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消えたブロントサウルス

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38年前の恐竜の本を手に入れました。


講談社の幼稚園百科
「おおむかしのどうぶつずかん」という本です。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-おおむかしのどうぶつずかん

表紙は見てのとおり、
今の前かがみな肉食恐竜の姿勢とは異なり
シャンと背筋をのばした肉食恐竜です。
この絵のタッチも懐かしい!


ところで
今の恐竜図鑑で完全に姿を消してしまった
代表的な恐竜がいる・・・。


ブロントサウルス


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-掲載されていたブロントサウルス

ブロントサウルスとは「雷竜」という意味。
首と尾が長く、恐竜のなかでももっとも大きく成長した
竜脚類はまたの名を「カミナリ竜」という。


つまり、
ブロントサウルスはその巨大恐竜の代表的な存在であったわけで
昔の恐竜図鑑では定番といっていいほど登場しており、
この恐竜名に今でも馴染みがあり、記憶されている方は多いことだろう。


しかし、完全に抹消されてしまい、その名を見る機会はなくなってしまった。

そのブロントサウルスという存在が恐竜図鑑すら消された理由とは・・・。

ブロントサウルスの名が付けられたのは1879年。
1903年にブロントサウルスの化石を再検討したところ
1877年に命名された「アパトサウルス 」と同じ恐竜と判明し、
先に命名された学名が優先というルールから
アパトサウルスが有効名となったわけである。


それでもブロントサウルスという名前は一般書や各地の博物館に
広く使われていたようだ。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-消えたブロントサウルス

だが、名前が変わっただけでなく、ブロントサウルス自体の存在すら
なかったとすることが判明された。


ブロントサウルスの頭部はカマラサウルス という

別の恐竜のものであったことがわかり、
頭はカマラサウルス、胴体はアパトサウルスという
キメラであったことが判明したという。


正式学名がアパトサウルスであろうとも
ブロントサウルスという名で馴染み広く知られれば、ブロントサウルスでいいのだが、
さすがにキメラであることは、実際に存在しなかった恐竜であり、
ブロントサウルスという名を恐竜図鑑でみることはなくなったようだ。


ところで今の恐竜好きの子どもは
ブロントサウルスという名を知っているのだろうか。


日本の成り立ち

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日本列島はどのようにできたのか・・・。


その歴史は激しい地殻変動の連続であった。



日本という土地の起源は7億年前といわれるが、
現在の日本列島のほとんどは「付加体」とよばれる、
海洋底から運ばれた堆積物からなっているらしい。

パー付加体とは!


海洋プレートが海溝で大陸プレートに沈み込む際、
海洋プレート上にあった堆積物が剥ぎ取られ、
その堆積物が大陸プレートの縁に付着したものである。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-付加体形成プロセス

日本のもっとも古くに形成された付加体は
オルドビス紀(4億9000万年~4億4300万年前)
に形成された付加体であるそうだ。


その後、
ペルム紀(2億9000万年~2億5000万年前)
ジュラ紀(2億0600万年~1億4400万年前)
白亜紀 (1億4400万年~6500万年)と・・・


太平洋の海底から運ばれる堆積物が、北中国大陸の東縁で
断続的にぶつかり、付加体は成長していったのだ。

つまり付加体によって成長していった日本の土地。



その岩盤の分布は


日本海側が古い岩盤で、

太平洋側が新しい岩盤


ということになる。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-日本付加体の分布

ところがである!!


実際の日本の時代ごとの岩盤の分布を見ると
不思議な現象が起こっている。

日本最古の付加体は日本に3か所あり、
日本海側にある「飛騨外縁帯」はわかるが・・・。


それよりも離れて太平洋側にある「黒瀬川帯」
完全に太平洋側にある「南部北上帯」
はオルドビス紀からデボン紀に形成された

日本最古の付加体であるのだ!



川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-日本付加体の分布の謎

これはいったいどういうことなのか!?


これを解明する1つの説がある・・・。


実は約1億年前に大規模な横ずれ運動が起きたというものだ!
その横ずれの移動距離はじつに1500kmともいわれている。
下の図のようにこれで現在の日本の不思議な付加体の分布は
つじつまが合うというわけだ。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-白亜紀のプレート横ずれ運動

横ずれ運動が起こる前の恐竜時代(1億年前)の日本は
実にかなりの細長い土地だったらしい。


そして
大陸の東縁にあった日本であったが、
約1500万年前にまた大きな地殻変動で
東日本と西日本が観音開きするかのごとく
大陸を離れ、その間に海が進入して日本海ができ、
今のような弧状列島ができたようだ。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-弧状列島日本の形成


以上、これがおおまかな日本の成り立ちである。


参考にした本

日本列島の生い立ち―腕足類の化石からみた大昔の日本 (ブックレット新潟大学)/田沢 純一

¥1,050
Amazon.co.jp


ティラノサウルスvsディノスクス

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講談社より

動く図鑑MOVE「恐竜」をいただきました。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-講談社の動く図鑑MOVE「恐竜」


何種類かのティタノサウルス類や羽毛恐竜などの

イラストやコラムなどを執筆させていただきました。

たいへんビジュアルにこだわった図鑑で

40分のDVDがついています。


もう全国の書店には並んでいますので

よろしくお願いします!


表紙は

ティラノサウルスの仲間である「アルバートサウルス」に

水辺から襲い掛かる史上最大級のワニ「ディノスクス」!


というわけで


ティラノサウルスとディノスクスが戦ったらどうなるか!

について

川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ティラノサウルスVSディノスクス

全長13mの恐竜界の王者「ティラノサウルス」

そして

全長15mは越えるといわれる恐竜時代に生きた巨大ワニ「ディノスクス」


ティラノサウルスの咬合力(噛む力)は3トンともいわれ、ワニの1トンをはるかに凌ぐ。

ディノスクスはワニの仲間であるが、現在のワニよりもはるかに

巨体なので、おそらくティラノサウルスと互角だったかもしれない。


いずれも圧倒的な咬合力をもっていたことは想像にたやすいわけで

両者ともその咬合力による驚異的な攻撃力で

勝敗は一瞬できまったのではないだろうか!


