6500万年前までに生息した肉食恐竜ティラノサウルスは
現在や太古に問わず、地上のあらゆる動物の中でも
最強の「噛む力」を持っていたという・・・。
2012年2月29日に
英国王立協会の専門誌「バイオロジー・レターズ」に発表されたという!
時事ドットコム(2012年3月2日)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2012030200200
ティラノサウルス 学名(Tyrannosaurus rex )
化石の頭骨の形と、それから推定されるアゴの筋肉を
コンピューターのモデルで分析したところ、
噛んだときに歯にかかる力は
前方の歯で3100kg、奥の歯で5700kgもあったという!
この力はアフリカゾウ
に全体重をかけられて踏まれるに相当するだろう。
過去にもティラノサウルスの噛む力は出されていたが
1300kgと推定されており、
咬合力で凌駕するワニ(イリエワニ
は2300kg)や
サメ(ホホジロザメ
は2000kg)よりはるかに劣る結果となっていた。
しかし、今回の研究結果で過去推定値の4倍、大幅な上方修正となり、
ティラノサウルスがぶっちぎりの破壊力をもった咬合力を
持っていたということになる。
しかし!
それは陸上動物での話。
海ではさらなる咬合力を持つものがいるという!
ダンクレオステウス 属名(Dunkleosteus )
恐竜時代よりはるか昔、
おおよそ3億6000万年前、デボン紀後期に生息していた板皮類。
板皮類とは絶滅した魚類のグループで、
脊椎動物で初めて顎をもったグループである。
当時、板皮類は顎を持つことによって捕食性が増し、多いに繁栄した魚で
その中でも究極なまでに咬合力をもつのがこのダンクレオステウスなのだ!
その咬合力は前方で4400kg、奥で5300kgにもなったという。
これはティラノサウルスにおおよそ同等だが、
こちらは「元祖、咬合力王」といったところだ。
そして、
咬合力の面において忘れてならないのは
太古から長きに渡り、海の捕食者として君臨したサメである!
現在でもシャチ
に並び、頂点捕食者として生きるホホジロザメは
咬合力が2000kgだが、
1800万年~150万年前、クジラを主食にしていたというメガロドン。
メガロドン 学名(Carcharodon megalodon )
その姿はホホジロザメに変わらないが、体長はその2~3倍の
13mにもなる巨大ザメだ!
その咬合力は半端なく、ホホジロザメの9倍!
18000kgと推定されているという!
強い咬合力を持つことで知られるグループは
まず、ワニやサメといったところだが、
絶滅したグループでかなりの咬合力を持っていただろうというのが
首長竜プリオサウルス類という恐竜時代の海生爬虫類だ!
プリオサウルス類は首長竜といっても、首が短く、頭つまり顎が
異様に大きくなり、より大型な獲物を捕食するようになった首長竜だ!
代表的なものでは
ジュラ紀に生息したリオプレウロドン
、白亜紀に生息したクロノサウルス
が知られるが、いずれもどの肉食動物よりも大きい3mの巨大な顎を
もち、咬合力は2000~3000kgと推定されている。
かつてはティラノサウルスの3倍の咬合力を持つといわれていたが、
今回のティラノサウルスの咬合力5700kgというの大幅な上方修正により、
それより劣る形になってしまった。
しかし!
プリオサウルス類の中でも
2007年に北極圏にあるスバールバル諸島の永久凍土層から
クロノサウルスやリオプレウロドンを凌ぐ大物のプリオサウルス類が発見されたのだ!
正式な学名は付けられていないものの、
映画に登場する猛獣を獲物として狩猟をする最強のモンスター「プレデター」
にちなんで「プレデターX」という
いかにもそれは未知数的な怪物のように呼ばれている。
1億4700万年前のジュラ紀後期に生息していたと見られ、
全長は15m。長さ30cmの巨大な牙が並んでいたという!
その咬合力は
今回の研究から導き出されたティラノサウルスの咬合力の3倍の
15000kgとこれもまた凄まじい!
咬合力ランキング
メガロドン(サメ) 18000kg
プレデターX(首長竜) 15000kg
ティラノサウルス(恐竜) 5700kg
ダンクレオステウス(板皮類) 5300kg
クロノサウルス(首長竜) 3000kg
イリエワニ(ワニ) 2300kg
ホホジロザメ(サメ) 2000kg
カバ 1000kg
ライオン(ネコ) 400kg
ヒト 70kg
ちなみに動物の咬合力は研究によって
その数値にかなりの幅があるため、おおよその目安
として見ていただきたい。