ており、恥骨が前方に向くのに対し
鳥盤類では鳥類の骨盤に似て、恥骨が後方に向くという違いがある。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-竜盤類と鳥盤類の内臓スペース


上の図のように鳥盤類は恥骨が後方に向くことにより、
胴体の内臓を収めるスペースは広くなるのだ。


柔らかくて栄養価のある肉にくらべ、
植物は硬く消化しづらいため、大きな消化器官を必要とする点から
鳥盤類の恐竜は植物食に向いた構造なのだ。
実際に鳥盤類の恐竜はほぼすべて植物食だ。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-デンタルバッテリー


また、進化した鳥盤類恐竜には
小さな歯が集合化し、おろし金のようになった
「デンタルバッテリー構造」の歯列咀嚼能力をもち、
これで植物を擦りつぶし、効率的に植物の栄養を摂取できたようだ。
フアシアオサウルスの属すハドロサウルス科の恐竜は
それが特に顕著にみられたグループだ。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-竜脚類の植物の食べ方


それに対し、
竜脚類の歯はエンピツ状で咀嚼能力もなく
木の枝をパクつき、その木の葉を漉き取って、
ただただ、喉へ流し込んだ単純なものだったようだ。
あれだけの巨体を維持するには
それ相応の植物を食し、無駄に植物を大量消費していたことだろう。


といった具合で
植物食という点では鳥脚類は竜脚類よりも無駄がなく、はるかに優れているのだ。


さらに鳥脚類のなかでも最大の体躯を誇る
フアシアオサウルスは前肢が小さいため、後肢のほぼ2足歩行で
生活していたとおもわれる。
後肢で立ち上がり、頭はかなり高い位置まで持っていくことが
できたに違いない。
他の植物食恐竜の口が届かないような高木の木の葉を
独占できたであろう。


効率よく植物の栄養を摂取するデンタルバッテリーと咀嚼能力を備えながらも
大きな消化器官を効率よく収めるにくわえての巨体。
そして、高木の木の葉の独占・・・。


フアシアオサウルスはまさに好条件が3拍子そろった
植物食恐竜の王者なのだ!




ウナギの不思議な生態と進化史

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ニホンウナギ  学名(Anguilla japonica


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ニホンウナギ

今年はウナギ養殖に使われる稚魚(シラスウナギ)の記録的な不漁で
ウナギの価格の高騰が著しいようだ。


シラスウナギの漁獲量は1960年代には年間150トンもあったが、
2000年代に入ると年間15トンと10分の1に激減している。

比較的豊漁だった2009年は25トンあったシラスウナギの漁獲量も
10年、11年には9.2~9.5トンと10トンを割り込んだしまったようだ。


そういった状況下で日本の食文化を代表するウナギの安定供給は長年の悲願でもあるが、
2010年にはウナギを卵の段階での完全養殖に成功しているものの、
市場への安定供給にはまだまだ道のりは長いそうだ。


さて、ウナギは淡水魚であるが、産卵する繁殖地は日本本土にはなく、
意外にもグアムやサイパン沖のはるか遠い海の底。
私たちが食べるほぼすべてのウナギはその遥か遠い海の出身なのである!


■ウナギの生涯■


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ウナギの繁殖地

最近の調査でニホンウナギのレプトケファルス幼生(葉型幼生)と呼ばれる
生後間もない稚魚が捕獲され、ニホンウナギの生息地がほぼ確定されている。
場所はグアム島西側沖にあるスルガ海山の西へ100km地点であるそうだ。



川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ウナギの生涯

産まれたばかりのウナギの稚魚は、
そこから透明で葉型の小さな体で身を任せるように北赤道海流に乗り、
そして黒潮に乗り換えて、日本近海へやってくる。

ここでシラスウナギに成長したニホンウナギが
捕えられ、養殖されて私たちに食べられるわけだ。


そして天然のウナギは淡水魚として、川や湖で小動物を捕食し、
5年から十数年をかけて成熟。


その後、誰からも教わることなく、
海へ下り、日本から南へ2500kmも離れた繁殖の地、
スルガ海山へ向かうのだ!