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ティラノサウルスVSディノスクス
ディノスクスが水辺からティラノサウルスに襲い掛かるも、

ティラノサウルスが上手く、ディノスクスの頭を後足で抑えることができれば、

あっけなく、ディノスクスはティラノサウルスの餌食になるだろう。


ワニはその咬合力こそ恐ろしい武器であるが、

それとは逆に口を開くときの力は皆無に等しいという!


頭を抑えられると、ディノスクスはほぼ沈黙状態にある!



川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ティラノサウルスVSディノスクス3
しかし、

ディノスクスが上手くティラノサウルスの後足を捉えることができれば、

ティラノサウルスはかなり危険な状態になる。


2本の脚で立つティラノサウルスは、たやすく水中で引きずり込まれていき、

ディノスクスの勝利はほぼ確実だ!


そして、その後

とてつもなく残虐な捕食技を繰り出すのだ!


現生のワニは大型の獲物を水中に引きずり込むと、水中で自らの体を回転させて

口でくわえた獲物の脚などをねじり切るのだという!


その残虐技を「デスロール」という・・・。



川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-脅威のデスロール

おそらく

巨大ワニ、ディノスクスもこの残虐技「デスロール」を繰り出し、

恐竜を獲物にして肉を引きちぎったと考えられている。


とにかく強大な攻撃力を誇る両者。

それだけに一瞬の隙で勝敗はきまったのかもしれない。


恐竜 (講談社の動く図鑑MOVE)/著者不明
¥1,890
Amazon.co.jp

あと

「恐竜」のほか

「昆虫」、「動物」も同時刊行しています。





魚類の黄金時代~もうひとつの繁栄

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デボン紀(4億1700万年~3億5400万年前)


この時代はひと言で言えば

魚類の黄金時代とよばれ、魚類が大躍進した時代である!


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-無顎魚類のエサの食べ方

デボン紀よりも昔、最初に現れた魚類は

「無顎類」といって

丸い口を開けて、水中に漂う、あるいは海底の泥の中にある

プランクトンの死骸や微生物などの小さな有機物を

吸い込み、エラで濾しとって食べるといった

おとなしい存在であった。

川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-顎への進化

しかし魚類のなかに「アゴ」という構造をもつ「有顎類」が現れ、

他の生物を捕らえて食べる捕食者へと変貌していった・・・。

川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ダンクレオステウス

そして、強力な捕食者であったオウムガイの仲間やウミサソリなどを

退き、頂点捕食者へとのぼりつめ、恐魚「ダンクルオステウス 」のような

とてつもなく強面の捕食者も現れたほどだ!


この時代に魚類の中から頂点捕食者が現れた傍らに・・・。


妙な姿をした魚類が目立つようになる。

川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-鼻先長の無顎魚類
ノルウェー領スピッツベルゲン島から

ドリアスピス ボレアスピス

オーストラリアからはピチュリアスピス

中国からはルグメンシャナスピス ・・・

世界じゅうのデボン紀の地層から

このような姿の魚類化石が

まるで、この時代のトレンドのように多く発見される。


彼らの共通する特徴は

鼻先から長くのびる突起である!

そして彼らは

アゴをもたない無顎魚類であるが、

今までの無顎魚類とは一歩先を進んでいるかもしれない。
川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-シャカシャカ無顎魚類
この鼻先から伸びる長い突起で

海底の泥をかき散らし、

泥の中にある小さな有機物を巻き上げて

効率よくエサを得て、繁栄していたのかもしれない。


ちなみに

デボン紀には魚類から陸へ生活の場を広げた四足動物も

現れ、脊椎動物全体の爆発的な多様性が始まる時代

でもあったようだ。


海生のクビナガ竜は産卵?出産?

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中生代は地上で恐竜が支配的であった時代。


そして爬虫類たちは陸の生活を捨て、空へ、そして海へ、

その生活圏を広げていった者は少なくなかった・・・。


爬虫類のなかでも海での生活にもっとも適応した結果、イルカのような姿に

なった爬虫類が「魚竜」とよばれるグループだ


魚竜ステノプテリギウス
川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-魚竜ステノプテリギウス

まず体型からして陸に上がることは一生涯ないだろう。

もちろん繁殖を行うのも水中である。

親の体内に胎児を宿した化石も発見されており、

卵を産卵するのではなく、成長した胎児を出産した胎生であった。


爬虫類は肺呼吸。それは海に生活の場を移しても変わらなかった。

そのため水中で卵を産卵すると卵の中の胎児が溺れ死に孵化することがないからである。


それでは魚竜と同じく海に生活の場を移した

首長竜は水中で出産した「胎生」なのか、

それともウミガメのように産卵のときだけ陸に上がる「卵生」であるのか・・・。
川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-首長竜は産卵?出産?


ついにその答えとなる化石発見のニュースがとびこんできた!


2011年8月12日ナショナルジオグラフィックより

http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20110812003&expand#title

調査された化石は1987年に発掘された7800万年前の海に生息していたと見られる

首長竜「ポリコティルス」。全長4,7mほどの小型の首長竜で、

首長竜といえば、首の長いネッシーのような体型を思い浮かべるが、

このポリコティルスはアシカやアザラシに近い体型をした首長竜だ!


このポリコティルスの成体化石の腹腔にあたる部分に胎児の骨

しっかり収まっていたという!


つまり!

首長竜に胎生がはじめて確認されたということになる!
川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ポリコティルスの成体と幼体

胎生はある程度、胎児を成長させて出産し、産まれた胎児が

きびしい外界でも強く生きられるようにした繁殖方法。

この首長竜ポリコティルスの場合は半端なかった。


産まれてくる子どもは1,5mと大きく、

もうすでに親の大きさの3分の1にまで成長していたのだ!


とにかく、古代生物の謎がまた1つ、解明された発見である。


ちなみに胎生とわかったのはポリコティルスという種。

すべての首長竜が胎生であったというわけではないことを付け加えておく。


深海生物の光技

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深海。


光がほとんど届かず何百気圧という水圧がかかる
過酷な暗黒世界。


そんな暗黒世界という舞台で光をたくみにあやつる生物が
数多くいる。


よく知られているのがチョウチンアンコウだろう。

チョウチンアンコウ  学名(Himantolophus groenlandicus )


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-チョウチンアンコウ

チョウチンアンコウといえば、頭の上に伸びる
釣り竿のようなもので発光器を吊るしている。
まさにそれは光のルアーで、その発光器をちょちょいと動かすことに
よって獲物たちを誘引する捕食道具なのだ。
しかし

光って誘き寄せるだけではない!
なんと釣り竿の先端から発光液を噴出するのだ!
そのまばゆい光は獲物たちの目をくらますことが
できるのだという!


