2011年も残りわずかです!
ということで
今年発表された個性派ぞろい新種の古生物特集を
例年のごとくやりたいと思います。
■1月■
クセニシビス (Xenicibis xympithecus )
1万年前の中米ジャマイカに生息していたトキ の仲間。
翼の上腕部、つまり手羽先の部分の骨が異様に太くなり、
これをヌンチャクのような武器に使用したらしく、
襲い来るヘビや猛禽類を一発くらわせたと
研究者は語っている。
飛行のための翼を武器へと変えた類なき珍しい鳥だ!
リンヘニクス (Linhenykus monodactylus)
白亜紀後期の中国に生息した、ごく鳥類に近い恐竜の1種。
その特徴は前脚部分は1本のツメ(1本指)であること。
このような1本ツメの恐竜はモノニクス やアルバートニクス など
意外と種は数多いが、痕跡程度に残った2本の指があるので
3本指。リンヘニクスはその2本指が完全に退化しているので
正真正銘の唯一の1本指恐竜なのだ!
■2月■
ディアニア
(Diania cactiformis)
ざっくり5億年前のカンブリア紀に生息したカギムシ に近い生物。
その姿から「歩くサボテン」と呼ばれている。
細い胴体にはあまりにも重荷ではないかというほど
太い脚を10対も連なり、しかも節足動物のような節がある。
これはこれはと節足動物の起源を知る上で貴重な古生物と
期待されている!
アルクトテリウム(Arctotherium angustidens)
従来の史上最大のクマは北米に生息したジャイアントショートフェイスベア
それを凌ぐ大きさクマが発見された。
同じくジャイアントショートフェイスベアの一種で、
こちらは200万年~50万年前の南米に生息していたらしい。
立ち上がった頭までの高さは340cm、体重は1,6トンもあったようだ。
アルクトテリウム・南米ジャイアントショートフェイスベア (体重1,6トン)
アルクトドゥス・北米ジャイアントショートフェイスベア (体重1,1トン)
ホッキョクグマ(現在の最大のクマ) (体重0,9トン)
■3月■
ヌララグス (Nuralagus rex)
500万年~300万年前、スペインの離れ小島「ミノルカ島」に
生息していたといわれる史上最大のウサギ。
学名はヌララグス・レックス(Nuralagus rex)ということで
通称「N-REX」なんて強そうな名前で呼ばれているが、
天敵のいない離れ小島に生息していたためか、
見た目どおり
ウサギのような研ぎ澄まされて発達した目や耳の感覚は退化。
ピョンピョンとすばやく飛び跳ねることもなく、
かなり、危機感ゼロのぐうたらな生活を送っていたと思われている。
ドードー
など離れ小島に住む動物にありがちなパターンである!
■8月■
ジュラマイア(Juramaia sinensis)
エオマイア というネズミのような哺乳類。
ちなみに、真獣類とはわれわれ人間と同じく、母親が胎盤を有する有胎盤類のことで、
お腹のなかで胎児をある程度成長させて出産する哺乳類のことだ。
このご先祖様がさらなる昔のジュラ紀の1億6000万年前に現れていた
ということで大きな発見だった。
■9月■
ラコグナトゥス
(Laccognathus embryi)
3億7500万年前に生息していた シーラカンス や肺魚
で知られる肉鰭類の仲間。
肉鰭類は両生類など四肢動物に近い魚類であるが、
極めて、頭が横長の寸詰まりで、ほとんど魚の顔ではない。
■11月■
クロノピオ
(Cronopio dentiacutus)
9300万年前の南米に生息したリスほどの小さな哺乳類。
大きな目に細長く突き出た鼻先と個性的な顔つきだが
長い犬歯も特徴的。サーベルマウスといったところだ!
でも立派な牙を持っても昆虫食だったらしい。
ということで
今年、発表された新種古生物はまだまだありましたが、
その中でも印象に残ったものを取り上げてみました。
それでは皆さん、
よいお年をお迎えください!