ウナギの産卵時期は6月~7月の新月の日で一斉に産卵するらしい。
これはマリアナ諸島沖でのニホンウナギの天然卵の採取によって明らかにされている。


それでは
なぜ、ニホンウナギはこのような一生を送るのか・・・。


■ウナギ類の進化系統■

東京大学海洋研究所と千葉県立中央博物館の研究チームは
ウナギ目などの計56種についてDNA分析した結果、
ウナギ類の系統図が描かれた。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ウナギ類の系統図

ニホンウナギは
浅い海にすむウナギの姿に似たアナゴやハモ、ウツボ よりも
深海にすむシギウナギフクロウナギ といった

深海魚に近い関係にあることがわかった。


つまり、ウナギの祖先はもともと深海に生息しており、
エサ資源の乏しい深海よりも、川や湖といった淡水域の方がエサが豊富なため、
エサと成長の場を求めて深海から川へ遡上するように
なったのではないかといわれている。


さて、淡水域に成長し、遥か遠い海の特定された場所産卵する
ニホンウナギ。
このような生態をもつウナギは遥か遠い地のヨーロッパにもいるという。


■ウナギの分布史■


ヨーロッパウナギがその1種だが、その姿はニホンウナギとほぼ同様。
ヨーロッパ全域の河川に生息するが、
これもまた産卵場は長らく不明であった。
古代ギリシャの哲学者アリストテレスは「ウナギは泥の中から自然発生する」と記している。


それからようやく1920年代になって、バミューダ諸島周辺で産まれたばかりの仔魚を採取し、
大西洋の真ん中、サルガッソ海が、産卵場所であることを突き止めた。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-サルガッソ海

ちなみにこのサルガッソ海は
メキシコ湾流、北大西洋海流、カナリア海流、大西洋赤道海流に囲まれた海域。


この4つの海流が時計回りに流れており、たいへん大きな渦につくっているため
大量の浮遊性の海藻がサルガッソ海に流れ着き、海面はたいへん粘ついた海域なのだ。
また風の弱い場所もあり、粘ついた海面と相まって帆船が身動きをとれず、
船上で餓死をする船乗りも相次ぎ、その船はこの海域で幽霊船として彷徨いつづける
というたいへん危険な海域で、たいそう恐れられていたらしい。


それはさておき、
太平洋のニホンウナギ、大西洋のヨーロッパウナギ
その姿も生態も似ているが、生息域がなぜ、これほどまでに離れているのか・・・。


ニホンウナギとヨーロッパウナギが離ればなれになったのは
およそ1億年前の大陸配置によるものだと考えられている。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ウナギの分布の広がり

およそ1億年前はユーラシア大陸(アジア、ヨーロッパ)とアフリカ大陸が離れており、
その間にテチス海という海域が存在していた。
その海には赤道上をぐるりと地球一周するほどの「古環赤道海流」という
大きな海流が流れていたのだ。


ウナギの祖先の一部がこの海流に乗って、
大西洋に入り、それが今のヨーロッパウナギではないかといわれている。

南洋の宝島

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海鳥・・・。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-海鳥

大洋を飛び回るアホウドリ やカツオドリ、ミズナキドリなど

繁殖時には洋上に浮かぶ小さな島で集団繁殖する。
洋上で孤立した島は海鳥にとって
天敵に卵を奪われ、食べられることのない安全な場所だ。


太平洋南西部に
アホウドリをはじめとする海鳥の糞が数百万年に堆積し、できた島がある。
車で1周するのに20分とかからない小さな島だ

そこにはナウル共和国という人口11000人ほどの小さな国がある。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ナウル共和国

驚くことに、国民1人当たりの収入を示すGDPが
アメリカを超えや日本の倍もある
世界でもっとも裕福な民が住む島国であったのだ!

なぜ、名も知れぬ小さな国がそれほど大金持ちの人々が住んでいるのか・・・。


この島は海面から飛び出したサンゴ礁の上に海鳥の排泄した糞が積もって
できた島であるが、
サンゴの成分と海鳥の糞の成分が化学反応を起こしてリン物質が形成され、
「グアノ」と呼ばれるリン鉱石が国土全体に埋蔵される形となったのだ。


このグアノがリン酸を含んだ良い肥料となり、土壌改良や農業にたいへん役立つのである。
これを採掘、海外に輸出され、この小さな国に莫大な利益をもたらしたのだ!
まさに黄金の島である!


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ナウル国民の悠々自適生活

そのおかげでこの国には税金はなく、
医療費、電気料金、教育費はすべてタダ。
しかも、全年齢層の国民に年金が支給されるなどの手厚い社会福祉にいたった!