しかし
暗黒世界である深海においての発光器を身を守る技として
つかう深海魚もいる。


テンガンムネエソ 学名(Argyropelecus hemigymnus )


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-テンガンムネエソ

水深1000mの深海に生息する深海魚
これくらい深い海でも海面からわずかに青い光が届いている。
テンガンムネエソの目は海面を見るために上向きについており
海面の光をバックに映る獲物の陰影を常に探っているというわけだ。


逆にテンガンムネエソも同じ要領で下から天敵に狙われている

可能性は十分にある。上向きの目は無防備ではないか!

いやいや
実はテンガンムネエソを下から見てもその陰影が見えなくなっている!


これはどういうことなのか!


テンガンムネエソには腹部に発光器を備えており、
これを光らせることによって

海面からくるわずかな青い光に同調
カモフラージュしているのだ!


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-カウンターシェーディング

この技を「カウンターシェーディング」とよばれ、
自分の体の影を掻き消し敵の目をくらますという光技なのだ!


さて
実はこのカウンターシェーディングを見破ってしまうという
とんでもない深海生物がいる!


クラゲイカ 学名(Histioteuthis dofleini)


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-クラゲイカ

左右の目が向きも大きさもずいぶん異なったイカのなかま。
背中側と上向きについた左目は右目の2倍の大きさはあるわけだが、
この左目は黄色い水晶体でできている。
黄色い水晶体は青い光を吸収する特性を持つらしい。
このことによって
クラゲイカは海面から届く青い光は見えないということになる。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-クラゲイカの左目の見え方

すると
自ら光ることによって海面からの青い光に同調し、カモフラージュしていた
深海生物の発光器だけが丸見えとなってしまい
カウンターシェーディングという光技は無効になってしまうのである。




というわけで今回の記事とは
まったく関係のないご案内なのですが
5月30日に刊行した
「ミョ~な絶滅生物大百科」ですが、
電子書籍版が発売されました。
http://www.bookgate.info/books/6180

それではどうぞよろしくお願いします。



トロサウルスはトリケラトプスだった~再び

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「トロサウルスはトリケラトプスだった!」

http://ameblo.jp/oldworld/entry-10595137803.html

2010年7月に書いたブログ記事


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-トリケラトプスとトロサウルス

トリケラトプスの成熟個体がトロサウルスであり、

両者は同種であるため、

「トリケラトプスの名前が消え、トロサウルスにまとめられる」と・・・。


今からちょうど1年前の大きな話題であったが、

今年の9月9日あたりになって、なぜかこの話題がそっくりそのまま、

再びツイッターで拡散し、

センセーショナルを巻き起こしているようだ!



川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-トリケラトプスの成長

トリケラトプスには子どもから大人になるまでの様々な頭骨が

発見されており、その成長過程がおおよそわかるわけだが、

その過程においてフリルの部分が薄くなっていく傾向にあるらしい。


その行き着く先は開口部のあるフリルをもつトロサウルスになるのではないか

ということで

トロサウルスはトリケラトプスの成長した個体。

よってトロサウルスはトリケラトプスと同属ということになる。


よって

トロサウルスの名前にまとめられ、トリケラトプスの名前が消えるのでは

という話題が広がっているわけだが、

これはパー誤報である!


トリケラトプスの名前が残り、トロサウルスの名前が消えるが正解である。


それはなぜか!


学名には

このケースの場合、先に学名が付けられたものを有効名とする

ルールがあるからである。


トリケラトプス(Triceratops. horridus )の学名記載は1889年

トロサウルス(Torosaurus. latus )の学名記載は1891年


というわけで

もし、トリケラトプスとトロサウルスが同属であることが結論づけられれば、

トリケラトプスが有効名となり、トロサウルスの名前は消滅する


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古代ザメの産卵、海から湖へ

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現在、海洋に広く分布し、500種ほど知られるサメ。


オオメジロザメは淡水に長期間を生息することができ、
アマゾン川やミシシッピー川を3000kmに遡ることも
あるといわれるが、
現在のサメの仲間はおおよそ海域にのみ生息すると

いってもいいだろう。


しかし
太古においては、淡水域にも生息域を伸ばしていた古代ザメは
少なくなかったようだ。


リゾドゥス Lissodus


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-リソドゥス

世界じゅうで化石が発見されている古代ザメで日本でも確認されている。
ヨーロッパでは三畳紀中~後期の淡水であった地層から発見されている。


そして、
古代ザメが湖や川などの淡水域を産卵場所としていたという
発見のニュースが飛び込んできた


2011年9月12日ナショナルジオグラフィック
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20110912002&expand#title


ヒボドゥス Hybodus


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ヒボドゥス

発見された化石はギルギス南西部にある三畳紀の2億3000万年前
の地層からヒボドゥス類というサメの卵嚢である。
その卵嚢の形は現在の
ネコザメ の卵嚢のような

スクリュー形の妙な形である。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-古代ザメの卵 古代サメの卵嚢(復元図)

母親となるサメは湖岸の湿地に生い茂る植物にその卵嚢を産みつけた
と見られており、卵から孵った子どもは生い茂る植物によって
身を隠すことができる絶好の環境であったかもしれない。


それを裏付けるように卵嚢化石が発見された場所では60本ほどの
サメの歯が発見されており、
そのうちの1本は成魚のものだが、残りはすべて幼魚の歯だったという。
これでこの古代ザメの生育の場は淡水域であったことが
うかがえるわけだ。


現在のサメは一生を海洋で過ごすが、
古代ザメはサケのように海洋から産卵のために川を遡っていたのでは、
あるいは一生を淡水域に過ごしていたといわれている。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-陸生ワニに捕らえられた古代ザメ
クマが海から川に遡るサケを捕らえるように

三畳紀の世界では当時のトッププレデターであった陸生ワニが

川にのぼる古代ザメを捕らえていく光景が見られたのかもしれない。



関連記事

サメの繁殖について

http://ameblo.jp/oldworld/entry-10010137803.html



シーサーペント伝説~その稚魚の発見!

