海鳥・・・。
大洋を飛び回るアホウドリ やカツオドリ、ミズナキドリなど
繁殖時には洋上に浮かぶ小さな島で集団繁殖する。
洋上で孤立した島は海鳥にとって
天敵に卵を奪われ、食べられることのない安全な場所だ。
太平洋南西部に
アホウドリをはじめとする海鳥の糞が数百万年に堆積し、できた島がある。
車で1周するのに20分とかからない小さな島だ
そこにはナウル共和国という人口11000人ほどの小さな国がある。
驚くことに、国民1人当たりの収入を示すGDPが
アメリカを超えや日本の倍もある
世界でもっとも裕福な民が住む島国であったのだ!
なぜ、名も知れぬ小さな国がそれほど大金持ちの人々が住んでいるのか・・・。
この島は海面から飛び出したサンゴ礁の上に海鳥の排泄した糞が積もって
できた島であるが、
サンゴの成分と海鳥の糞の成分が化学反応を起こしてリン物質が形成され、
「グアノ」と呼ばれるリン鉱石が国土全体に埋蔵される形となったのだ。
このグアノがリン酸を含んだ良い肥料となり、土壌改良や農業にたいへん役立つのである。
これを採掘、海外に輸出され、この小さな国に莫大な利益をもたらしたのだ!
まさに黄金の島である!
そのおかげでこの国には税金はなく、
医療費、電気料金、教育費はすべてタダ。
しかも、全年齢層の国民に年金が支給されるなどの手厚い社会福祉にいたった!
リン鉱石の採掘は中国人をはじめとする外国からの出稼ぎ労働者に任せ、
国民は皆、働かなくても生活し、食事も外国人が営業をしている食堂で済ますなど
悠々自適な生活を送っていたという!
しかし、それは小さな島の資源。
現在はこの国の主要産業であったリン鉱石はほぼ枯渇し、
それとともに国民生活レベルも低下。
もともとは漁業で自給自足の生活をしていたが、
リン鉱石の恩恵から国民はすでに働くことを忘れており、失業率は90%を超えるという。
この国の将来を担う子供たちは学校で社会に出て働くことができるよう
指導が行われているとのことだ。