リン鉱石の採掘は中国人をはじめとする外国からの出稼ぎ労働者に任せ、
国民は皆、働かなくても生活し、食事も外国人が営業をしている食堂で済ますなど
悠々自適な生活を送っていたという!


しかし、それは小さな島の資源。
現在はこの国の主要産業であったリン鉱石はほぼ枯渇し、
それとともに国民生活レベルも低下。


もともとは漁業で自給自足の生活をしていたが、
リン鉱石の恩恵から国民はすでに働くことを忘れており、失業率は90%を超えるという。
この国の将来を担う子供たちは学校で社会に出て働くことができるよう
指導が行われているとのことだ。



恐竜の新常識!羽毛伝説

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恐竜から鳥類が進化した・・・。


今やこの事実は広く受け入れられている恐竜学の常識だ!


今から150年前、
1859年、ダーウィンの「種の起源」が発刊された間もない頃に
恐竜、始祖鳥、鳥類に認められる骨格の類似点をもとに
鳥類が恐竜の子孫であることがすでに示されていた。


しかし
恐竜に鎖骨(鳥類は「叉骨」と呼ばれる左右の鎖骨がV字に融合した特有な形をしている)
が見当たらないことから
鎖骨が消失した恐竜から鳥類に進化することは考えられないという説が
長らく主流であったようだ


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-叉骨(恐竜と鳥だけが持つ骨)

だが、1960年代から
ディノニクス をはじめ、ほとんどの獣脚類恐竜にも

鳥類特有の叉骨をもっていたことが
明らかとなり、鳥類が恐竜の子孫であることは今や定説となった。


さらにその定説を強固にしたものが
恐竜から羽毛の痕跡が確認されたことだ!


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-シノサウロプテリクス

初めて羽毛が確認された恐竜は
1995年に中国の遼寧省で発見された
シノサウロプテリクス という小型の獣脚類である。


それ以来、
その遼寧省から相次いで羽毛恐竜が発見され続けた。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-羽毛が確認されたコエルロサウルス類たち


いずれも、この羽毛恐竜と呼ばれるものは
コエルロサウルス類と呼ばれる恐竜で鳥類に系統的に近いグループである!

コエルロサウルス類はティラノサウルス のような大型恐竜もいたが、
そのほとんどが体の小さな恐竜で、羽毛が確認されている種は
それに限られていた!


なぜ体の小さな恐竜は羽毛をまとっていたのか・・・。


これは
コップ程度の量の水はすぐに温まり、また冷めやすいが
お風呂の量の水となると温めも時間がかかり、冷めるのも遅くなる
という理屈と同じで
体が小さいと体温が逃げやすく、また熱しやすい性質になるため

一定の体温維持は難しくなる。

そこで
断熱効果のある羽毛を全身にまとうことによって
体温を一定に保つことに役立つというわけだ。


このように体の小さなコエルロサウルス類にのみに羽毛の発見が
それを裏付けているわけだが、
最近、そうとは言い切れない発見が発表された!


2012年4月。
中国の遼寧省の1億2000万年前の地層から
ティラノサウルスの仲間になる全長9m、体重にして1.4トンにもなる
新属新種の大型肉食恐竜が発見されたと発表された!


ユーティラヌス・フアリ (Yutyrannus huali)


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ユウティラヌス

発見されたのは成体と若い個体が2体。
実に成体には尾、若い個体には首や脚などに
長さ15~20cmにもなる羽毛があったという!


これだけの体の大きな恐竜に羽毛が発見されたのは初めてで、
必ずしも体の大きさには関係があるとは言い切れなくなったようだ!


寒い地域に生息したとされるユウティラヌスは羽毛は保温のために
役立てたといわれているが、
羽毛の断熱効果によって
寒い地域から暖かい地域まで体温を維持が容易
より活動の範囲が広がったのではないかといわれている。


さて、
羽毛恐竜について、また新たな発見があった!

2012年7月
ドイツのジュラ紀後期(1億5500万年前)の地層から尾や腹に
羽毛が確認された小型獣脚類が発見され、新属新種として発表された!