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 シーサーペント・・・。

昔から海には巨大海蛇が存在するという伝説がある。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-シーサーペント

目撃証言もいくつもあり、多く語られる未確認動物。
大海蛇とも限らない、細長い巨大生物だといわれ、

その正体は不明。その存在も確かではない。


しかし、


1930年、デンマークの調査船「ダナ号」が、海洋調査の際に
偶然にもアフリカ南方の水深340mの深海から
巨大なレプトケファルス幼生を採取したという!


レプトケファルス幼生とはウナギやアナゴなどの幼生段階で
平たく透明でわずか数cmほどの小さな生命体だ。

しかし!ダナ号が採取したレプトケファルス幼生は
長さがなんと184cmもあったという!


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-レプトセファルス・ギガンテウス


ウナギのレプトケファルス幼生が成魚になるまで、
約18倍の大きさに成長する。
アナゴなら30倍の大きさに成長。


ということは・・・。
その巨大レプトケファルスが成長すると
30m以上の巨大ウナギのような

怪物に成長するということになるのだ!


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-巨大レプトケファルスが成長したら

これはもしかすると
シーサーペントの子どもではないかと

世界じゅうで大反響を呼んだのはいうまでもない!


しかし1960年代半ばに採取された巨大レプトケファルスは
成魚に近い状態の変態途中でソコギス類のものという
可能性が高いという。
ソコギス類もレプトケファルス幼生を経て成魚になるが
変態後それほど大きく成長することはない。
これでシーサーペントは残念ながら
再び伝説上の怪物となってしまったわけだが、


まだまだ
その巨大レプトケファルスの親が何者なのか
確たるものはわかっていない。

草食恐竜の大変革

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ジュラ紀(2億年~1億4400万年前)


植物食動物の主役は巨体を誇る竜脚類


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-竜脚類

竜脚類の歯は鉛筆のように細長く、その歯列は「鋤」のようだった。
その歯で植物をバンバンむしりとり、
ガンガンと喉の奥へと流し込んだ。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-竜脚類の食べ方

竜脚類はその大きな胴体まかせに食べた植物を
とりあえず大量にキープした!

そして

その長い首と巨体を生かし、温暖湿潤気候であった
ジュラ紀の豊かな植物資源を
我が物顔のように食べ尽くしていったのだ。


この頃は植物食恐竜の大量消費時代であったというわけだ。


しかし!新たなタイプの植物食恐竜が現れた。


白亜紀(1億4400万年~6500万年前)


植物食恐竜は竜脚類から、
鳥脚類のイグアノドンやハドロサウルス類が台頭し始める。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-鳥脚類

彼らがとった戦略とは・・・。

大量に植物を摂取するのではなく、
食べた植物からいかに効率よく栄養を摂取できるかに重点をおいたのだ。


その要となるのが「デンタルバッテリー」だ!


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-デンタルバッテリー

デンタルバッテリーとは。
微細な歯が集合化し、おろし金のような形状になっている。
いくつも重なった構造になっているため
上部の歯が磨耗すると、すぐに下には予備の歯がスタンバイしており、、
いつまでも物を噛むつぶすことができる優れものなのだ。

これで植物を細かく噛み潰して、物理的な消化を向上させたわけである。


そして、ハドロサウルス類はイグアノドン類よりも、より効率化されている。
ハドロサウルス類は別名「カモノハシ竜」と呼ばれているが、
カモノハシのように平らなクチバシをもち、
より多くの植物をついばむことに適していた。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-イグアノドンとハドロサウルス類
さらに、
イグアノドン類よりもクチバシとデンタルバッテリーとの距離があり、
植物をついばむクチバシと植物をすり潰すデンタルバッテリーとで
役割分担をはっきりとさせていた。
これにより効率よく植物を口の中で分解できるようになったという。


白亜紀後期の北半球の大陸での植物食恐竜は
ハドロサウルス類でほぼ占められるほどになっており、
恐竜のなかでもハドロサウルス類ほどの咀嚼能力に長けたものはいない。

ネコ科動物のタイプ

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ネコ科動物・・・。


4000万年前に現れ、
哺乳類のなかでも狩りに特化した身体的特徴を持ち、
頂点の捕食者という地位を築き上げたグループだ!


持久力は乏しく、獲物を長距離で追い回すことはできないが、
獲物に静かに忍び寄って間合いを詰め、
その驚異的な瞬発力で獲物を瞬時に狩ることを
得意とする暗殺者である。


さて、頂点捕食者の大型ネコ科といえば、
「百獣の王」とよばれるライオンだろう。


ライオン (Panthera leo)


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ライオン

草原や砂漠といった平原に生息する。
彼らはネコ科動物でも意外にも変り種である。
ネコ科動物はイヌ科動物と違い、行動は単独で行うが、
ライオンはオス1~6頭と4~15頭のメスと子どもで群れを形成し、
狩りはメスがチームを組んで扇形に散開し、獲物に忍び寄るといった
ネコ科動物としては珍しい社会性をもつ
また
成長したオスだけに立派なタテガミをもつというのも大きな特徴。
これでオスとメスで容易に見分けがつくわけだが、
このようなはっきりとした性的二型はネコ科動物ではライオンだけである。


⇒ライオンのタテガミの新事実
http://ameblo.jp/oldworld/entry-10011544263.html


とにかく、誇示性の強いネコ科動物といえるかもしれない。


そしてライオンと双璧をなすのがトラである!

