大陸移動説でよく知られる
ドイツの気象学者
「アルフレッド・ウェゲナー」
彼の墓にはこう記されている。
「偉大なる気象学者。ここに眠る」
大陸移動説を唱えた彼の最大の功績は
ここでは記されていなかったのである。
1910年、
ウェゲナーは世界地図を眺め、
アフリカ西海岸線と南アメリカの東海岸線が
とても似ていることを気にしていた。
これがきっかけで、
もともとアフリカ大陸と南アメリカ大陸は同じ大陸で、
これが分離して移動し、その間に大西洋ができたという
「大陸移動説」を主張したという。
それからというもの、
ウェゲナーは地質学や古生物学の資料のもとに
大陸が移動するという事実を示すいくつも根拠を挙げた。
その一つに知られるのは
グロッソプテルス という植物化石が
南アメリカ、アフリカ、インド、オーストラリアと
海を隔てた離れた地域に産出される。
現生の生き物でも
海を渡るはずもないミミズやカタツムリのある種は
大西洋を隔てて分布するなど、
このような生き物の不思議な隔離分布は
大陸移動によって説明できるというものだ!
しかし、
ウェゲナーの大陸移動説で説明できないひとつの弱点があったという。
それは大陸を動かすほどの大いなる力は何かである。
これについて、ウェゲナーは説明できず、
大陸移動説は世間に受け入れられなかったという。
彼はその大陸を動かす大いなる力の答えを求めて旅立ち、
グリーンランド探査の先で死去したという。
・・・・・・
「大陸移動説を引き継ぐ者」
ごく少数であった大陸移動説の支持者、
イギリスの地質学者アーサー・ホームズは
大陸を動かす大いなる力は
地球内部の熱による対流であると主張した。
これが後のマントル対流説と呼ばれるものだ。
マントルとは地球を覆う地殻の下にある
地下100~3000kmほどまでにおよぶ、
岩石の層である。
今や地震波の観測データからマントル内部には
熱い部分と冷たい部分があることがわかっているが、
熱い部分は膨張して軽くなり、マントル内部で上昇。
逆に冷たい部分は重くなって沈んでいく・・・
この一連の動きによって、マントル内部に
大きな対流が起こっているようだ。
ということは、
マントルの上にある大陸は
マントルの対流にのって、少しずつ動いているというわけである。
今ではウェゲナーの大陸移動説は
揺るぎない定説となって広く受け入れられている。
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