スキウルミムス (Sciurumimus albersdoerferi )


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-スキウルミムス
こちらは全長70cmほどの小さな恐竜であるが、

原始的な獣脚類とされるメガロサウルス類に属する恐竜である。

いままでの羽毛恐竜はそのほとんどがコエルロサウルス類に限られていたが、
コエルロサウルスよりも鳥類に遠縁となるメガロサウルス類
羽毛が確認されたのは大きな発見である。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-獣脚類の系統図と羽毛

これによって羽毛の起源は原始的な獣脚類にまで遡ることになり、
羽毛で身をまとう恐竜というのは
体の大きさから系統にまで広がりを見せつつあり、

恐竜の常識となっているようだ!


ヘビの起源~地中説が浮上!

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ヘビはトカゲの仲間から進化した。
これに異論を唱える者はいない。


しかし、
ヘビはトカゲの仲間から足を失い、細長い体をくねらせて移動する
その独特のスタイルになったのか・・・。


そのヘビの進化の過程をめぐっては、


★地中での穴掘りに適応したとする説。
★水中を泳ぐことに適応したとする説。


があり、昔から議論され続けていた。

地中、水中のいずれも足は邪魔となることが多く、
細長い体は水中や地中といった抵抗のある場所では有利だ。


さて、
ヘビに近い、あるいは祖先とされる爬虫類はいくつか発見されている。


ヘビの一歩手前の進化段階を示すというドリコサウルス類
手足は健在だが、退化傾向にあり、やはりヘビのような細長い体をしている。
白亜紀後期の9900万年前のヨーロッパ、かつて海だった地層から
アドリオサウルス など6種が知られている。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-トカゲからヘビへの進化図


また、
ヨーロッパの近く、中東にあるパレスチナの9500万年前には地層からは
最古のヘビといわれるパキラキス の化石が発見されている。

後足は残るものの、ほぼヘビの体型であったようで、
浅い海をウミヘビのごとく泳いでいたという。


このようにヘビの起源は当時のヨーロッパの海が舞台であり、
水中起源説が有力視されていた。


しかし!

ヘビは水中でなく、陸上で進化したという論文が
2012年7月30日に発表された!


この結論に至った化石は
米モンタナ州で発見された7000万年前に生息していたコニオフィス(Coniophis)
というヘビ化石の標本。

コニオフィス (Coniophis)

川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-コニオフィス


この化石が最初に発見されたのは1890年代と100年以上も昔であり、

ほとんど研究されずに博物館にお蔵入りなっていたものだ。


今回、この化石を引っ張り出し、顎や歯、脊椎を詳しく分析したところ、
もっとも原始的なヘビであることがわかり、
トカゲからヘビへの進化過程のカギを握る重要な化石であるという結論に
いたったという。



川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-トカゲとヘビの中間の特徴をもとコニオフィス


トカゲに似た頭部とヘビのように自分の頭の何倍もある獲物を呑み込む
ほど柔軟なアゴをもっていないものの、
ヘビのような反り返ったカギ状の牙がならび、見た目はヘビのような姿
であっただろうといわれている。


このコニオフィスは地面に穴を掘る習性があったと見られており、
陸生のトカゲから地中適応し進化したのではないかといわれている。


ちなみにコニオフィスは7000万年前に生息と
海に生息した最古のヘビであるパキラキス(9500万年前)よりも
新しい時代に生きていたが、
おそらく、コニオフィスのようなヘビはもっと古い時代に現れており、
ティラノサウルスやトリケラトプスなどの恐竜たちの足元で
当時の生きた化石として、ひっそり生き続けていたといわれている。



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北米恐竜の多様性と造山運動の関係

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7500万年前の北アメリカ大陸。


ここでは恐竜の角竜やハドロサウルス類などの急速な多様性が見られた。


しかし
恐竜が絶滅する6500万年前までに
その種の多様性は徐々に減少傾向にあったという。



川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-北米角竜の多様性

恐竜の角竜に関しては
7500万年前あたり地層から、
スティラコサウルス セントロサウルス カスモサウルス など
実に様々な種の角竜が発見されているわけだが、


6500万年前にもなると、
よく知られているものは
トリケラトプス くらいに
なってしまっているのだ。


このような恐竜の種の減少について
今まで「環境の悪化によるもの」という説しか唱えられなかったが・・・。


当時の北アメリカ大陸の地質変動により
恐竜の多様性を変化させたという研究は発表されたという!


そのシナリオとは・・・!