トラ Panthera tigris


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-トラ

現在のネコ科動物では最大の巨躯を誇る。
ライオンが平原の王者なら、トラは森林の王者である。
ネコ科動物は単独行動であり、体のしなやかさを生かして、
木登りや、泳ぎ、といったトリッキーな運動ができる。
狩りも獲物に忍び寄りに瞬時に襲うスタイルから、
隠れ場所の多い森林向きのハンターといえる。

ライオンと違い、単独行動で木登りも泳ぎも得意とするトラは
典型的なネコ科動物といえる。


とにかくトラはネコ科動物の王道をいっているにはちがいない。



チーター (Acinonyx jubatus)


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-チーター

ライオンと同じく草原や砂漠に生息。
そういった見通しのよい場所で狩りを行うためなのか
言わずと知れた疾走に特化したネコ科動物。
走るスピードは2秒で時速72kmに達するという。
スピード追求でカスタマイズされたためなのか、
強さや武器となるものをほとんど犠牲にしている。
超スピードという激しい運動のための呼吸量を増大するため
鼻腔の容量を増やし、
その分、獲物を噛み付くための牙(犬歯)は小さくなってしまっている。
また
ネコ科動物といえば、その鋭い爪であるが、
これも走るためにイヌ科動物のように出し入れせず、スパイク化させている。


⇒「チーター・凄まじき短距離走者」
http://ameblo.jp/oldworld/entry-10046398340.html


とにかくスピードという方向性でチューンアップされたネコ科動物である。



スミロドン (サーベルタイガー)


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-スミロドン

すでに絶滅してしまったが、ライオンやトラをしのぎ、
頂点捕食者として君臨した一族。
チーターとは対極的に、その攻撃力に重点をおいたネコ科動物。
まずは、その異様なほどの長大な犬歯である。
これほどの長大な犬歯で獲物に突き刺すのだから、
狙う獲物は大物

当時生息していたマンモス などの大型動物であっただろう。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-スミロドンの顎の開閉

大物狙いのためか、顎の開く角度はライオンが65°に対し
スミロドンは120度も開閉できる。
また体格はどのネコ科動物よりもガッチリしており、
獲物を抑えつける前脚はかなり筋肉隆々としていたらしい。
脚は太く短いため、あまり速く走ることはできない。

とにかく大物狙いで

攻撃力とパワーに重点を置いてチューンアップされた
ネコ科動物である。



なぜ、鳥は空を飛べるのか。それは揚力

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2006年7月の記事ですが

「新たなる飛翔伝説~鳥類の翼」

http://ameblo.jp/oldworld/entry-10014976283.html

鳥類の翼の揚力発生について、間違いのご指摘がありましたので

今さらながら、再度、鳥類の翼の揚力発生について。


鳥類の翼の断面を見ると、

平らではなく、「弧」を描くようになっており、これを「円弧翼」と呼ぶ

円弧翼は前からくる「空気の流れ」を下方に曲げるしくみになっている。
川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-鳥の翼、揚力発生

この下方に曲げられた空気の流れの反作用によって

上向きに働く力が発生する。これが「揚力」だ。

この揚力によって、鳥は空を飛ぶことができるのだ!


その揚力の発生について確かめることのできる、手軽な実験がある。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-スプーンで揚力発生実験

上の図のようにスプーンは水道の水に吸い込まれるように動くのだ。

この働きが揚力の仕業というわけである。


スプーンの曲線が、鳥の翼(円弧翼)で

蛇口から出る水の流れが、空気の流れと同じことなのである。


鳥だけでなく、飛行機も同じく円弧翼で、同じ仕組みで空を飛ぶことは

よく知られている。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-短距離離着陸機「飛鳥」

飛行機の中でも、強い揚力を生み出す航空機。

ジェットエンジンを主翼の上に設置し、

ジェットエンジンから強力に噴射する燃焼ガスを

主翼によって下方に曲げ、強い揚力を生み出す。

これで、短い距離で離陸できるという優れものだが、

開発コストもかかるらしく、実用化にはいたってないらしい。


なにも揚力は上向きにだけ働く力ではない。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ダウンフォース

F1レーシングカーの前にある翼は、空気の流れを

上方に曲げて、その反作用として下向きに働く揚力が発生させる。

これでエンジンの力を路面に伝えるタイヤの接地性が上がり、

力強く走ることができるのだ。


鳥が空を飛ぶことを可能にした「揚力」は、

このように様々な場面で使われている。


流れのふしぎ (ブルーバックス)/著者不明
¥903
Amazon.co.jp
参考にした本。
流体力学について、身の回りの事例をつかって
説明したわかりやすい本です。




2011年新種古生物総集編

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2011年も残りわずかです!

ということで

今年発表された個性派ぞろい新種の古生物特集を

例年のごとくやりたいと思います。


■1月■

クセニシビス (Xenicibis xympithecus )


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-クセニシビス

1万年前の中米ジャマイカに生息していたトキ の仲間。

翼の上腕部、つまり手羽先の部分の骨が異様に太くなり、

これをヌンチャクのような武器に使用したらしく、

襲い来るヘビや猛禽類を一発くらわせたと

研究者は語っている。
飛行のための翼を武器へと変えた類なき珍しい鳥だ!


リンヘニクス (Linhenykus monodactylus)


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-リンヘニクス

白亜紀後期の中国に生息した、ごく鳥類に近い恐竜の1種。

その特徴は前脚部分は1本のツメ(1本指)であること。

このような1本ツメの恐竜はモノニクス アルバートニクス など

意外と種は数多いが、痕跡程度に残った2本の指があるので

3本指。リンヘニクスはその2本指が完全に退化しているので

正真正銘の唯一の1本指恐竜なのだ!


■2月■


ディアニア (Diania cactiformis)


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ディアニア

ざっくり5億年前のカンブリア紀に生息したカギムシ に近い生物。

その姿から「歩くサボテン」と呼ばれている。

細い胴体にはあまりにも重荷ではないかというほど

太い脚を10対も連なり、しかも節足動物のような節がある。
これはこれはと節足動物の起源を知る上で貴重な古生物と

期待されている!


