3億2000万年前からそれほど姿を変えなかった
「生きた化石」と呼ばれるシーラカンス。
その泳ぎ方はヒレを交互に動かしながら、
ゆっくりと漂うように泳ぐ。
しかし
2億5000万年前に生息していたと見られるシーラカンスは
現存・絶滅種問わず、まったく異なるタイプの種だったという!
レベラトリクス 学名(Rebellatrix divaricerca )
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シーラカンスはその幅広い扇のような尾ビレ
(正確には尾ビレと第3背ビレ、第2尻ビレを合わせたもの)
が特徴であるが、
レベラトリクスの尾ビレは2つに分岐した形をしており、
このような尾ビレは高速で獲物を追いかける魚の特徴だといわれている。
魚は尾ビレを使って水を後ろに押しやり、前に進んで泳ぐのだが、
その尾ビレの形によって、その特性が変わってくる。
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例を挙げると、「マグロ 」と「クエ」。
いずれも高級食材として馴染みある魚だが、
マグロの尾ビレはレベラトリクスと同じく「2つに分岐した形」であり、
長距離を高速で泳ぐ魚だ。遠洋で不眠不休で時速60km以上で泳ぎ続けるほど
の生物史上最高のスイマーである!
それに対し、クエの尾ビレは「扇型」
クエは沿岸域に生息し、あまり海底に離れずにゆっくり泳ぎ回るタイプの魚だ。
しかし、扇型の尾ビレは一気にたくさんの水をかくことができ、
急速に速度を上げるダッシュに向いているというメリハリのある泳ぎを得意とする。
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普段ゆっくりと泳ぐ現存シーラカンス「ラティメリア」
も幅広い扇型の尾ビレで
獲物に向かって短い距離を素早く突進するのに向いているという。
3億2000万年前からシーラカンスはこのようなスタイルであったが、
シーラカンスの中にもマグロのような長距離高速遊泳型の変わり種も
いたというわけだ!
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なぜ、レベラトリクスのような変り種シーラカンスが現れたのか・・・。
レベラトリクスが現れた2億5000万年前は
海洋生物は90%以上も絶滅したといわれるペルム紀末の生物大量絶滅期であり、
海中で高速移動する肉食魚が不在になったため、
その生態的地位を埋めるように、生き残ったシーラカンスの仲間から
高速遊泳型シーラカンスに進化した種が現れたのではないかと
いわれている。