白亜紀前期~中期にかけて北アメリカ大陸西部に
セヴィール山脈という山脈が形成され、
それとは対照にその東側の地は沈降し、海が入り込んだ。
これが、北アメリカ大陸を東西で分断し、メキシコ湾から北極海をつなぐ
「白亜紀海路」だ!


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-7500万年前の北アメリカ大陸

東西に分断された北アメリカ大陸は
東側を「ララミディア大陸」、西側を「アパラチア大陸」
呼ばれている。


恐竜たちの主な生息地はララミディア大陸であるが、
セヴィール山脈の険しい山岳地帯と
東側は白亜紀海路によって隔てられ、
恐竜たちは広い範囲を移動することはできなくなり、
各々の地域で留まり、独自の進化をすることになった。


これが結果、北アメリカ大陸で種の多様性を促せたというわけだ。


しかし、その後。


セヴィール山脈の東側で新たな造山運動が起こる。
これが現在のロッキー山脈である。


この造山運動により、
セヴィール山脈の東側にあった白亜紀海路の海底は押し上がり、
その海は消失することになる。



川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-6500万年前の北アメリカ大陸


それによって恐竜たちは北アメリカ大陸を広い範囲で移動できるようになって、
たくさんの種類の恐竜たちは交流することとなり、
独自性が失われ、種の多様性は減少していったという。




津軽海峡を渡れなかった象たち

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この日本列島には
およそ2万年前までゾウの仲間が生息していた・・・。


日本で生息していたゾウで有名なのが、言うまでもなく、
長野県の野尻湖をはじめ全国各地100々所から多数の化石が発見されいる
「ナウマン象」だろう。


ナウマンゾウ 学名(Palaeoloxodon naumanni


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ナウマンゾウ


おそらく、当時の日本で当たり前のように見られたゾウであったことだろう。

35万年前より日本に生息した
ナウマン象は近縁であるアジアゾウ より体格はやや小さいものの、
牙はよく発達しており、オスでは牙の長さが240cmにもなったようだ!

そして、ベレー帽をかぶったような頭のでっぱりがなによりもの特徴である。


そして、ナウマンゾウが日本にいた時代に
もうひとつのゾウの仲間が生息していた!


マンモスだ!
ナウマンゾウよりも毛は長く、より北方の寒冷な地域に生息していた


ケナガマンモス 学名(Mammuthus primigenius


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ケナガマンモス

マンモスの化石は北海道にだけ発見されている。


北海道の夕張市やえりも町、根室海峡の海底などにマンモスの臼歯化石が
発見されているが、
それらの化石の年代を調べた結果、マンモスは
4万5000年~3万7000年前と
2万5000年~2万年前の2期に分かれて北海道に生息していたようだ。


どうやらマンモスが日本に生息していたのは
北海道のみで生息期間も限定的であったようだ。


さて
ナウマンゾウやマンモスは海に囲まれた島国の日本に
どのように大陸から渡ってきたのか。

ナウマンゾウ、マンモスはいずれも氷河期という世界的に寒冷な気候のもとで
生活してきたゾウである。


氷河期ともなると、海水が大陸の氷河となるため、海水が減り、
海退(海面の低下)が起こるため、浅い海は陸地と化すのだ!


おそらく氷河期のピークともなると、
現在よりも海面が100m以上も下がったという!


現在、北海道とサハリンの間にある宗谷海峡は水深45mほどと浅く
氷河期では当然のことながら陸続きであったことだろう。

マンモスはシベリアからサハリン経由で南下し、北海道に渡ってきたと考えられる。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-日本に渡った象たち

そしてナウマンゾウは
マンモスより比較的温暖な南方の地域に生息しており、
九州と朝鮮半島の間にある対馬海峡から渡ってきたものと考えられる


対馬海峡は水深130mはあるが、おそらく川のように狭くなり、
35万年前から日本にいたナウマンゾウが
対馬海峡経由で日本と大陸を行き来する機会は十分にあっただろう。


しかし、マンモスもナウマンゾウも
渡れなかった海峡がある!


それが北海道と本州の間にある「津軽海峡」だ。

水深150mと深く、氷河期のピーク時でも
陸続きになることはなかったという。


おそらくマンモス象やナウマン象は

北海道と本州のあいだを渡ることはできなかっただろう。


マンモスの化石が北海道でしか発見されないのも、そのためである。

実に、マンモスの化石に限らず、北海道には
ヒグマ やキタキツネなど本州では見られない動物。
逆に
本州以南はツキノワグマ 、ホンドキヅネなど北海道では見られない動物が生息し、
あきらかに生物相が異なっていることがうかがえる。


この津軽海峡は動植物の分布境界線の一つ
「ブラキストン線」とも呼ばれている。


ところが・・・!