アルクトテリウム(Arctotherium angustidens)


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-アルクトテリウム

従来の史上最大のクマは北米に生息したジャイアントショートフェイスベア

それを凌ぐ大きさクマが発見された。

同じくジャイアントショートフェイスベアの一種で、

こちらは200万年~50万年前の南米に生息していたらしい。

立ち上がった頭までの高さは340cm、体重は1,6トンもあったようだ。


アルクトテリウム・南米ジャイアントショートフェイスベア (体重1,6トン)

アルクトドゥス・北米ジャイアントショートフェイスベア   (体重1,1トン)

ホッキョクグマ(現在の最大のクマ)              (体重0,9トン)


■3月■

ヌララグス (Nuralagus rex)


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ヌララグス

500万年~300万年前、スペインの離れ小島「ミノルカ島」に

生息していたといわれる史上最大のウサギ

学名はヌララグス・レックス(Nuralagus rex)ということで

通称「N-REX」なんて強そうな名前で呼ばれているが、

天敵のいない離れ小島に生息していたためか、

見た目どおり

ウサギのような研ぎ澄まされて発達した目や耳の感覚は退化。

ピョンピョンとすばやく飛び跳ねることもなく、

かなり、危機感ゼロのぐうたらな生活を送っていたと思われている。

ドードー など離れ小島に住む動物にありがちなパターンである!


■8月■


ジュラマイア(Juramaia sinensis)


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ジュラマイア

今までの最古の真獣類は白亜紀前期、1億2500万年前の

エオマイア というネズミのような哺乳類。

ちなみに、真獣類とはわれわれ人間と同じく、母親が胎盤を有する有胎盤類のことで、

お腹のなかで胎児をある程度成長させて出産する哺乳類のことだ。

このご先祖様がさらなる昔のジュラ紀の1億6000万年前に現れていた

ということで大きな発見だった。


■9月■


ラコグナトゥス (Laccognathus embryi)
川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ラコグナトゥス

3億7500万年前に生息していた シーラカンス や肺魚

で知られる肉鰭類の仲間。

肉鰭類は両生類など四肢動物に近い魚類であるが、
極めて、頭が横長の寸詰まりで、ほとんど魚の顔ではない。


■11月■


クロノピオ (Cronopio dentiacutus)
川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-クロノピオ

9300万年前の南米に生息したリスほどの小さな哺乳類。

大きな目に細長く突き出た鼻先と個性的な顔つきだが

長い犬歯も特徴的。サーベルマウスといったところだ!

でも立派な牙を持っても昆虫食だったらしい。


ということで

今年、発表された新種古生物はまだまだありましたが、

その中でも印象に残ったものを取り上げてみました。


それでは皆さん、

よいお年をお迎えください!


2012年、明けましておめでとうございます!

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川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-辰年2012

新年あけましておめでとうございます!


旧年中はこのブログにコメントをいただきまして
ありがとうございます。いつも励みになっております。
今年も変わらぬお付き合いのほどをお願いします。


さて、正月早々すみません。
廣済堂出版より、また本が出ることになりました!

去年6月に「ミョ~な絶滅生物大百科」が刊行されましたが、
その続編ということで
「オールカラー ミョ~な深海生物大百科」です。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ミョ~な深海生物大百科表紙


本書では、深海という極限世界で生きる、特に奇妙な生物を選定し
その復元カラーイラストを交えて100連発つづった内容になっております。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ミョ~な深海生物大百科内容1

1ページで1種、または
見開き2ページで1種で深海生物を紹介していく流れになっています。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ミョ~な深海生物大百科内容2

7章構成になっており、

「ミョ~な形の深海生物」、「ミョ~な顔の深海生物」、「ミョ~な行動の深海生物」
「どデカい深海生物」、「ミョ~にカワイイ深海生物」などに分けられ、


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ミョ~な深海生物大百科口絵

本書の冒頭の口絵には
「深海生物もしも選手権」と題し、
「なんじゃこりゃな見た目」の部とか「ノーリミット大喰らい」の部などがあり、
全体として前回の本と同じような流れになっています。


今回も
オールカラーにして208ページというボリューム。
価格が20円安くなって税込み580円です。

ぜひともよろしくお願いします。


売っているところは
元旦から、コンビニの「セブンイレブン」で
すでに並んでいると思います。


Amazonからの購入も可能のようです。

オールカラー ミョーな深海生物大百科―生物界の常識を変えた謎の新種から、巨大なモンスター、生き.../川崎 悟司
¥580
Amazon.co.jp




恐鳥類~それは竜の残光

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鳥類は恐竜から進化した。
それは紛れもない事実である。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-恐竜から鳥への進化

しかし、その姿や生態はずいぶんと変わり果てた。

世界を君臨した恐竜たちが6500万年前に絶滅し、
恐竜から派生した鳥類たちがわずかに生き残ったが、
地上での覇権は勢力を伸ばしつつある哺乳類たちに
とってかわられた・・・。


しかし、
恐竜絶滅後、その間もない頃から
鳥類の中で、肉食恐竜の面影を色濃く残す者たちがいた!

「恐鳥類」と呼ばれる肉食鳥だ!


ガストルニス(ディアトリマ) 属名(Diatryma )


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ディアトリマ

恐竜が絶滅して間もない新生代・古第三紀・暁新世(6500万年~5500万年前)
から現れた恐鳥類。
体高2m、体重は200kgにもなり、翼は退化しているが、
後ろ脚は力強く、この後脚で獲物を押さえつけて、
長さ40cmもある手斧のようなクチバシを振り落として
強力なダメージを与えたといわれている。
2本の後ろ足で立っていた

肉食恐竜と姿や生態がよく似ていたことだろう。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-獲物を狩る恐鳥類

北アメリカやヨーロッパで生息しており、
当時のその地で頂点捕食者として君臨していたという。
まさに恐鳥類は肉食恐竜の残党軍であったといっても
過言ではないだろう。


しかし、
この時代は哺乳類の適応放散と繁栄は著しく、
肉食の哺乳類でも
優れた瞬発力で一撃必殺の狩りを得意とするネコ科動物や
高度なチームワークで追尾型の狩りを得意とするイヌ科動物といった
より進化、カスタマイズされた肉食哺乳類が現れるようになった。


恐鳥類は獲物をめぐる競合にその劣勢を強いられたのは
間違いないだろう。


だが・・・、恐鳥類には最後の砦があった。


当時、他の大陸から海に隔てられていた南アメリカ大陸

ここはネコ科動物やイヌ科動物が足を踏み入れることのなかった
島大陸であったのだ。
川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-恐鳥類たち

ここでは恐鳥類のフォルスラコス ケレンケン などの
恐鳥類は栄えており、頂点捕食者として
君臨し続けていたのだ。
川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-パナマ地峡の形成

しかしその時代も、長くは続かない。
300万年前、パナマ地峡の形成により、
北アメリカ大陸と南アメリカ大陸が陸続きになってしまったのだ。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-迫り来る肉食哺乳類

北アメリカ大陸からパナマ地峡に渡り、
サーベルタイガー やオオカミなどが南アメリカ大陸に
やってきて、競合をさらされることを余儀なくされ、

ここでもやはり恐鳥類は不利な立場に立たされた。

そして、
約40万年前、最後の恐鳥類であるティタニスが絶滅し、
肉食恐竜の残光はその灯火を潰えることとなった・・・。


「日本の恐竜図鑑」刊行です!

