2013年2月19日、鹿児島県の下甑(しもこしき)島の鹿島で
約8000万年前の中生代白亜紀後期の地層から
トリケラトプス
などで知られる角やフリルが発達した恐竜、
角竜「ケラトプス類」の歯の化石1点が見つかったと発表された。
毎日jp 2013年2月19日
http://mainichi.jp/select/news/20130220k0000m040107000c.html
発見された化石は幅12.1ミリ、高さ8.6ミリ、厚さ3.7ミリ
という小さな歯の化石。
ケラトプス類の歯は1つの歯に2つの歯根がある。
いわば、歯根が二股になっているのが特徴。
発見された部位はその片方の歯根の一部分で、
これがケラトプス類のものであると鑑定された模様だ!
発見された化石がとても微小なものとはいえ、、
国内でのケラトプス類の発見は初めて。
そしてアジアでは3例目となる貴重な発見なのだ!
さてケラトプス類とはなにか!
まずは角竜類の系統について語らなければならない。
アジアで発見されている角竜類(ケラトプシア)は
原始的な種類が圧倒的に多い!
角竜類でまず分けられるのが、
プシッタコサウルス類と
目の上や鼻の上に角を持ち、後頭部にフリル(襟飾り)のある
新角竜類(ネオケラトプシア)
一般的にこの新角竜類(ネオケラトプシア)が「角竜」と
呼ばれているのだが、
アジアで発見される新角竜類はまだ初期のグループで
代表的な種としてアーケオケラトプス
やプロトケラトプス
などが
揚げられるが、
角やフリルは未発達で、体型も小さく、2足歩行に適応したものだ。
日本でも国内初となる角竜類が
2007年に兵庫県篠山市にある1億4000万~1億2000万年前の地層から
アーケオケラトプスの仲間とされるものが発見されている。
このようにアジアで生息した角竜類は原始的なタイプが多いのだが、
トリケラトプスのように角やフリルが発達し、体が大型化して、四足歩行となった
進化したタイプの角竜が「ケラトプス類」だ!
そして、彼らの活動した舞台は一転して北アメリカと移ったいたようだ!
北アメリカの発見されたケラトプス類は
トリケラトプスをはじめ、カスモサウルス
やスティラコサウルス
、
パキリノサウルス
など種類が実に多い。
そして、ケラトプス類には
鼻面の1本の角が発達し、フリルの縁にも立派な突起が並ぶ
「セントロサウルス類」と
両目の上の2本の角が発達し、フリルが長く成長した
「カスモサウルス類」の
2タイプに分けられる。
カスモサウルス類は最後まで生き延びた恐竜のひとつであり、
それに含まれるトリケラトプスになると
あの体型で全長15m、推定で体重は20トンにもなる個体もいたらしい!
このように立派なツノをもつケラトプス類はほとんど北米産のものしか
知られておらず、
角竜類はアジアから北アメリカに渡って進化し、角を持ったと考えられていた。
しかし、
今回の国内でのケラトプス類の歯の化石の発見に加え、
2010年には中国でケラトプス類のセントロサウルスの仲間になる
「シノケラトプス」
が発表された
すでにウズベキスタンでケラトプス類とされている
「トゥラノケラトプス」
が発見されており、
アジアでもケラトプス類は少なからず、生息していたようだ。
いずれもアジアで発見されたケラトプス類は
まだ原始的なタイプのようだが、
角竜のケラトプス類への進化の舞台は北アメリカのみならず、
アジアまで広範囲におよび、
北アメリカではさらなる進化したタイプ角竜ケラトプス類が数多く現れ、
アジアでは比較的、原始的な姿をとどめたままのケラトプス類が
生息していたといったところか。
角竜の系譜とその進化の舞台を大雑把にまとめてみた。
角竜のルーツはやはりアジア起源として北アメリカへ流れていくといった感じだ。
しかし、アジアからケラトプス類の化石がぼちぼち出ててきて、
新たな発見が今後もあるのかもしれない。