対馬海峡から日本に入ったとされるナウマンゾウは
北海道でも化石が発見されているのだ!


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-北海道で発見された象化石

ナウマンゾウは
本州から北海道へ津軽海峡を渡ることができたのか・・・?


答えは単純だ!

大陸にいたナウマンゾウの一部は津軽海峡を渡らず、
マンモスと同じルートである
サハリン経由で北海道に入ったものと思われ、
ナウマンゾウは
北方の宗谷海峡と南方の対馬海峡の2つのルート
で日本に渡ってきたと考えられる。


ダチョウ恐竜から翼の起源

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1995年~2009年にかけてカナダ・アルバータ州に
露出する7000万年前の地層から
ダチョウ恐竜として知られるオルニトミモサウルス類の

オルニトミムス という恐竜が3体発見され、研究成果が発表されたようだ!


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ダチョウ恐竜

北海道大学プレスリリース(2012/10/26)
http://www.hokudai.ac.jp/news/121026_pr_museum.pdf


この発見、研究成果はなんでも、鳥の翼の起源の解明につながる

発見なのだという!


発見された個体は全長1,5mの生後1歳未満とみられる幼体と
全長3,4mの少なくとも5歳くらいの成長期を過ぎたばかりの個体と見られ、
そして最後は
もっとも体の大きな全長3,6m。10歳と見られる個体だ。


いずれの個体も体に羽毛の痕跡が残っており、
羽毛の生えた恐竜の発見はおもに中国で知られるが、
今回は北アメリカで初の羽毛恐竜発見となる!


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-オルニトミムス

↑今回の発見によるオルニトミムスの新しい復元図

ここでの大きな発見は
3,6mの大きな個体のオルニトミムスの腕に乳頭突起があることなのだ。
これは羽毛のなかでも、羽軸のある風切り羽が腕に生えていた証拠なのだ!
つまり、
成長したオルニトミムスは翼をもっていたということになる。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-翼を持つ証拠

翼をもつ恐竜は
オヴィラプトロサウルス類、ドロマエオサウルス類、トロオドン類といった
鳥類に近いマニラプトル類に知られ、それらに限られていたが、
それらより、鳥類に遠縁で原始的なオルニトミムスにも翼があることが
わかり、
鳥類の翼の起源はさらに遡るという発見なのだ!


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-遡る翼の起源

現在の鳥類は生後1~2週間ほどの生まれて間もなく、
羽軸のある羽が腕に生え、翼をもつが、
翼を持つもっとも原始的なオルニトミムスは
生後1年以上経たないと羽軸のある羽は生えた翼をもつことは
なかったようだ。

このことから、
鳥の翼はもともと飛翔するものではなく、
求愛などのディスプレイ、あるいは卵を翼で覆い抱卵するといった
繁殖行動のために、大きな効果を発揮したと思われ、
羽毛恐竜の子孫繁栄に大いに寄与したのかもしれない。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-抱卵するオビラプトル

本、出ます!「ならべてくらべる動物進化図鑑」

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ツイッターでも告知しましたが、

版元のブックマン社 から


「ならべてくらべる動物進化図鑑」


出来上がった本が届きましたのでお知らせします。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ならべてくらべる動物進化図鑑(表紙)

表紙です。他の動物図鑑のようにサイズが大きめの本です。

ソフトカバーと思っていたのですが、ハードカバーでした。

本の帯には

あの生物学者の福岡伸一さんから推薦コメントをいただきました!

さて、中身は

「ならべてくらべる動物進化図鑑」という本のタイトルどおり、

大昔の絶滅した動物と現在の動物を同じ誌面に掲載。

進化の過程が一覧できる見開きページを設けております。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ならべてくらべる動物進化図鑑1

たとえば、これがクジラのページで、絶滅したクジラと現在の生きるクジラの

イラストが並べられており、このようなページが他にもネコ科動物やゾウの仲間、ラクダの仲間

などがあり、系統別の進化図鑑といった内容です。



川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ならべてくらべる動物進化図鑑2

その中から一つの動物をピックアップし、

その動物の今の動物とその大昔に絶滅した祖先動物を

比較したページも設けております。


だいたい、動物と鳥類が多く掲載されているのですが、

無脊椎動物のタコやイカの系統や昆虫なんかもあります。
川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ならべてくらべる動物進化図鑑3

これは鋏角類というサソリやクモなどの系統のページ。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ならべてくらべる動物進化図鑑4

必要に応じて合間にコラムも掲載しております。

というわけで

おかげさまでなかなか素敵な本に仕上がったと思います!