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築地書館から、見本が自宅に届いたので告知いたします。

川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-日本の恐竜図鑑

「日本の恐竜図鑑~じつは恐竜王国日本列島~」

築地書館の日本の恐竜図鑑のページ


恐竜時代の日本の生物相に特化したありそうで、なかった本格的な図鑑です!

そして
伝説の化石ハンター・宇都宮聡さん(化石採集家です。)と共著で
この本を2月1日から出させていただくことになりました!


フィールドに出向き化石採集をする宇都宮(アウトドア派)
部屋に閉じ篭り、古生物イラストを描く私(インドア派)
二人の特性を補完し合った良い本になったのではないかと思います。


さて、
宇都宮聡さんのことですが、
日本各地で化石採取をし、
石川県白山の手取層群では国内最大の肉食恐竜の歯。⇒毎日.JP
大阪府の和泉層群で10mと推定されるモササウルスの顎の化石⇒泉州ドットコム

と数々の大物化石を発見し、古生物学に貢献している。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-サツマウツノミヤリュウ

宇都宮さんが鹿児島県獅子島で発見したエラスモサウルス科の首長竜
「サツマウツノミヤリュウ(薩摩宇都宮竜)」
を私が復元画を描かさせていただいたページ。

川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-サツマウツノミヤリュウ発掘

次のページでは発見から発掘作業などの様子やエピソードなどが
つづられており、恐竜発見のノウハウや現場の空気が感じられる
内容となっております。


もちろんフクイラプトル丹波竜 などのメジャーどころも、おさえてつつ。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-日本の恐竜図鑑・コラムページ

コラムも
古生物に関する話題から、化石採取のコツなどところどころにあります。


2月1日から書店に並びますので
どうぞよろしくお願いします。


最後に、本書を作成するにあたり、
たくさんの方々、博物館など
標本の写真などの提供や復元イラストのご指摘や内容のチェックなど
たいへんお力添えをいただきました。
本当にありがとうございました。


日本の恐竜図鑑:じつは恐竜王国日本列島/宇都宮 聡
¥2,310
Amazon.co.jp


キリンとアカシアの攻防

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アフリカのサバンナと言えば・・・。


サバンナ・アカシア Acacia tortilis  
川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-サバンナアカシア


広がる草原に点在するサバンナアカシアは

アフリカサバンナの象徴ともいえるほど

この樹を映像なり写真なりで目にした人は多いことだろう。

背の高いもので高さ20mにも達する巨木である。

川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-葉を食べさせないアカシア

木の葉が生い茂る枝は高い位置にあり、傘を広げたような形が特徴で

別名「アンブレアアカシア」、「アンブレアツリー」なんて呼ばれるが

当然、葉っぱを草食動物に食べられないようにするためだ。



川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-キリンに食べられるアカシア

しかし、首が長くもっとも背の高いキリン にとっては

ちょうど良い位置に葉っぱがあって、他の草食動物が手を出せない

ということでも、かなり好都合だ!

しかもキリンはアカシアの葉を好み、

キリンのための食料資源といっていいだろう。


ところが、

サバンナアカシアの木は大事な葉っぱをキリンにただただ、食べられるわけではない!


その時、「メチルジャスモネード」と呼ばれる揮発性物質を放出するという。

この物質は半径500mにまで広がり、

この成分を感じたサバンナアカシアの木々は

体表面に「タンニン」とよばれる苦味成分を分泌するという。

このタンニンが強烈な渋味で、渋柿を食べた人はその味を

思い出していただければいいだろう。

キリンが次に近くのサバンナアカシアの木に移動して、

食べようとする時、

タンニンを多く含んだ木の葉や枝を食べることになる。

すると、

あまりにもの渋味で、キリンはすぐに吐き出してしまうというわけだ。


キリンはその場所のエサ場を諦めて、遠い場所へと移動する。



川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-アカシアの警告伝達

サバンナアカシアはこのように敵であるキリンがやってきたことを

仲間に伝達することによって、キリンを追い出し、種の生存を保っているのだ。


だが、サバンナアカシアのこの防御システムは

キリンにとっても将来的に良いことなのだ。

このサバンナアカシアのこのような防御システムがなければ、

キリンはその場所のサバンナアカシアを食べ尽くして枯渇させてしまうだろう。


枯渇する前に、キリンが次の場所へ移動して、そこのサバンナアカシアを

食べ、また次の場所へ移動するという繰り返しによって、

キリンの食料資源が枯渇することがないのだから。



ジャイアントモア~か弱き巨鳥

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哺乳類を筆頭に敵に襲われる心配の多い鳥たち。
とにかく安全な場所へ飛んで移動するわけだが、
歯の持たない鳥たちはゆっくり食べ物を噛んで食事することなく
とりあえず飲み込んで体の中にいったんキープする。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ハトの内臓図

たいへん消化の悪い食べ方だが
筋胃(砂肝)と呼ばれる胃袋に
あらかじめ飲み込んでおいた小石や砂があり、これを利用し
食べ物をすり潰して消化の助けにする。いわば歯の代わりに
なっているのだ。


さて、この鳥の習性を利用し絶滅させられたという鳥がいるという。

史上最大級の鳥類と言われるジャイアントモアだ!


ジャイアントモア 学名(Dinornis maximus


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ジャイアントモア
頭までの高さは3,6m、2階の窓に顔をのぞかせることができる高さで

体重は250kgもあったという巨鳥だ!