12月10日、全国の書店に並ぶと思いますので

ぜひともよろしくお願いします!


ならべてくらべる動物進化図鑑/川崎 悟司
¥1,890
Amazon.co.jp

アマゾンでは12月7日発売となってますね・・・。

PR: 「リトルバスターズ!」のアニメがNOTTVに登場

北洋と南洋の巨大イカ

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マッコウクジラ
学名(Physeter macrocephalus)


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-マッコウクジラ

狩りをする捕食動物では世界最大の体躯を誇り、
海の世界での頂点捕食者として一角の占めるマッコウクジラ。


浜辺に打ち上げられたマッコウクジラの
胃の内容物を調べると深海性のサメやイカなどがよく発見されるらしい。


どうやら、
シャチホホジロザメ といった強力な捕食者の競合を避けるため、
狩場はもっぱら「深海」に求めているようだが、
マッコウクジラの皮膚には数多くの傷跡をよくつけられている。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-マッコウクジラの傷跡


その傷跡は
北半球の海のマッコウクジラは「吸盤の跡」が見られ、
南半球の海のマッコウクジラは「引っ掻き傷」がよく見られるという

違いがあるのだという!


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-南洋の者だね

これはどういうことなのか・・・。

マッコウクジラに傷を負わせた者が北洋と南洋で違うというわけだが、
おそらく北洋でマッコウクジラで傷を負わせたのはダイオウイカ であろう!


ダイオウイカは今まで発見されたもっとも大きな個体は全長17,5m。
体重はおよそ1トンという地球上で最大の無脊椎動物。


細長い触腕には吸盤に鋭利なリング状の刃物を備えており、
これでマッコウクジラの皮膚に吸盤状の傷をつけたものと思われる。




川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ダイオウイカとダイオウホウズキイキ

そして南洋では・・・。

ダイオウホウズキイカ という巨大イカが生息している。
全長12~14m。
2007年、捕獲された未成熟個体は腕の長さを含めない外套膜だけで250cm、
重さ450kgにも達しており、成長すれば、腕を含めて全長20mにもなるの
ではないかといわれ、ダイオウイカを凌ぐとも囁かれている巨大イカだ!


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-巨大イカの吸盤の違い

触腕にはダイオウイカと違い、吸盤の代わりに5cmもある

回転式の大きな鉤爪がある。
これでマッコウクジラから身を守り、マッコウクジラの体に引っ掻き傷を
付けているというわけだ。


しかしながら、深海という深く暗い世界で繰り広げられる
マッコウクジラと巨大イカのバトルを見たものは
未だ誰もいない。



2012年古生物ニュース総集編

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今年も残りわずかとなりました!
例年のごとく、今回も今年の発表された古生物ニュースを
振り返ってみたいと思います。


今年は羽毛恐竜の解明に関するニュースが目立ったような気がしますが、
去年に引き続き、メラニン色素で恐竜羽毛の色がわかるというものが
続いてますね。


■1月■

★始祖鳥は羽は黒かった! ナショナルジオグラフィック より


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-始祖鳥


恐竜から進化した最初の鳥とされる始祖鳥
その羽の化石を電子顕微鏡で詳細に調べた結果
メラニン色素を含むメラノソームという細胞小器官を探し当てたという!
メラノソームは毛髪や羽の色を決める働きがあり、始祖鳥の羽にあった
メラノソームの形や配置などを現生鳥類と比較したところ
始祖鳥の少なくとも1枚の羽は黒かったことを突き止めたという!


色素の詰まった黒い羽は他の色の羽よりも丈夫で耐久性があり、
飛行するうえで有利らしく、カモメやアホウドリ のように白い鳥でも
翼の先端が黒くなるケースはよくあるという。


■4月■
★ミクロラプトルは玉虫色に輝く黒い羽毛恐竜だった!