ジャイアントモアが生息していたのはニュージーランド
太古の昔からの絶海の孤島で長らく鳥類の天敵であった哺乳類が
生息しない、いわば鳥類の楽園であった。


そのため、ジャイアントモアは翼は完全に退化、
地上での悠々自適な生活を送っていたようだ。


しかし、西暦1000年頃、海を渡ってニュージーランドに
移住してきたマオリ族によって一変する。


マオリ族にとってウシなどの哺乳類がいないニュージーランドでは
ジャイアントモアのような大型動物は重要なタンパク源になったのだろう。


狩猟による乱獲でジャイアントモアはたちまち生息数を減らしていったという。
その狩猟方法とは・・・。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-焼け石を飲み込むモア
鳥類の小石を飲み込む習性を着目したマオリ族が
焼け石をジャイアントモアの飲み込ませ
内臓を火傷させて死ぬまで待つというものだったらしい。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-脚に打撃をくらうモア

また、脚に棍棒などで一撃をくらわすと
2本の脚のみで立つジャイアントモアの容易にバランスを崩し、
動きを止めて、その後、袋叩きにしたという・・・。


そして、17世紀に初めてヨーロッパ人がニュージーランドに訪れた頃には
すでにモアの生きた姿は見られることなく、残っているのは骨のみであった。
ちなみに
「モア」という名の由来は
ヨーロッパ人が絶滅したジャイアントモアの存在を知るべく
「モア ボーンズ(More bones!)」もっと骨を、と原住民に
言ったところ、原住民がそれを鳥の名前と勘違いして、
モアと呼ばれるようになったとか。


アゴ最強伝説2

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6500万年前までに生息した肉食恐竜ティラノサウルスは
現在や太古に問わず、地上のあらゆる動物の中でも
最強の「噛む力」を持っていたという・・・。


2012年2月29日に
英国王立協会の専門誌「バイオロジー・レターズ」に発表されたという!

時事ドットコム(2012年3月2日)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2012030200200


ティラノサウルス  学名(Tyrannosaurus rex


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ティラノサウルスの咬合力

化石の頭骨の形と、それから推定されるアゴの筋肉を
コンピューターのモデルで分析したところ、
噛んだときに歯にかかる力は
前方の歯で3100kg、奥の歯で5700kgもあったという!


この力はアフリカゾウ に全体重をかけられて踏まれるに相当するだろう。

過去にもティラノサウルスの噛む力は出されていたが
1300kgと推定されており、
咬合力で凌駕するワニ(
イリエワニ は2300kg)や
サメ(
ホホジロザメ は2000kg)よりはるかに劣る結果となっていた。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-現生動物咬合力2強

しかし、今回の研究結果で過去推定値の4倍、大幅な上方修正となり、
ティラノサウルスがぶっちぎりの破壊力をもった咬合力を
持っていたということになる。


しかし!
それは陸上動物での話。


海ではさらなる咬合力を持つものがいるという!

ダンクレオステウス  属名(Dunkleosteus )


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ダンクレオステウスの咬合力
恐竜時代よりはるか昔、
おおよそ3億6000万年前、デボン紀後期に生息していた板皮類。
板皮類とは絶滅した魚類のグループで、
脊椎動物で初めて顎をもったグループである。
当時、板皮類は顎を持つことによって捕食性が増し、多いに繁栄した魚で
その中でも究極なまでに咬合力をもつのがこのダンクレオステウスなのだ!


その咬合力は前方で4400kg、奥で5300kgにもなったという。
これはティラノサウルスにおおよそ同等だが、
こちらは「元祖、咬合力王」といったところだ。


そして、
咬合力の面において忘れてならないのは
太古から長きに渡り、海の捕食者として君臨したサメである!
現在でもシャチ に並び、頂点捕食者として生きるホホジロザメは
咬合力が2000kgだが、
1800万年~150万年前、クジラを主食にしていたというメガロドン。


メガロドン 学名(Carcharodon megalodon )


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-メガロドンの咬合力

その姿はホホジロザメに変わらないが、体長はその2~3倍の
13mにもなる巨大ザメだ!
その咬合力は半端なく、ホホジロザメの9倍!
18000kgと推定されているという!


強い咬合力を持つことで知られるグループは
まず、ワニやサメといったところだが、
絶滅したグループでかなりの咬合力を持っていただろうというのが
首長竜プリオサウルス類という恐竜時代の海生爬虫類だ!


プリオサウルス類は首長竜といっても、首が短く、頭つまり顎が
異様に大きくなり、より大型な獲物を捕食するようになった首長竜だ!

代表的なものでは
ジュラ紀に生息したリオプレウロドン 、白亜紀に生息したクロノサウルス
が知られるが、いずれもどの肉食動物よりも大きい3mの巨大な顎を
もち、咬合力は2000~3000kgと推定されている。


かつてはティラノサウルスの3倍の咬合力を持つといわれていたが、
今回のティラノサウルスの咬合力5700kgというの大幅な上方修正により、
それより劣る形になってしまった。

しかし!
プリオサウルス類の中でも
2007年に北極圏にあるスバールバル諸島の永久凍土層から
クロノサウルスやリオプレウロドンを凌ぐ大物のプリオサウルス類が発見されたのだ!
正式な学名は付けられていないものの、
映画に登場する猛獣を獲物として狩猟をする最強のモンスター「プレデター」
にちなんで「プレデターX」という

いかにもそれは未知数的な怪物のように呼ばれている。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-プレデターXの咬合力

1億4700万年前のジュラ紀後期に生息していたと見られ、
全長は15m。長さ30cmの巨大な牙が並んでいたという!
その咬合力は
今回の研究から導き出されたティラノサウルスの咬合力の3倍の
15000kgとこれもまた凄まじい!


咬合力ランキング

メガロドン(サメ)         18000kg
プレデターX(首長竜)      15000kg
ティラノサウルス(恐竜)     5700kg
ダンクレオステウス(板皮類)  5300kg
クロノサウルス(首長竜)     3000kg
イリエワニ(ワニ)         2300kg
ホホジロザメ(サメ)        2000kg
カバ                 1000kg
ライオン(ネコ)           400kg
ヒト                   70kg


ちなみに動物の咬合力は研究によって

その数値にかなりの幅があるため、おおよその目安

として見ていただきたい。

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