ナショナルジオグラフィック より


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ミクロラプトル

始祖鳥の羽に続いて、2003年にカラスほどの小さな羽毛恐竜で
4枚の翼をもつことで衝撃を与えたミクロラプトル
同じく電子顕微鏡を用いてミクロラプトルの羽毛化石のメラノソームを調べ、
現生鳥類と比較した結果、
カラスのように青い光沢のある黒色であることがわかったという!


★大型羽毛恐竜発見!ユウティラヌス・フアリ
ナショナルジオグラフィック より


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羽毛を持つ恐竜は始祖鳥やミクロラプトルのように体が小さい者ばかりである。
その理由は小さな体は体温が逃げやすいなど外気温に左右されやすいため、
断熱効果のある羽毛をまとうことにより、体温を一定に保持しやすいという話だった・・・。


しかし、その話に限ることではなさそうだ!
中国の遼寧省の1億2500万年前の地層から全長9mの羽毛をもつ大型恐竜
発見された!

「美しい羽毛の王」という意味のユウティラヌス・フアリ と名付けられ、

体化石のまわりには長さ15~20cmの羽毛化石が散らばって
保存されていたという。
全長9mの大型恐竜ともなれば、羽毛がなくても体温保持は容易だが、
羽毛をまとうことによって、暖かい地域から寒い地域と活動の範囲が広がることや
卵を温めるのに役立ったこと、また性的誇示やカモフラージュなどの機能も
あったのかもしれない。



■10月■
★恐竜の翼は繁殖行動に深く関係!オルニトミムス。
http://ameblo.jp/oldworld/entry-11395887715.html



川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-オルニトミムス

恐竜の羽毛は性的誇示の機能という流れとして
約7000万年前に生息していたダチョウ型恐竜として知られるオルニトミムス
その恐竜の腕の骨には小さな突起が並んでいたという。
この突起こそ翼を構成する羽軸のある「風切羽」が生えていた証拠だ!
これでオルニトミムスは翼をもつ恐竜という復元になったわけだが、
とても飛翔できる体格ではなく、翼はもともと飛行用ではなく、
求愛のための性的なディスプレイとして使われたことが起源だったかもしれない。



■そのほかの2012年古生物ニュース■


5月
★高速遊泳型シーラカンス
http://ameblo.jp/oldworld/entry-11249659522.html


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-レベラトリクス

ペルム紀の大量絶滅期間のない頃に生息していた

新種のシーラカンス「レベラトリクス 」。


生きた化石といわれ、ゆったり泳ぐ現在のシーラカンス
3億2000万年前からシーラカンスの仲間はこのようなスタイルであったが、
シーラカンスの中にもマグロのような長距離高速遊泳型の変わり種がいたようだ。



7月
★ヘビは陸上で誕生か?
http://ameblo.jp/oldworld/entry-11317022553.html


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-コニオフィス

ヘビの起源は
地中での穴掘りに適応したとする説と
水中を泳ぐことに適応したとする説があるが、
従来のヘビの起源は当時、多島海であったヨーロッパの浅海に求められ、
トカゲの仲間から水中に泳ぐことに適応した結果が有力視されていたが、
コニオフィス と呼ばれる北アメリカの7000万年前の地層から発見された化石が
もっとも原始的なヘビであることがわかり、
地中に穴を掘る習性があったとみられ、地中生活に邪魔な足を退化させて
ヘビになったというもの。


11月
★パンダの起源はヨーロッパから
ナショナルジオグラフィック より


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-クレイゾイアルクトス

パンダの祖先とみられるクマ科の絶滅動物の顎の化石が発見される。
このパンダの祖先は1100万年前、温暖湿潤なヨーロッパで生息。
体重60kgほどの小さな動物だったと見られている。
「クレトゾイアルクトス・ベアトリクス(Kretzoiarctos beatrix)」と命名された。


12月
★アフリカのタンザニアで最古の恐竜
ナショナルジオグラフィック より


1930年代に発見された化石を再調査したところ
2億4000万年前に生息した最古の恐竜である可能性があるというもの。
従来の最古の恐竜は南米の2億3000万年前の地層から発見されているが、
恐竜の登場が1000万年遡ることになる。




ということで
今年、発表された古生物ニュースはまだまだありましたが、
その中でも印象に残ったものを取り上げてみました。


それでは皆さん、
よいお年をお迎えください!



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